こんにちは。弁護士の林 孝匡です。宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。
会社主催の腕相撲大会で骨折!仕事とはカンケーなさそうな行事でも、はたして労災はおりるのでしょうか?
裁判で争われる論点とは……。以下、わかりやすく解説します。
※ 実際の判決を基に構成
※ 判決の本質を損なわないようフランクな会話に変換
※ 争いを一部抜粋して簡略化
登場人物
▼ 会社
・果物生産会社
・さくらんぼ、桃などの果物を生産
・従業員8名(25歳~32歳)
・社長は31歳。若い!
▼ Aさん
・農作業をしていた方
・新人社員(採用されて1か月半)
・新人だが、62歳
どんな事件

▼ さくらんぼ収穫ガンバるぞー!
という決起大会が開かれました。
社長が音頭をとり毎年開催されていました。
社長は全員に声をかけて、全員が参加できる日程を調整。決起大会(懇親会)には従業員全員が参加しました(社長+8名の従業員)。
社長が30分ほどさくらんぼの収穫の期間、場所、就労時間などを説明。
そして新たに従業員として加わったAさんをみんなに紹介しました。
その後、7時30分ころから本格的に懇親会が始まりました。酒も進み、場の雰囲気が盛り上がっていきました。
▼ なぜ、腕相撲?
その決起集会では恒例行事として【腕相撲大会】が開催されていました(以下、判決文を川風に再構成)。
――シャチョー!なぜ腕相撲大会なんですか?
社長
「さくらんぼ収穫などの農作業は体力と協調性が必要です。腕相撲を通じて従業員の能力を測り、作業の役割分担の参考にもしていました」
▼ 腕相撲大会がスタート
さて、宴会が始まって1時間くらい経ったころ。社長のかけ声で腕相撲大会がスタートします。
■ 腕相撲のルール
・全員参加の勝ち抜き戦
・社長が最初に戦う
社長はAさんに声をかけます。「新人のAさん、やりますか」と指名。
――Aさん、勝負を受けたんですか?
Aさん
「初めは断ったんです。私は62歳と高齢なので……。でも社長から「全員参加です」と言われたので、新人の私としては社長の挑戦を受けざるをえませんでした」
――社長との勝負の結果はどうでした?
Aさん
「私が勝ちました」
つよっ!62歳が31歳に勝つ。長年、農作業に従事されていたからかな。長年インドアの私は、ゴングと同時に腕をヘシ折られることでしょう。
Aさん
「でもそれで終わりではありません。腕相撲大会は勝ち抜き戦なので2戦目があります。社長が2戦目の相手を指名しました。その2戦目で右ひじを骨折してしまいました」
Aさんは労災認定を求めて労働基準監督署に申請しました。
労働基準監督署
しかし、労基は労災認定せず。理由は、業務上の負傷〈じゃない〉というもの。感覚としては「ただの社員同士の腕相撲じゃん。仕事じゃーねーじゃん」と判断されたのかなと。







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