実用的な活用例
GETPIVOTDATA関数は、単なるデータ抽出にとどまらず、業務レポートやダッシュボードの自動化にも活用できる。
■ダッシュボード作成
複数の条件を設定して値を取得し、グラフやスライサーと連動させることで、リアルタイムで動くダッシュボードを構築できる。
■前年同期比較
前年の同時期の売上や件数をGETPIVOTDATA関数で取得し、今年の数値と比較して成長率などを算出できる。
■条件付き集計
「地域が関東」「商品カテゴリが食品」など、複数の条件を使った特定の数値抽出も可能。より柔軟なレポート作成が実現する。
よくあるエラーと解決方法
GETPIVOTDATA関数でありがちなエラーと、その原因・対処法を以下に整理しておこう。
■#REF!エラー
フィールド名やアイテム名に誤字・脱字がある。条件に一致するデータがピボット内に存在しない
対策:フィールド名はコピーして使用するとよい。
■#NAME?エラー
関数名のスペルミス
対策:関数名のスペルを確認する
■値が更新されない
ピボットテーブルが最新でない場合、古い値を返すことがある
計算が反映されていないケースもある
対策:
ピボットを右クリック →「更新」
Ctrl + Alt + F9 または Ctrl + Shift + F9で再計算を強制
代替方法との比較
GETPIVOTDATA関数には他にも似たような目的で使われる手法がある。以下に簡単に比較した表をまとめた。
方法 | メリット | デメリット |
GETPIVOTDATA | 動的・正確・エラーに強い | 構文がやや複雑 |
直接セル参照 | シンプルで直感的 | ピボットテーブルの構造変更に弱い |
INDEX 関数+ MATCH関数 | 柔軟な検索・他の表にも対応可 | ピボットテーブルとは別構成が前提 |
ピボットテーブルの中のデータを取得する場合、最も相性が良いのはGETPIVOTDATA関数である。
まとめ
GETPIVOTDATA関数は、ピボットテーブルを活用する上で非常に強力なツールである。複雑な条件にも対応でき、動的なレポート作成や自動更新が可能になる点で、業務効率を大幅に向上させる。ただし、構文やフィールド名の記述ミスによるエラーも起こりやすいため、使い方を正しく理解することが重要だ。
今回紹介したことを参考にしてGETPIVOTDATA関数を活用してほしい。
本記事の内容を以下で簡単におさらいしておこう。
- 概要:ピボットテーブルから特定条件に合致する集計値を取得する専用関数。
- 基本構文:=GETPIVOTDATA(data_field, pivot_table, [field1, item1], …)
- data_field:取得する値フィールド名(例:「売上高」)
- pivot_table:ピボット内セル参照
- field/itemペア:条件(任意)
- 使用例:
- 全体合計:=GETPIVOTDATA(“売上高”, A3)
- 条件指定:=GETPIVOTDATA(“売上高”, A3, “商品”, “商品A”, “地域”, “東京”)
- 複数条件:=GETPIVOTDATA(“数量”, A3, “年”, 2024, “四半期”, “Q1”, “商品カテゴリ”, “電子機器”)
- メリット:
- 動的参照で更新に強い
- 構造変更に対するエラー耐性
- 条件指定で正確性向上
- 注意点:
- フィールド名・項目名は完全一致
- データがなければ#REF!
- スペースも一致が必要
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構成/編集部