世襲を使った言葉

世襲という言葉は、「世襲議員」や「世襲財産」のように、さまざまな表現で使われています。ここでは、そうした言葉の意味や背景について解説します。
■世襲議員
世襲議員とは、親や祖父母などが議員を務める家庭に生まれ、政治地盤や政治資本などを引き継いだ国会議員のことです。
「二世議員」や「三世議員」と呼ばれることもあります。国会議員は選挙で選ばれるため、制度として世襲が認められているわけではありません。
しかし、地元の有権者にとっては親の代からの信頼が後押しとなることも多く、地域に利益をもたらしてくれる存在として、実態として世襲のような形になっているケースが多くみられます。
一方で、地元利益誘導型の古い政治体質を批判する声も大きく、世襲制限を提言する政党もあらわれています。
■世襲財産
世襲財産とは、第二次大戦後に廃止された、代々家の後継者に引き継がれる特別な財産のことです。
これは通常の財産とは異なり、所有者が自由に売却したり、債権者が差し押さえたりすることが制限されていました。日本ではかつて、王公族や華族にのみ認められていたものです。
世襲の類似表現

世襲の類似表現としては、次のような表現が挙げられます。文脈によって使い分けられることもあるため、正確な理解が求められます。
- 跡継ぎ
- 継承
- 家督相続
それぞれの意味を確認しましょう。
■跡継ぎ
「跡継ぎ」とは、家の財産や事業などを次の世代が引き継ぐことを意味する言葉です。似た言葉に「後継ぎ」がありますが、跡継ぎが財産を含めて引き継ぐのに対し、後継ぎが引き継ぐのは事業や学問、地位などであり、財産は含みません。
参考:デジタル大辞泉
■継承
継承は、前の世代から地位や職務、財産などを受け取って引き継ぐことを指します。個人の肩書や役割だけでなく、文化・風習・思想といった無形のものを引き継ぐ際にも使われる表現です。世襲と異なり、血縁に限らず継承されるケースも多いことが特徴といえます。
参考:デジタル大辞泉
■家督相続
家督相続は「かとくそうぞく」と読み、旧民法にもとづいて運用されていた相続制度です。
家の存続を重視し、家族の財産や権限を分散させないことを目的として、特定の一人、主に長男が引き継ぐ仕組みでした。明治時代から開始されましたが、第二次大戦後の民法改正で廃止されました。
参考:デジタル大辞泉
世襲の意味や歴史を理解しよう

世襲とは、身分や財産、職業などを子孫が代々受け継いでいくことを意味する言葉です。特定の資格や設備などが必要な薬局・医院や、政治家や芸能人などの人的ネットワークが重視される職業は、世襲傾向が高いといえます。
日本では古代から近代にかけて、家の地位や財産は嫡子を中心に受け継がれ、やがて長子単独相続や制度的な世襲へと発展し、政治や経済にもその影響がおよびました。
現在もなお、政治や経済の一部にその影響が色濃く残っているといえるでしょう。世襲の背景を知ることで、企業や組織における継承のあり方を見直すヒントが得られるかもしれません。
構成/橘 真咲







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