フリーランスや個人事業主が、取引先との会食や接待の場としてキャバクラやガールズバーを利用した場合、その費用は経費になるのだろうか。
高価なシャンパンを開ければ数十万円の出費になるケースも珍しくない。これが経費として認められなければ、確定申告時のダメージは大きい。
そもそも、納税者にとってキャバクラやガールズバーといったいわゆる「夜のお店」の支出は、なんとなく経費にしにくいのも事実。
確定申告で税務署に指摘されないためにも、本記事では税理士監修のもと、OK/NGの判断ポイントを整理する。
接待や営業目的でのキャバクラは経費になる可能性大。注意点は?
フリーのデザイナーとして活動するCさんは、以前勤めていた大手広告代理店時代の同僚から大きな案件を紹介された。
独立して間もない時期だったこともあり、ぜひとも受注したい仕事だ。
条件調整が進む中、同僚からこんな話を聞く。
「そのクライアントはかなりのキャバクラ好きらしいよ」
関係性を深めるため、キャバクラでの接待も検討することにしたが、Cさんには一つ気がかりな点があった。
「このキャバクラ接待、本当に経費にして大丈夫なのだろうか」
仕事のための支出である一方、夜の店という性質上、私的な支出と見なされる可能性も否定できない。
また、万が一この接待が受注につながらなかった場合でも、経費として認められるのだろうか。
この疑問について、30年以上のキャリアを持つベテラン税理士である山本宏税理士に話を聞いた。
「結論から言うと、このケースでは経費として認められる可能性は高いでしょう。
仕事を発注してもらうためという目的があるならば、それは『接待交際費』や『営業費』に計上ができます。その場所がキャバクラやガールズバーであったということは、それ自体が否認理由になるとは限りません。
ワイン好きクライアントのためにワインが美味しいビストロに連れて行くのと同様に、接待の目的に沿った店選びであるかどうかが重要になります。
重要なのは『場所』ではなく『目的』です」
Cさんが懸念しているように、接待の結果、受注に繋がらなかったとしても問題ないのだろうか。
「それも問題ありません。接待や営業の結果、売り上げにつながらなかったということは珍しいことではないからです。
当然、その過程でかかった費用についても、正当な目的であれば経費に計上できると考えられます」
しかし、山本税理士は次のように警鐘を鳴らす。
「クライアントと仲が深まり、『キャバクラ友達』のような関係になってくると経費との境界線が曖昧になってしまいます。
『キャバクラは大丈夫』と安心するのではなく、経費にする場合は、『仕事(売上)のために必要かどうか』という経費の大原則に従い、正当性を説明できるようにしましょう」
まとめ
キャバクラやガールズバーでの接待は、「夜のお店だからNG」と一律に判断されるものではない。重要なのは、その支出が仕事(売上)のために必要だったかどうかを、第三者に説明できるかという点だ。
迷ったときは、「その支出がなければ、この仕事は成立しなかったか?」という視点で考えてみるとよいだろう。
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取材協力/山本宏税理士(山本宏税理士事務所代表)https://www.y-zeirishi.jp
取材・文/峯亮佑







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