TEXTSPLIT関数は文字列を特定の区切り文字で分割する関数である。文字列を分割することで、それぞれ独立した値として扱える。区切り文字を2つ指定したり、横方向だけでなく縦方向に区切ったりすることもできる。
目次
ExcelのTEXTSPLIT(テキストスプリット)関数の使い方が分からない、という方もいるのではないだろうか。TEXTSPLIT関数は、文字列を特定の区切り文字で分割できるという関数だ。
本記事ではTEXTSPLIT関数の使い方について解説する。TEXTSPLIT関数を特定の区切り文字で2つに分割したり、横方向ではなく縦方向に区切ったりする方法もまとめた。
TEXTSPLIT関数とは?
TEXTSPLIT関数は、セルに書かれたテキストを、特定の文字列で区切って分割する関数だ。
たとえば、「田中,山田,佐藤」と書かれたセルがあるとしよう。
TEXTSPLIT関数を使えば、このテキストを「,」ごとに区切ることができる。「田中」「山田」「佐藤」とそれぞれのセルに記入させることができる。
■TEXTSPLIT関数の基本的な構文
TEXTSPLIT関数の基本的な構文は次のとおり。
- =TEXTSPLIT({テキスト},{縦方向に分割するための区切り文字},{横方向に分割するための区切り文字},{オプション1}, {オプション2}, {オプション3})
基本的には、分割したいテキストと、区切り文字を指定するだけで良い。
その他、オプションを指定することで、TEXTSPLIT関数の挙動を調整できる。
- オプション1:空文字を無視するかどうかを指定(TRUEだと無視する)
- オプション2:大文字・小文字を区別するかを指定(TRUEだと区別しない)
- オプション3:データが不足しているときに表示する値を指定
具体的なTEXTSPLIT関数の使い方は、後ほど詳しく解説しよう。
■TEXTSPLIT関数が使えるバージョン
TEXTSPLIT関数を使うには、Microsoft 365を契約する必要がある点には注意が必要だ。古いバージョンのExcelでは使うことができない。
もしMicrosoft 365を契約していないなら、Web版のExcelを使う方法もある。Web版のExcelなら、問題なくTEXTSPLIT関数を使うことが可能だ。
関連記事:買い切り型とサブスク型、どっちがお得?比較に便利な「Microsoft 365」の価格表
TEXTSPLIT関数の使い方
TEXTSPLIT関数の使い方について解説する。
TEXTSPLIT関数で次の5つを行う方法を順番にみていこう。
- 特定文字列で区切る
- 2つの特定文字列で区切る
- 縦方向に区切る
- 縦方向にも横方向にも区切る
- 空欄を除外して区切る
■1.特定文字列で区切る
まず、区切り文字を1つ指定し、文字列を横方向に区切る方法を解説する。
以下では「=TEXTSPLIT(A2, “,”)」としている。
A2には、カラム区切りで数値が入力されている。区切り文字は『,』を指定した。
TEXTSPLIT関数によって、A2の文字列を『,』で区切ろうとしている。

実行するとA2の文字列が『,』で区切られ、それぞれのセルに入力されていることが分かる。

「=TEXTSPLIT(A2, ” “)」」とすることで、文字列ではなく、空白で区切ることもできる。

実行することで、A2の文字列が空白で区切られていることが分かる。

■2.2つの特定文字列で区切る
区切り文字を1つではなく2つ指定することもできる。
以下では「=TEXTSPLIT(A2, {“$”,”&”})」としている。こうすることで、『$』と『&』の2つを区切り文字として、文字列を区切ることができる。

実行すると、正常に文字列が区切られていることが分かる。

■3.縦方向に区切る
TEXTSPLIT関数は、横方向ではなく縦方向に文字列を区切ることも可能だ。
縦方向に区切るには、2つ目ではなく3つ目の引数に区切り文字を指定する。
以下では「=TEXTSPLIT(A2, , “,”)」としている。3つ目の引数に「”,”」を指定している。

実行すると、縦方向に文字列を区切っていることが分かる。

なお、CHAR(10)を指定することで、改行を区切り文字とみなして、文字列を区切れる。
以下では「=TEXTSPLIT(A2, , CHAR(10))」を指定している。

実行すると、改行を区切り文字として、文字列を縦に区切っていることが分かる。

■4.縦方向にも横方向にも区切る
今度は縦方向にも横方向にも区切る方法を見ていこう。
横方向に区切る際は、2つ目の引数に区切り文字を指定する。横方向に区切る際は、3つ目の引数に区切り文字を指定する。
縦方向にも横方向にも区切る際は、2つ目にも3つ目にも、区切り文字を指定すれば良い。
以下では「=TEXTSPLIT(A2,”,” ,”;”)」としている。

実行すると、以下のようになった。
- 『,』区切りで横方向に文字列が表示される
- 『;』区切りで縦方向に文字列が表示される

■5.空欄を除外して区切る
最後に空欄を除外して区切る方法について見ていこう。
そのままだとTEXTSPLIT関数は空欄を削除することができず、そのまま表示してしまう。

空欄を削除するには、4つ目の引数(オプション1)に「TRUE」を指定する。
以下では「=TEXTSPLIT(A2, “,”, ,TRUE)」としている。

「TRUE」を指定したことで、空欄を除外できた。

まとめ
本記事ではTEXTSPLIT関数とはなにかについて解説した。最後に、TEXTSPLIT関数の使い方についておさらいしよう。
- 特定文字列で区切る
例:=TEXTSPLIT(A2, “,”) - 2つの特定文字列で区切る
例:=TEXTSPLIT(A2, {“$”,”&”}) - 縦方向に区切る
例:=TEXTSPLIT(A2, , “,”) - 縦方向にも横方向にも区切る
例:=TEXTSPLIT(A2,”,” ,”;”) - 空欄を除外して区切る
例:=TEXTSPLIT(A2, “,”, ,TRUE)
TEXTSPLIT関数を使えば、文字列を任意の区切り文字で簡単に区切ることができる。
関連記事:文字列の一部分を取り出す便利な「LEFT関数」の使い方
関連記事:Excelで一部のデータを取り出す時に役立つ「MID関数」の使い方【画像付き】
構成/編集部







DIME MAGAZINE











