
「融通がきかない」とは、臨機応変に対応できないことを指します。特徴として、真面目、完璧主義、こだわりが強い、思い込みが激しいなどが挙げられます。良好な関係を築くためには、相手を否定せず、短所を長所として捉え、アサーティブコミュニケーションを心がけることが重要です。
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「融通がきかない」と聞いて、あなたはどのような人を思い浮かべますか?
その言葉を検索してみると、ネガティブな言葉ばかりがズラリと並び、融通がきかない人は付き合いにくいと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、そんなネガティブさが先行するあまり、思い込みによって付き合いが難しくなっている可能性もあるのです。
本記事では融通がきかない人の特徴、そして良好な関係を築くための対処法をお伝えします。
「融通がきかない」の意味は?
まず、「融通」という言葉の意味を見ていきます。
小学館のデジタル大辞泉によると、
とどこおりなく通じること。転じて、必要に応じて自在に処理すること。ゆずう。「—のきかない石頭」「—自在」
と記載されています(一部省略)。
上記の内容が“きかなくなる”ということなので、「融通がきかない」とは、自在に変化することができない、臨機応変に対応することができない、という意味になります。
「融通がきかない」と同じ意味になる言葉として、「柔軟性がない」「頑固」「堅物」と言い換えることができます。
融通がきかない人の特徴
次に、融通がきかない人の特徴をご紹介します。周囲から付き合いにくいと思われていることが多い融通がきかない人ですが、捉え方によってはポジティブに変換することのできる特徴を持っています。
1.真面目
真面目な人は融通がきかないことが多いです。定められた規則やルールにも従い、決められたことをちゃんとやり遂げます。
しかし、仕事などでは、状況によって臨機応変に対応する力も求められます。そんなときにも「これは規則にないから」「上司に聞いてから」と言い、即行動に移せません。予測できない事態になったときには、頼りにならない存在と周囲から思われている可能性もあります。
2.完璧主義
一度やると決めたことは最後までやり遂げないと気が済まない人も融通がききません。
仕事によっては中途半端な状態で別のものに方向転換することも出てくるでしょう。しかし、完璧主義者の人はそれができません。
完璧主義なことは悪いことだけではありません。このタイプの人は責任感も強いので、ミスをすることなく仕事を最後までやり遂げます。
3.こだわりが強い
融通がきかない人は、強いこだわりを持っています。こだわりが強いとは、自分の中にしっかりとした意志やルールを持っているということ。つまり、人からのアドバイスや意見を簡単に受け入れられないということ。それが、周囲から融通がきかないと思われてしまうのです。
しかし、周囲の意見に左右されないことも、悪いことだけではありません。一途に頑張り続けることができるという強みにもなります。
4.思い込みが激しい
「自分の考えが絶対的に正しい」という思い込みを持っている人も融通がきかないことが多いでしょう。自分の考えが正しいと思っていることとは、その他の考えがすべて正しくないと思っていることとイコールです。つまり、自分の考え以外のことを受け入れないのです。
この特徴を持っていると、仕事では他の方法を受け入れることができないので、周囲との軋轢を生むなど、人間関係がうまくいかない可能性も高くなります。
融通がきかない人と良好な関係を築くための対処法
融通がきかない人とは関わらないことが一番ですが、仕事関係などでは難しいですよね。ここでは、融通がきかない人と関わるときに、良好な関係を築くためのヒントをお伝えします。
特徴で触れたように、融通がきかない人にもポジティブな面があります。面倒、苦手といったネガティブな部分だけに囚われないことがうまく付き合うコツとなります。
1.相手を否定しない
特徴で触れたように、融通がきかない人は自分の意見やこだわりを簡単には変えません。自分の考えが絶対的に正しいと思っているので、否定されることを極端に嫌う傾向があります。なので、それがたとえ今必要なものではなかったとしても、否定することなくまずは話を最後まで聞くようにしてください。
2.短所を長所として捉える
融通がきかない人を目の前にしたとき、「この人の話を聞いても何の役にも立たない」などと、最初から思っていませんか?たとえ言葉では否定しなくても、否定的な態度は相手に伝わってしまいます。
融通がきかない人は、真面目で、与えられたものを最後までやり遂げる力を持っています。責任感も強いので、手を抜くことなく細部まで確認を怠らないなど、長所もたくさんあります。短所ではなく、融通がきかない人の特徴の長所部分に注目してみると、ビジネスの場においては大きな力となってくれるでしょう。
3.相手の意見を受け入れつつ、自分の意見を伝える
相手にどんな特徴があったとしても、コミュニケーションは一方通行になってはいけません。意見が食い違って平行線のままでは、お互いにストレスを抱えるだけです。このような場合には、相手の意見を否定せずに受け入れ、自分の意見も伝えることのできる、アサーティブコミュニケーションが求められます。
融通がきかない人が相手であれば、まずは相手の意見を聞き、その意見を褒めつつ自分の意見を伝えてください。どんな人であれ、人は自分のことを肯定してくれた相手には親近感や信頼感を抱きます。信頼感を抱いた相手に対しては、融通がきかないとされている人も意見を完全に否定してくることはないでしょう。
文・構成/藤野綾子
ライター・編集者。精神保健福祉士、産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。
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