
現代社会を生きる人々に寄り添う、ウェルビーイングなプロジェクトとして生まれた、アイシナモロール。その〝ご自愛〟の世界観はどのように広まっているのだろうか。アイシナモロールのプロデュースチームのマネージャーである株式会社サンリオの皆川真穂さんに、前編に引き続きお話を伺いました。
自分らしさを大切にするI.CINNAMOROLLが表現する〝ご自愛〟の世界観
ポップアップストアには長蛇の列ができ、コラボ商品は瞬く間に完売。サンリオの人気キャラクター、シナモロールの新ブランド「I.CINNAMOROLL(アイシナモロー…
料理番組やYouTubeのショートアニメにも発展したアイシナモロール。〝ご自愛〟のテーマが視聴者にも共感を呼び話題に。
番組名:「シナモンと安田顕のゆるドキ☆クッキング」
放送局:TBS ※一部地域を除く ※TVer、YouTube、そのほか有料配信プラットフォーム等で最新話や過去回を配信中_放送時間:毎週土曜あさ 9時25分~9時30分
※放送日時は編成の都合により変更となる場合がございます。
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/yurudoki_cooking/
皆川:アイシナモロールは、協業のパートナーとしてTBSさんと一緒に「シナモンと安田顕のゆるドキ☆クッキング」という番組を制作させていただいています。TBSさんもアイシナモロールの“ご自愛”の考え方に賛同してくださり、番組のテーマ設定としても共感していただきました。
番組の脚本はNHKの朝ドラ「虎に翼」などを手がけられた吉田恵里香さんです。お話をしていた中で彼女もちょうどターゲット層の女性で「このテーマは絶対重要ですよね!」と、すごく賛同してくださいました。
制作時、TBSさんとサンリオで番組を作ろうとメンバーで話したときに、私たち自身の肌感だけでは不安だったので、グループインタビューなど定性調査も実施したところ、このキーワードはやはり皆さんの共感性が高く、興味関心がある分野なんだなと強く確信を得ました。
D:TBSさんで放送されている「シナモンと安田顕のゆるドキ☆クッキング」は、最後まで料理ができないのは、どういうところから?
皆川:番組の内容はTBSさんのプロデューサーさんの、〝いい感じのおじさんとシナモンがご飯を作るのがいい〟、という案から始まりました。
アイシナモロール的な料理番組がどんなものかを考えたとき、一般的な「料理番組はご飯を作らなくてはいけないし、食べなくてはいけないもの」という既成概念に囚われないのが面白そうという話になりました。
そこで、脚本家の吉田恵里香さんが「意外性で人の心を掴みたい」と、料理番組なのに料理を作らないという設定を思いつかれて。「〝作れないんか~い!〟というツッコミを視聴者さんにさせたくないですか?」と提案してくださりました。〝料理が作れるか作れないか怪しいというゆるいやりとりがアイシナモロールと相性がいいかもしれないと、メンバーも賛同して〝料理を作らない〟料理番組になりました(笑)。
D:きっと視聴者の皆さんは、ツッコミを入れてますよね(笑)。しかも元々料理が不得意な安田さんの配役自体が面白いですよね。
皆川:作れるか作れないかが絶妙に怪しいんですよね。バックグラウンド的にほぼ作れないということが視聴者の皆さんのほうがよく分かっていらっしゃるみたいで(笑)。
番組を発表したときに「あの安田さんを料理番組に!? どういう料理番組になるの?」と、SNSなどで想像を遥かに超えてざわつきました。大バズりの結果「シナモンと安田顕のゆるドキ☆クッキング」が、その年のSNS流行語大賞にノミネートされました。安田さんもアイシナモロールを大切に思ってくださっていて、本当にありがたいです。
D:番組内でのすべての発想がいい緩さで、視聴者さんも気楽に見れるのも魅力ですね。
皆川:吉田さんと〝自分を大切にする〟という点では、〝手間暇かけて料理をすることも大切だけど、かんたんなものでも何か食べることができれば、それもよくない?〟とか、〝すべてを真面目に捉え過ぎなくても大丈夫!〟といった気持ちが、少しでも楽しく伝わるといいよね!とお話をさせていただいています。
カップラーメンの回があってもいいし、トーストだけでもいいと思うんです。初期の回で、ようやく出来上がった料理は、塩昆布キャベツでしたし(笑)。
番組撮影では料理が出来るまでの食材や料理の完成品をインサート(差し込み映像)としてきちんと作って撮影しているんですが、それを撮っているときもスタッフ一同で、「でも、これ…出来上がらないんだよね」と(笑)。レシピもきちんと作って紹介しているのに料理は最後まで出来上がらない、この矛盾にみんな笑ってしまって。撮影現場は、いつも美味しそうな匂いだけ漂っています。
D:YouTubeでは視聴者も一緒に、アイシナモロールと季節の移ろいを感じられるショートアニメが、ターゲット層に刺さっているようですが。
アニメタイトル:「I.CINNAMOROLL Animation」
配信場所:シナモロール公式YouTubeチャンネル
放送時間:毎週木曜日17:00
ナレーション:榎木淳弥
※配信日時は、都合により変更になる場合がございます。
皆川:何も起きない、でも素敵な日常を感じるアニメを目指しました。
アニメ「アイシナモロール」は、寝る間際やお風呂に入りながら、どんな見方でもいいように、構えず見ていられる…かつ、私のいろいろなところへ行きたいという願望も反映させて、シナモンの日常をちょっと素敵な街並みと共にお届けします〟と、いうような内容になっています。たまに美味しいご飯を食べてもぐもぐしたりしています(笑)。
アメリカなのかヨーロッパなのか、それともアジアなのか…どこかはわからないけれど素敵な街に住んでいるのがいいなと思い、あえて日本っぽくない景色にしてもらっていたのですが、最近だと制作会社のプロデューサーさんの提案で日本の各地に旅行するような回も作っています。
さまざまな企業とのコラボを通じて、アイシナモロールの〝ご自愛〟の世界観がさらに広がる。
D:アイシナモロールの持つ〝ご自愛〟のメッセージとウェルビーイング。お客様やコラボする企業などの反応はいかがですか?
皆川:お客様やお取り引き先様には、総じてとても共感いただいています。アイシナモロールの在り方、気持ちに共感してくださる方も、純粋に可愛いと手に取ってくださる方も、とても多かったという印象です。シナモロールの幅を少し広げるという当初の目的が、少しずつ達成されていっているなと感じています。
D:コラボ先というのは、どういうふうに決められているんですか? 先方からのお取り組みもあったりするかと思うのですが。
皆川:新しいブランドですから、こちらからお声掛けやお伺いをさせていただくこともありました。最初のうちは〝ご自愛〟?という感じでしたが、世の中のウェルビーイングな意識やアイシナモロールの認知が広がっていくにつれて受け入れられるようになってきました。
D:ウェルビーイングが広まるなか、クライアントさんもそうですが、お客様からの反応は変わってきましたか?
皆川:お取り引き先様は、このテーマを扱いたいからアイシナモロールを採用するというよりは、単純にアイシナモロールの人気や魅力を感じていただいているように思いますが、この独特の緩い感じや、〝ご自愛〟というコンセプトへの共感は、私の体感ではお客様のほうがよりニーズが高まっているような気がします。
D:アイシナモロールの世界観に共感する方が増えてるってことでもあるってことですよね。
皆川:世界観に共感していただくというのはすごく重要で、アイシナモロールまたはシナモロールとしての根幹の価値かなとは思います。可愛いな、癒されたな、と思っていただければ、それで十分です。
D:コラボ先も含めて、今後まったく違う展開を考えていたりとかされているのでしょうか。
皆川:大きな方向転換は想定していません。ここからは本当にマーケティングというよりは、アイシナモロールのテーマ性や人気さを押し出していきたいですね。
先ほど申し上げたようなテーマ性に沿ってキャラクターを探しているような会社さんはもちろん、業種、業界など問わず、良い形でご一緒できるところがあれば、是非お取り組みできればと思っています!
意外にも男性の人気も得たアイシナモロール
D:今後、男性を意識したマーケットも想定していたりしますか?
皆川:嬉しいことにアイシナモロールは男性の購買者も多いんです、シナモロール含めほかのサンリオキャラクターに比べて。コラボカフェはカップルでいらっしゃってくださったり、ポップアップショップには男性の方がおひとりでいらっしゃったりもするんですよ。アイシナモロールに癒されるとか、自分を大切にすることに共感できるという形で男性にも広がっているみたいです。
D:キャラクターが好きなことを言いづらい男性もいらっしゃると思うんですけど、アイシナモロールのようなシンプルでおしゃれなデザインは使いやすいですよね。
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皆川:アイシナモロールはシンプルなデザインなので、男性でも持ちやすいキャラクター商品だと思います。Tシャツやバッグ、キャップなど身の周りの小物を購入される方が本当に多かったです。弊社の男性社員にもファンが多く、ポップアップストアに行ってグッズを買ってきたりしていますね。
D:最後にメッセージをお願いいたします。
皆川:皆さんとアイシナとの出会いが〝ご自愛〟を感じるきっかけとなれば、私たちにとってこれほど嬉しいことはありません。アイシナモロールというキャラクターの活動は皆さんが自分を大切にし、自分らしい素敵な過ごし方や生き方を見つけることにつながると信じています。
現代社会の忙しさの中で、自分を後回しにしがちな私たちに、アイシナモロールは〝ご自愛〟というメッセージを届けています。その世界観は広がり、多くの人々に癒しと共感を与えているのではないでしょうか。あなたもアイシナモロールと一緒に〝ご自愛〟のウェルビーイングな時間を始めてみませんか。
●名前 I.CINNAMOROLL(アイシナモロール)
●決め台詞 (自分のこと、もっと)あいしな?
●キャラクター紹介
とある都市に降り立ち、いろいろあったのちに自立したシナモン。この世界で出会った甘えんぼうな友だち“ミルク”と一緒にのんびりと暮らしています。人の目より、自分の目。ほんとうに大切なことだけを大事にしています。みんなに羨ましがられるキラキラした毎日じゃなくても、お昼寝したり、遊んだり、試行錯誤したり…。「ちゃんとしなきゃ」と思っていたけど、ちょっと肩の力が抜けているくらいがちょうどいいのかも?
「I.CINNAMOROLL」公式サイト
「I.CINNAMOROLL」X
「I. CINNAMOROLL」Instagram
「I.CINNAMOROLL(アイシナモロール)」の展示会が8月27日(水)オープン!
「I.CINNAMOROLL Gallery」開催期間:2025年8月27日(水)~9月8日(月)
会場:二子玉川ライズ スタジオ&ホール
アイシナモロールのTV番組・アニメのギャラリー展示やフォトスポット設置、限定デザイングッズも販売!
詳細はこちら:https://www.sanrio.co.jp/news/spots/in-event-20250731/
TV番組『シナモンと安田顕のゆるドキ☆クッキング』コラボカフェを赤坂で開催中!
詳細URL:https://www.tbs.co.jp/yurudoki_cooking/news.html
毎週土曜あさ9時25分から放送中『シナモンと安田顕のゆるドキ☆クッキング』のコラボカフェ第2弾が期間限定でオープン。
番組内に登場したカジュアルなメニューを楽しむことができ、グッズ(プレート・Tシャツ・キーホルダー)全5アイテムも販売予定です。
・主催元:株式会社TBSテレビ
・開催場所:ブランチパーク(東京都港区赤坂5-4-7 THE HEXAGON 1F)
・開催期間:2025年8月1日(金) ~ 9月7日(日)
・予約:下記サイトよりご予約いただけます。 予約料700円(税込)。
・詳細URL:https://brunchpark.jp/blogs/topics/yurudoki_diner
取材・文/とおやまあつこ 撮影/黒石あみ(小学館)
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