裁判所のジャッジ
Aさんの勝訴です。裁判所は「こりゃ、どちらも違法ね」と判断しました。
順番にザックリ解説します。
▼ 職能給を昇給させなかったこと
■ 大前提
ザックリいえば「その規定があるせいで育児休業しにくいじゃん」って時は違法です。
厳密にいえば以下のとおり判示しました。
不利益な取扱いが育児介護休業法が労働者に保障した同法上の育児休業取得の権利を抑制し、ひいては同法が労働者が前記権利を保障した趣旨を実質的に失わせる場合は、公序に反し、不法行為法上も違法になる。
ちょっと何を言ってるか分からないと思うんですが、カンタンに言えば「こんな不利益を受けるなら育休とらんとこ」って従業員に思わせるような制度ならアウトってことです。
■ 本件
以上を前提に、
・3か月育児休業すれば、残りの期間の就労状況にかかわらず一律に昇給させない措置
・他の原因で3か月休暇しても特に不利益はないのに(有給休暇、労災による休暇)育児休業だけを不利益に取り扱っている
・育児休業をとった人も人事評価の対象とする制度を採用しているのに、評価いかんにかかわらず一律に職能給を上げない措置をとることは合理性がない
など述べ「職能給を昇給させなかったことは違法」と判断しました。
▼ 昇格試験を受験させなかったこと
コチラもすんなり違法認定されています。育休の3か月間を算入すれば受験できる規定年数に達していた。なので受験させなかったことは違法と判断しました。
▼ 認められた金額
・給与とボーナス
8万9040円
(昇給していていればこれだけもらえてたよね)
・慰謝料
15万円
(昇格試験を受験させなかったことについて)
中小企業のワンマン社長は「俺の時代はなー!」との化石ザレゴトを吐いて、育休を拒む可能性があります。そんなときは都道府県労働局雇用均等室に相談しましょう。
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取材・文/林 孝匡(弁護士)
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