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2026年にやってくる「丙午」って何?出生数が激減したという〝迷信〟の正体

2025.12.10

丙午(ひのえうま)とは、干支の組み合わせで約60年周期で巡る年です。前回は1966年で、迷信の理由からか出生数が減少する社会的な影響がありました。次回の丙午は2026年(令和8年)です。丙午の基本知識と迷信のルーツを解説します。

みなさんは「丙午(ひのえうま)」という言葉を聞いたことがありますか?

もしかすると、ご自身の親世代やニュースなどで見聞きしたことがあるかもしれません。

日本では、約60年前にあたる1966年(昭和41年)に、丙午にまつわる迷信が原因で社会的な影響がありました。

しかし、「丙午」とはそもそもどういう意味で、なぜ出生が注目されたのでしょうか?

この記事では、日本の文化や暦に関わる「丙午」の基礎知識を整理し、その迷信のルーツ、そして次に丙午が巡ってくるのがいつなのかを、わかりやすく解説します。

■Q:丙午って何ですか? 基本情報と干支の意義

A:丙午(ひのえうま)とは、干支(えと)と呼ばれる暦の数え方の1つで、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせです。

・十干の「丙(ひのえ)」:陰陽五行説の「火の兄(陽の火)」にあたります。
・十二支の「午(うま)」:五行では「火」となり、動物では「馬」を表します。

この「火の兄」と「馬」が組み合わさることで、「火の気が強く、非常に活発で気が強い」といったイメージが生まれ、これが後述する迷信の源にもなっています。

干支の組み合わせは10×12の全部で60通りあり、60年で一巡する仕組みとなっています。

■Q:前回は1966年(昭和41年)。次回の丙午はいつ?

A:干支は60年で一巡(還暦)するため、前回の丙午である1966年(昭和41年)から60年後が次回の丙午になります。

丙午の年西暦元号
前回1966年昭和41年
次回2026年令和8年
次々回2086年

次に丙午が巡ってくるのは、2026年(令和8年)です。

ちなみに、阪神甲子園球場の「甲子」は「きのえね」で、前回が1984年(昭和59年)で、前々回が1924年(大正13年)です。

そう、開場が1924年なのです。

2024年に100周年を迎えたことは、記憶に新しいところです。

■Q:丙午の迷信って何ですか?

A:丙午にまつわる迷信には、「丙午の年に生まれた女性は気が強く、災いをもたらす」というものです。

これは史実に基づかない迷信で、根拠はまったくありません。

ただこの迷信は、「お七」の事件に由来すると言われています。

井原西鶴作、浮世草子「好色五人女」の巻四に、江戸本郷の娘お七と吉三郎の恋物語があり、吉三郎に会いたい一心で放火したお七が火刑に処せられたと描かれています。

この物語のお七が丙午生まれとされ、また、「火」の気が強いとされる丙午のイメージが結びつき、「丙午生まれの女性は気性が激しく、災いをもたらす」という迷信が広まったと考えられています。

出生数への影響

前回の1966年にはこの迷信を恐れてか、出生数が減少しました。

出典:令和6年(2024) 人口動態統計月報年計(概数)の概況 「図1 出生数及び合計特殊出生率の年次推移」|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai24/dl/gaikyouR6.pdf

厚生労働省の統計によると、1966年の出生数は約136万人で、前年の1965年の約182万人と比べると、約46万人の大幅な減少となりました。

また、翌年の1967年は約193万人と約57万人の大幅増加を示しています。

【参考】第1表 人口動態総覧の年次推移|厚生労働省

このデータが示す通り、迷信は社会的な影響力を持ってしまうことがあります。

近年、丙午の迷信を信じる人は少なくなっていますが、ご高齢の方の間で話題に出ることがあるかもしれません。

ただし、科学的な根拠は一切ありません。単なる迷信であることを理解しておくことが大切です。

■Q:丙午の周期を教えて

A:前述のとおり、六十干支(ろくじっかんし)で還暦となります。60年周期となっています。

干支(十干と十二支)の組み合わせ

十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸):10種類

十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥):12種類

10と12の最小公倍数(共通する倍数で一番小さな数字)が60なので、60年周期となるわけです。

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※当記事に掲載している価格などのデータは2025年11月時点でのものです。

文/中馬幹弘
編集/ライター。慶應義塾大学卒業後、野村證券にて勤務。アメリカンカルチャー誌編集長、モノ情報誌編集を歴任

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