CONVERT関数が使えないケースと代替案
すべての単位に対応しているわけではないため、使えないケースも存在する。
■特殊な単位や非対応の単位には使えない
以下のような単位変換には対応していない。
- 通貨(例:円 → ドル)
- 単位が組み合わさったもの(例:km/h → m/s)
- 時間表記(例:「1時間30分」を分に換算)など
■代替手段:独自の換算係数を使う
CONVERT関数で対応していない場合は、換算係数を使って通常の計算式で処理するのが一般的である。
「キログラム」から「グラム」に変換する例:=A1 * 1000
または、別シートに換算表を作り、VLOOKUPと組み合わせて処理する方法もある。
業務での活用ケース
CONVERT関数は、特定の業種や実務シーンにおいて非常に有用である。
■建築・設計での単位変換
図面で使用される単位とエクセルで記録する単位が異なるケースは多い。たとえば、設計図はインチ単位、見積書はメートル単位といった場合に、CONVERT関数があると換算がスムーズになる。
■国際業務・輸出入管理
海外製品の仕様書では、長さや重量がインチ・ポンドで記載されていることが多い。国内向けの書類作成時に自動的に単位変換できるため、事務処理の効率が格段に上がる。
まとめ
CONVERT関数は、単位変換という面倒な作業をわずか1行の関数で自動化できる非常に強力なツールである。長さ・重さ・温度・時間など、日常業務でよく使う単位に広く対応しており、計算ミスを防ぎ、作業の正確性とスピードを向上させてくれる。単位変換の場面がある業務では、積極的に活用していきたい。
本記事の内容を以下で簡単におさらいしておこう。
- CONVERT関数の概要
- 異なる単位間の数値を簡単に換算できる関数
- 長さ・重さ・温度・時間など幅広い物理単位に対応
- 建築設計、理科実験、国際物流などで活用可能
- 対応する主な単位
- 長さ:”m”、”in”、”ft”
- 質量:”kg”、”lbm”
- 温度:”C”、”F”、”K”
- 時間:”sec”、”mn”、”hr”
- その他:圧力、エネルギー、速度、体積など
- 構文と手順
- =CONVERT(数値, “元単位”, “変換後単位”)を入力
- 例:=CONVERT(A1,”in”,”cm”) → 25.4cm
- 注意点
- 単位記号は正確に入力(誤ると#N/A)
- 日本語単位表記には非対応(英字記号のみ)
- 使えないケースと代替案
- 通貨換算、複合単位(km/h → m/s)、複雑な時間変換は不可
- 代替:換算係数を掛け算、または換算表+VLOOKUPで対応
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構成/編集部