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日々忙しく働く中で、「少しでも早く仕事を終わらせよう」「今日のうちに進められるだけ進めておこう」とつい遅くまで頑張ってはいないでしょうか。真面目に業務に向き合っている熱意や、仕事を前に進めようとする努力は素晴らしいものです。
しかし、その頑張りが翌日以降の仕事の効率を下げてしまっては本末転倒です。実は、疲れる前に「今日はここまで」と見切りをつけてサクッと帰る人のほうが、結果的に翌日も万全な状態で働くことができ、中長期的な成果が安定しやすくなるのです。
今回は、日々の努力を成果につなげるための、自ら業務時間をコントロールする引き算の働き方についてご紹介します。
なぜ定時退社をする人のほうが成果が安定するのか
日々の仕事の中で、私たちの集中力や判断力は、自分で思っている以上に早い段階で消耗していきます。あえて早い段階で見切りをつけて退社する働き方が、なぜ日頃の成果を安定させるのか、その理由を解説します。
■1日に使えるエネルギーには限りがある
どれだけやる気があっても、長時間働き続けていると、次第に集中力が続かなくなったり、判断が鈍ったりなど、作業効率は低下していきます。なぜなら、エネルギーの量は1日の中で限られていると言われているからです。心理学では、物事を考えたり決定したりするために必要な脳のエネルギーを「認知資源」と呼びます。上記のようなことが起こるのは、脳のエネルギーが限界を迎えているサインなのです。
このエネルギーが切れた状態で「まだ仕事があるから」と遅くまで働き続けると、どうしても作業効率は低下します。疲労が蓄積した状態では判断ミスが増え、そのやり直しにさらに時間を取られるという悪循環に陥りかねません。さらに、翌朝の仕事に向かうモチベーションまで削がれてしまうことにもつながる恐れがあります。
■成果を出す人は時間管理のスキルが高い
一方で、定時でサクッと帰る人は、終業時間から逆算して「今日やるべきこと」と「明日でもいいこと」を明確に分ける高い管理能力を持っています。エネルギーがある時間帯に重要度の高い業務から片付けるため、効率よく仕事をこなしていけます。
このように、定時退社を実践している人は、限られた時間内で成果を出すために業務の優先順位を整理し、自分自身で業務をコントロールするスキルに長けているのです。
■自己決定は高い回復効果をもたらす
また、周囲の目やその場の空気に流されて残るのをやめ、自分の意志で「今日はここで終わりにして帰る」と決めることは、翌日のパフォーマンスに直結します。
自らの意志で決断して退社すると、自分のペースで業務をコントロールできているという充実感が生まれます。受動的なやらされ感がなくなるため、心身ともに仕事の負担感が大幅に軽減され、翌朝の前向きな意欲へとつながるのです。
業務時間をコントロールする引き算の働き方
残業を前提とした働き方から抜け出すためには、やるべきことを増やす足し算ではなく、無駄を削ぎ落とす引き算の思考が不可欠です。限られた時間とエネルギーを最大化し、自ら業務時間をコントロールするための実用的なアプローチをお伝えします。
1.「今日やらないこと」を決める
毎日の業務を始める前に、まずは「今日やらないこと」を明確に決めることから始めます。
すべての業務を一律に片付けようとすると、脳の限られたエネルギーはすぐに分散してしまいます。重要度と緊急度を基準に業務を整理し、明日以降でも差し支えのないものは、あらかじめ今日のスケジュールから引き算して排除します。
この引き算によって、その日に集中すべき本質的な業務だけに全エネルギーを注ぐことが可能になります。
2.優先順位を整理する
あらかじめ今日のスケジュールから引き算をしたら、残った業務に優先順位をつけていきます。
限られた時間の中でパフォーマンスを最大化するためには、最も集中力が高く、脳のエネルギーが残っている午前中に、思考力を要する重要な業務を配置することが重要です。このとき、優先順位の低い業務に割く時間や労力をあらかじめ引き算し、過剰にエネルギーを注がないようセーブします。
このように、自身のエネルギー量に合わせて業務の順番や力加減を賢く整理することで、時間を引き延ばすことなく、定時までにすべての業務を無理なく収めることができるようになります。
3.集中力を削ぐものを排除する
日々のパフォーマンスを著しく下げる最大の要因は、業務中の細かな中断や割り込みです。
メールやチャットツールの通知が鳴るたびに思考が途切れると、再び元の集中状態に戻るまでに多大なエネルギーが必要となります。そうならないために、例えば、午前中の1時間は通知を完全にオフにするなど、集中を削ぐものをなくす時間を設けることが効果的です。
外部からの刺激を一時的に引き算することで、集中力を保ったまま、短時間で高いパフォーマンスを出せるようになります。
明日できることは明日に回す
日々の仕事で成果を出し続けるためには、長く働くことではなく、自分の体力を上手にコントロールすることが大切です。
「キリが良いところまで」と残業を続けるのではなく、「この作業は明日でも間に合う」と判断して、その日の業務を切り上げる。この選択が、自身のメンタルを守り、中長期的なパフォーマンスを高く保ち続けるための賢い選択です。
文・構成/藤野綾子
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