アンダーマイニング効果の防止策

アンダーマイニング効果を防ぐためには、従業員の内発的動機を尊重しながら、適切なアプローチを取ることが重要です。最後に、四つの防止策について具体的に解説します。
■自己決定できる範囲を増やす
自己決定できる範囲が広がると、モチベーションは高まりやすくなります。「やらされている」と感じる状況を避け、内発的動機を維持できるからです。
業務の進め方や目標設定において、従業員に一定の裁量権を与えてみるとよいでしょう。例えば、プロジェクトの大枠は決めつつも、具体的な手法やスケジュールについては本人の判断に委ねる方法があります。
成長に合わせて段階的に決定権を拡大していけば、本人のスキルアップにもつながるでしょう。
重要なのは、従業員の興味や関心も考慮に入れることです。興味のある分野で裁量権を持てば、より高いモチベーションで業務に取り組めます。
■努力や行動を適切に褒める
努力や行動を、きちんと褒めることも大切です。言葉による賞賛は、内発的動機を高める働きがあります。単に「よくやった」などの抽象的な言葉よりも、具体的な行動・成果を挙げて褒める方が効果的です。
また、結果だけでなく、努力のプロセスも評価することが大切です。目標未達であっても、「新しいアプローチにチャレンジする姿勢が素晴らしい」などと努力を認めれば、継続的な成長意欲を育めます。
さらに、多くの人の前で褒めることも効果的です。ただし、形式的な褒め言葉では逆効果になる可能性もあるため、本人の頑張りを真摯に評価し、誠実な気持ちで声をかけることが必要です。
■お金以外の報酬を設定する
金銭以外の報酬を設定することも効果的です。非金銭的な報酬の代表的な例には、社内表彰や感謝状の贈呈など、従業員の貢献を公式に認める評価的インセンティブがあります。
特別休暇の付与やリフレッシュ制度、スキルアップ研修の機会提供などの福利厚生を、報酬とするのも有効でしょう。
また、自己実現的インセンティブとして、希望する部署への異動機会や、新しいプロジェクトへの参加権なども考えられます。
これらの報酬は、従業員の成長欲求や達成感を満たし、モチベーション向上に効果を発揮します。
■スモールステップで目標をクリアさせる
段階的にクリアできるような目標を、設定することも大切です。例えば、『売り上げを年間で30%向上させる』という目標がある場合は、『月次で2.5%』『週単位で0.6%』といった具合に細分化します。
スモールステップのメリットは、従業員が定期的に達成感を得られることです。小さな成功体験を積み重ねることで自信がつき、モチベーションが維持されやすくなります。
ただし、簡単すぎる目標でも効果は薄れてしまうため、各ステップが『少し頑張れば達成できる』レベルに設定することが重要です。
適切な対策でアンダーマイニング効果を防止

従業員の仕事に対するモチベーションの高さは、組織の成長にとって欠かせない要素です。アンダーマイニング効果は、組織の生産性低下や離職率の上昇といった深刻な問題につながります。
モチベーション低下を防ぐには、やりがい・楽しさといった内発的動機付けをいかに維持するかが重要です。
『自己決定の範囲を広げる』『適切に褒める』『金銭以外の報酬を設定する』『目標を小さく設定する』などの対策によって、内発的動機を維持する職場環境をつくりましょう。
構成/編集部







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