パーキンソンの法則とは、時間やお金は与えられた分だけ、使う分も増えていくという法則のことをいいます。克服するには法則を理解し、適切な対策を取ることが必要です。
目次
パーキンソンの法則とは?
『パーキンソンの法則』は、時間やお金の使い方に深く関わる概念で、私たちの日常生活や仕事に大きな影響を与えています。具体的に、どのような内容なのでしょうか。
まずは、基本的な定義と、時間・お金それぞれに関する二つの法則について解説します。
■時間やお金はあるだけ使ってしまうという法則
パーキンソンの法則は、イギリスの歴史・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンによって提唱されました。
『人は無意識のうちに、与えられた資源をフル活用してしまう傾向がある』という行動原理を説明するもので、『第一』『第二』の二つの原則で成り立っています。
例えば、転職で給料が上がっても貯金ができないというケースは、典型例といえるでしょう。もともと、自国の官僚制を観察・分析した結果、たどりついたといわれている法則です。
■第一法則「仕事量と時間」
第一法則は、『仕事は、その完成に割り当てられた時間だけ膨らむ』という原理を表しています。
例えば、30分で終わる会議でも、1時間という枠が設定されていると、議題が早々に終わっても延々と議論が続いてしまうことがあります。
これは、時間的な余裕があると、本来不要な細かい検討や関連性の薄い話題にも費やしてしまうためです。
つまり、時間の長さと効率性は必ずしも比例していないということです。
■第二法則「支出と収入」
第二法則は、『支出は収入の額まで膨れ上がる』という原理です。収入が増えれば、その分使うお金も増えていくことを表しています。
例えば、収入がアップしても、家賃の高い部屋に引っ越したり外食の回数が増えたりして、お金が全然残らないという経験をしたことのある人は多いでしょう。
もともとは、行政の運営費が毎年膨らみ増税される状況から発見された法則ですが、一般家庭や企業にも当てはまります。
パーキンソン第一法則の事例

ここでは、第一法則の具体的な事例を見ていきましょう。ビジネスの場で見られがちなパターンを、二つ紹介します。
■残業をしても生産性は向上しない
パーキンソンの第一法則によれば、残業などで作業時間が増えると、仕事はその時間分膨らみ、本質的な生産性の向上には必ずしもつながりません。
残業ができると分かると、だらだらと作業してしまったり、関係のない資料を調べ始めたりして、結果的に非効率な働き方になってしまうことがあります。
長時間労働だからといって生産性が上がるとは限らず、むしろ疲れが増すことで集中力・意欲が落ち、成果の質や量が悪化することも少なくありません。
■時間ぎりぎりまで作業してしまう
資料や報告書を作成する際の時間の使い方にも、パーキンソンの第一法則が影響します。例えば、企画書作成に1週間の期限をもらったとします。
基本的な内容が完成しても、時間に余裕があると、本来の品質向上とは関係ない装飾や、必要以上の情報収集に時間を費やしてしまうこともあるでしょう。
また、余裕があるために作業自体を後回しにし、結局期限直前に慌てて始めるようなケースもあります。時間に余裕のある状況は、不要なこだわりや二重作業、非効率な時間の使い方につながることも少なくありません。
パーキンソン第二法則の事例

第二法則は、お金に関するさまざまな場面で現れます。個人の家計管理と企業の経営という二つの視点から、具体的な事例を見ていきましょう。
■収入が増えると生活水準も上がる
転職で給料が上がったのに、なぜか貯金が増えないという経験は、パーキンソンの第二法則が働いている典型例です。例えば、月収が20万円から30万円に上がった場合を考えてみましょう。
単純計算では、10万円の余裕ができるはずです。しかし、実際には余裕ができた分も使い切ってしまい、増えたはずの10万円を貯蓄に回すことができません。
この現象は単なる浪費癖ではなく、収入が増加すると、人は無意識のうちにその分だけ支出を増やしてしまう傾向があるためです。
収入が増えても、その分だけ生活レベルを上げてしまい、貯蓄額は変わらないという状況が生まれてしまいます。
■売り上げが上がるとコストも増える
企業経営においても、個人の家計と同様のことが起こります。事業が好調になり売り上げが増加すると、経営者は成長への期待からさまざまな投資をしたくなるものです。
広告宣伝費を増やして新規顧客の獲得を目指したり、営業接待費を拡大して既存顧客との関係強化を図ったりするでしょう。
また、社員のモチベーション向上を狙ってオフィスをリニューアルしたり、最新設備を導入したりする企業も少なくありません。
これらの投資は、一見合理的に思えるでしょう。しかし、売り上げの増加分がそのまま経費に上乗せされることで、利益が上がらないだけでなく、場合によっては減少してしまうケースも発生します。
第一法則の対策

時間の浪費を防ぐには、どのような対策が有効なのでしょうか。ここでは、時間の管理に効果的な方法を二つ挙げて紹介します。
■計画的に作業する
まず、作業前に詳細な計画を立てることが重要です。具体的な計画があることで時間の無駄遣いを防ぎ、集中して取り組めるようになります。
最初に目標を明確にし、必要な作業を全てリストアップしましょう。その後、各作業にかかる現実的な時間を見積もります。
各作業に必要な時間を、ブロックのように区切って制限する『タイムボクシング』という手法も効果的です。
計画的に作業を進めることで、与えられた時間をだらだらと使ってしまう悪習慣から脱却できるでしょう。
■締め切りを設定する
自分で納期を設定することは、作業の集中力を高める効果があります。締め切り管理には、事前の計画と優先順位付けが重要です。
必要な作業を全て洗い出し、優先度を決めて、時間の多くかかる重要なタスクを上位にリストアップしましょう。
実際の作業量と自分のペースを踏まえて作業時間を見積もり、その枠内で納期を設定すれば、だらだらと仕事をし続けることも防げます。







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