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キャリアに不安を感じるZ世代社員が増加、その要因は経営層とのギャップ?

2025.11.12

Z世代と呼ばれる若手社員の価値観の多様化に伴い、職場環境における問題や人事課題がSNSやネットニュースなどになることも増えている。

日本人事経営研究室は、全国の中小企業の経営者と人事担当者100名、そして中小企業で働く18歳から29歳の一般社員100名を対象に、中小企業が抱える職場環境や人事課題に関する意識調査を実施して結果を公開した。

それによれば入社半年以内のZ世代社員から退職意向を伝えられた経験がある経営層は4割を超えており、一方の経営者や人事担当者側の多くは「Z世代社員に配慮が必要」と考えていることがわかった。

経営層の4割は入社半年以内のZ世代社員から退職意向を伝えられた経験あり

経営者・人事担当者は、入社半年以内の社員から退職意向を伝えられた経験について43.0%が「経験がある」と回答。若手社員の不満や不安が早期に表面化して、入社直後に離職意向が伝えられていることがわかった。

社員の声を職場改善に反映しようとする経営層は7割だがZ世代社員とギャップあり

経営者・人事担当者に社員の声が職場環境の改善や業務の進め方、人事評価制度に反映されているか質問すると、「かなり感じる」と「少し感じる」を合わせて約7割が反映できていると回答している。

だがZ世代社員側は、「かなり感じる」と「少し感じる」を合わせて33.0%しかいなかった。両者には大きなギャップがあり、経営者・人事担当者側が行う課題改善への対応は、若手社員の実感や満足に繋がっていない可能性がありそうだ。

経営者・人事担当者側の行き過ぎた配慮が若手の成長機会を奪っている可能性も

経営者・人事担当者側に対して、Z世代社員に対して配慮が必要だと感じたことがあるかを質問すると、「かなり感じたことがある」と「少し感じたことがある」を合わせて77.0%が感じていたと回答。

多くの企業は、Z世代社員に対して配慮の必要性を感じているようだ。若手社員自身は成長を求める一方で、上司の過度な配慮が逆に若手社員の成長を奪っている可能性も考えられる。

今の会社で働き続けることでキャリアの不安を抱えるZ世代社員は半数以上

Z世代社員に今の会社で働き続けるにあたり、キャリアに不安を感じるかについては、「かなり感じる」と「少し感じる」を合わせて58.0%と6割近くが不安を感じている。その不安では、「現在の業務内容では将来的なキャリアアップが難しい」がもっとも多く50.0%と約半数だった。

それに「現在の職場での経験がほかの企業で通用しない」(39.7%)が続いた。ほかにも「正当に評価されていないと感じる」が24.1%、「自分のキャリアパスが明確ではない」が22.4%と、人事評価制度の不透明さや不十分なキャリア設計に起因する不安も挙がった。

経営者・人事担当者側にZ世代社員への成長支援やキャリア形成のために施策を講じていると思うか質問すると、「かなり思う」と「少し思う」を合わせて63.0%が施策を講じていると回答している。

会社が講じている施策に対しては、Z世代社員が満足していると言えない状況も推察できるので、経営者・人事担当側とギャップが浮き彫りになっている。

人事評価を公正と感じるZ世代社員は4割以下

Z世代社員に自分の業務に対する人事評価が公正だと思うか質問すると、「とても思う」と「少し思う」を合わせると37.0%だった。

経営者・人事担当者側に公正な人事評価が行えているか質問すると、「とても思う」と「少し思う」を合わせて69.0%と約7割という結果だった。Z世代社員と経営者・人事担当側では、公正な評価への実感値に大きなギャップがあるようだ。これが若手社員のモチベーション低下を招き、離職意向に繋がっている可能性もありそうだ。

今回の調査を行った日本人事経営研究室の山元浩二氏は、次のようにコメントしている。

「今回得られたデータから、中小企業で若手が定着しないという課題の対処方法が見えてきました。それは経営側の“やっている感”と若手の“実感”の乖離を解消する必要がある点です。

まずは経営側が若手の成長支援を行うと同時に社員ひとりずつのキャリアプランを確認するなど、相互のコミュニケーションを充実させる取り組みが必要となるでしょう。

中小企業向け人事評価制度の重要性については、中小企業が若手の定着と戦力化を実現するためには、『経営計画』と連動した『人事評価制度』を導入・運用すべきです。

『経営計画』で自社の将来像を示し、『人事評価制度』でこれに合わせたキャリアプランを全社員にもってもらうことで組織の成長や本人の成長をテーマにした上司とのコミュニケーションが充実します。

これにより経営層と若手の認識のギャップは解消し、ベクトルがそろった一体感のある組織が実現できます。Z世代を惹きつける中小企業となるためには、しっかりと経営計画と人事評価制度を運用できる体制を確立することが求められるでしょう」

この調査では、一定数の経営層や人事担当者は「社員の声を反映できている」、「成長支援を行っている」、「人事評価は公正である」と回答しているが、Z世代社員の多くはそれを実感できずにギャップが生まれている。

経営層の自己評価と現場の社員の受け止め方に大きな乖離が生じてしまうと、若手社員は人事評価制度やキャリア設計の不透明さを感じて不安感を醸成してしまう。人事評価制度の透明化と双方向のコミュニケーションで経営層と社員の信頼関係を築くことが重要といえるだろう。

https://jinjiseido.co.jp/

構成/KUMU

30年以上暮らした東京から実家に戻った地方在住フリーライター。得意分野は、ゲーム、アニメ、マンガやIT&デジタル関連など。自宅でリモート取材や自宅作業が増えたので、20年以上ぶりにフル自作PCを作成して活用中。最近の取り組みは、実家で発掘したセガマークⅢ以降の昭和から平成のゲーム機が動くか点検すること。

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