
CopilotとはExcelで使えるAIツールのことであり、命令することで、Excel作業の一部を代わりに行ってもらえる。グラフの作成やデザインの調整などもやらせることが可能だ。
目次
ExcelにCopilotという機能があることを知ったものの、Copilotの使い方が分からないという方も多いのではないだろうか。CopilotはExcelで使えるAIツールであり、Copilotによってさまざまな作業を自動化することが可能だ。
本記事ではExcelのCopilotとは何かについて解説する。CopilotでできることやCopilotを使う際の注意点についてまとめた。
ExcelのCopilotとは?
ExcelのCopilotとは、Excelで使えるAIツールのことである。昨今はChatGPTなど対話形式の生成AIが話題になっているが、それのExcel版といったイメージだ。
Copilotを使ってAIに命令を送ることによって、AIにExcel内でのさまざまな作業を代わりにやってもらうことができる。
ExcelでCopilotを使うには、Excelの上部タブの右側にある「Copilot」をクリックする。

「Copilotへメッセージを送る」にAIに対するメッセージを送ることで、Copilotを使える。「グラフを作成して」「デザインを変更して」などと命令を送ることで、AIが命令に従ってExcel内で作業を行う。

ExcelのCopilotでできること
ExcelのCopilotでできることは幅広い。
Copilotでできる代表的なこととして、ここでは次の4つを紹介しよう。
- データの強調や並び替えを行う
- グラフを作成する
- デザインを調整する
- 数式を作成する
ひとつひとつのできることについて詳しく解説する。
■1.データの強調や並び替えを行う
Copilotは既存の表の中にあるデータを強調することができる。
以下の画像では「もっとも大きい数値を赤字にしてください」と命令している。結果、もっとも高い「渡辺」の点数のみが赤字になっている。
このように、Copilotは特定データの色を変更することが可能だ。
その他、データを大きい順に並べ替えたり、空白箇所を削除したりすることも、命令文を変えることによって可能である。

■2.グラフを作成する
Copilotでは既存の表を元にグラフを作成することも可能だ。
たとえば、「1.データの強調や並び替えを行う」の項目で作成した表を選択した状態で、次のような命令を行ったとする。

すると、Copilot内に表が生成されるので、「新しいシートに追加」をクリックする。すると、自動でシートが追加され、その中に生成されたグラフが挿入されている。
このように簡単なグラフを作成することもできる。

■3.デザインを調整する
CopilotはExcelで作成した表などのデザインを調整することもできる。
たとえば、表を選択した状態で次の命令を行ったとする。

その後「適用」を選択することで、以下のように表の黄色い部分が青色に変化した。このように、指定部分のデザインを変更することもできる。

■4.数式を作成する
Copilotによって数式を作成することも可能だ。
たとえば、表を選択した状態で次の命令を行ったとする。

すると、命令どおりに数式を作成してくれた。更に、「セルの挿入」を選択することで、シートに数式の計算結果を出力してくれた。
このように、数式を作成して、その結果を反映させることもできる。

ExcelのCopilotを使う際の注意点
ExcelのCopilotを使う際の注意点は次の3つ。
- Microsoft 365を契約している必要がある
- AIクレジットが切れると使えなくなる
- 指示が曖昧だと思い通りに動かない
ひとつひとつの注意点について詳しく解説する。
■1.Microsoft 365を契約している必要がある
Copilotを使うには、Microsoft 365を契約している必要がある。Microsoft 365にはFamilyプランとPersonalプランの2つがある。
Microsoft 365を契約していればExcelだけでなく、WordやPowerPointでもCopilotを使うことが可能だ。Copilotを使ってみたい方は加入を検討してみても良いだろう。
■2.AIクレジットが切れると使えなくなる
CopilotはMicrosoft 365を契約していても、無限に使えるわけではない。Copilotを使うと、AIクレジットというものが消費されていく。AIクレジットは月60個まで配布される。AIクレジットがなくなれば、次の月までCopilotを使えなくなってしまう。
ただ、Microsoft Copilot Proを契約すれば無制限でCopilotを使えるようになる。
■3.指示が曖昧だと思い通りに動かない
Copilotに限らずすべての生成AIに言えることだが、指示内容が曖昧だと期待した結果を得られない可能性がある。命令文(プロンプト)の作成にはある程度慣れが必要なので、実際にCopilotを使ってみて、試行錯誤を繰り返していくのが良いだろう。
ただし、Copilotは現状発展途上であり、優れたプロンプトであっても、100%思い通りに動くというわけではない。CopilotにExcel作業を丸投げすることは難しい。Copilotによって出力された内容に間違いがないか、目視で確認することが必要である。
まとめ
本記事ではExcelのCopilotとは何かについて解説した。最後に、Copilotでできることについておさらいしよう。
- データの強調や並び替えを行う
- グラフを作成する
- デザインを調整する
- 数式を作成する
また、Copilotを使う際の注意点は次の3つ。
- Microsoft 365を契約している必要がある
- AIクレジットが切れると使えなくなる
- 指示が曖昧だと思い通りに動かない
Copilotは現状、そこまで万能とは言い難く、こちらの想定通りに動いてくれないことも多い。とはいえ、今後進化を遂げれば、作業負担を大幅に減らせる可能性もある。
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構成/編集部