裁判所のジャッジ
Aさんの敗訴です。裁判所は「解雇はOK」と判断。
裁判所が重視したポイントは以下のとおりです。
■ 周囲への配慮不足
入社1か月足らずで協調性について指導を受けたにもかかわらず、同僚の業務を必要以上に厳しく批判したり、LINEグループでマスク転売を巡り同僚と言い争いになるなど、他者への配慮を欠いた言動によって複数のトラブルを生じさせていた。
■ 上司の指導をことごとく拒絶
このようなAさんの言動に対し、上司は再三注意を行ったが、Aさんの反応は極めて不誠実であり、次のような反応を示すなど、真摯にその内容を受け入れなかった。
「あなたは本当に、私がこの件に関してもっと何かしなきゃならないと思ってるんですか?」
「とにかく、あなたのアドバイスを守ったってことを見せるために、共有しましたよ」
また、他の上司とのやり取りにおいても、自身の思い通りにならないと「醜いままにしておいて」「私は怒っています」などと感情的に非難することさえあった。これに対し、裁判所は「上司からの指導による改善も期待できないと評価されてもやむを得ない状況であった」と結論づけている。
■ 「警告書」の発行と、組織適格性の欠如
さらに、裁判所は以下の事実も重く見ている。
社員から「Aさんが人種差別的、性差別的なハラスメントを行っている」との苦情があったことを受け、会社が「態度や言動に関する懸念について」と題する警告書を交付していた。
これらの事実を認定した上で、裁判所は最終的にこう結論づけた。
「Aさんは、入社からわずか2年も経たないうちに、自身の攻撃的な態度、配慮を欠く言動に起因するトラブルを複数回起こした上、上司に対しても感情的・攻撃的な批判を繰り返している。このような言動は、他の従業員の就業環境を著しく悪化させるものである」
「一定の改善がみられたものの、その後も攻撃的な態度、配慮を欠く言動が続いたことからすれば、Aさんが、注意指導を真摯に受け入れていたとはいえない」
その結果、Aさんは「組織において他者と協力して業務に当たるための適格性を欠いており、注意指導等による改善の見込みもないといわざるを得ない」として、解雇は社会通念上相当であり有効である、と判断されました。
さいごに
従業員には、会社や上司を批判する自由があります。しかし、その表現方法や態様が職場環境を著しく悪化させ、注意指導を受けても改まらない場合、解雇OKとなることがあります。
今回は以上です。「こんな解説してほしいな~」があれば下記URLからポストしてください。また次の記事でお会いしましょう!
取材・文/林 孝匡(弁護士)
「ムズイ法律を、おもしろく」をモットーにコンテンツを作成している弁護士
YouTube:https://www.youtube.com/@saiban_LABO
会社の腕相撲大会でまさかの骨折!遊びの延長でも労災認定される?
こんにちは。弁護士の林 孝匡です。宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。 会社主催の腕相撲大会で骨折!仕事とはカンケーなさそうな行事でも、はたして労災は…







DIME MAGAZINE














