過剰な美辞麗句である「コーポレートBS」とは
ある企業から「シナジー効果を生み出すソリューション」が提供されるとしたら何を期待するだろうか。
生き馬の目を抜くビジネスの現場では、絶えず目新しい言葉が生まれて注目を浴びているのだが、こうした新規性のある言葉は物事を新たな視点からとらえたり、別の角度から眺めるに役立ち、斬新な発想に繋がることがあるかもしれない。
こうした用語や言い回しには確かに耳触りが良く勢いのようなものを感じるかもしれないが、その一方ですぐには理解が難しくやや不可解な感じもする専門用語や業界用語は「コーポレートBS(Corporate bullshit)」とも呼ばれており、状況によっては洗練された響きを持つこともあるが、実際は意味が希薄な文言ではないかと一部からの批判もある。
たとえば2009年に流出した米某大手飲料企業のマーケティングプレゼンテーションには「○○のDNAは、周辺環境の変動というダイナミクスに由来します。我々の提案はトランザクショナルな体験からインビテーショナルな表現へと移行するための引力を確立することにあります」といった文言が含まれており、そのレトリックの過剰さが話題になったことがある。
企業文化によって育まれてきた数々の業界用語だが、場合によっては過剰な〝美辞麗句〟でもあるこうした言葉に囲まれたビジネス環境ではたして社員たちはそれに相応しい業績をあげられるのだろうか。

コーポレートBSは組織内で混乱を招く
米コーネル大学の認知心理学者、シェーン・リトレル氏が今年2月に「Personality and Individual Differences」で発表した研究では、印象的ではあるものの中身のない組織のレトリックに対する感受性を測定するために設計されたツール「コーポレートBS受容性尺度(CBSR)」が紹介されている。
リトレル氏の定義によればコーポレートBSは、紛らわしい抽象的な専門用語を誤解を招くような形で機能的に用いる特有のコミュニケーションスタイルであるという。
「技術的な専門用語は時にオフィスでのコミュニケーションを少し楽にしてくれることがありますが、コーポレートBSは明確化するどころか混乱を招きます。一見立派に聞こえるかもしれませんが、意味的には空虚なのです」とリトレル氏は科学メディア「Phys.org」に語る。
企業理念が実態と解離していることは往々にしてあり得るが、コーポレートBSは職場の生産性を高めているのか、あるいはひょっとして働く者にネガティブな影響を及ぼしているのだろうか。







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