
言い方がきつい人の心理的特徴には、自信がない、コミュニケーションに苦手意識がある、プライドが高い、自分が普通だと思っているなどがあります。対処法としては、一定の距離を保つ、冷静に対応する、相手に気づいてほしい場合は自分の意見として伝えることが有効です。
「悪い人ではないけれど、いつもきつい言い方してくるから苦手」と感じる人、あなたの周囲にいないでしょうか?
言っていることが間違っていたり、悪意を感じるものであれば、否定や訂正することもできるのですが、悪気がないが故に、こちらが我慢するはめになってしまうこともしばしば…。
実は、悪意なくきつい言い方をする人は無自覚なことが多いのです。本記事では、言い方がきつい人の心理的特徴と対処法をご紹介します。
言い方がきつい人の心理的特徴
言い方がきつい人には、いくつかの特徴があります。そして、その特徴には心理的な背景があります。どのような心理的特徴があるのか、ここでは見ていきましょう。
1.自信がない
きつい言い方になってしまう人には、自信のなさが隠されています。自分に自信がない人は、意見を否定されると自分自身まで否定されてしまったと思い込みます。なぜなら、自分の意見が正しいと自分自身で思えていないからです。
自分を否定されたくないという思いから、きつい言い方で一方的に意見を押し通そうとしているのです。
2.コミュニケーションに苦手意識がある
無自覚にきつい言い方になってしまう人は、コミュニケーションに対する苦手意識を持っていることも多いです。
コミュニケーションが苦手な人は、人と対面する場面で緊張してしまい、相手の気持ちはおろか、自分の言い方がどうなのかということまで気が回りません。自分の意見を伝えるだけで精一杯になってしまった結果、無自覚にきつい言い方になってしまっていると言えます。
3.プライドが高い
プライドが高い人は、相手よりも優位に立ちたいという思いを持っています。そのため、自分を必要以上に強く見せるために相手を見下した言い方になることが多いのです。その相手を見下した言い方が、相手にとってはきつい言い方に聞こえている状態です。
4.自分が普通だと思っている
言い方がきつくなってしまう原因として、その人の育った環境などが関係している場合もあります。その人自身がきつい言い方を常にされていた環境であれば、その人にとってその言い方は普通なのです。
このタイプも悪意はないものの、自己中心的な考え方を持つ人が多いとされています。環境によって普通となっている場合でも、周囲との違いに気づき、自分の言い方を自覚する人もいます。しかし、その気づきがないということは、自分の価値観や意見が正しいという思い込みを持っている可能性が考えられるからです。
言い方がきつい人への対処法
きつい言い方の人と接することで、傷ついたり、精神的に辛くなることもあるでしょう。そのような人とはできるだけ関わりを持たないのが一番ですが、職場など、どうしても関わらなければならないこともありますよね。ここでは、言い方がきつい人への対処法をご紹介します。そしてもう1つ、相手のために、相手に変わってほしいと思っている場合の対処法も合わせてお伝えします。
1.一定の距離を保つ
仕事などの付き合いがある場合は、業務上必要なことだけの付き合いに留め、一定の距離を保つよう努めてください。
言い方がきつい人は一方的に会話を続けてくることもあるでしょう。そんなときは、適当に話を聞き流すようにしてください。話を聞き流す方法は、軽く相槌を打つだけ。オーバーリアクション気味に相槌をしてしまうと相手は自分の意見に共感を得ていると思い、ずっと話し続けてしまう可能性があります。相槌は軽くするのがポイントです。
2.冷静に対応する
感情的にならず、冷静に対応することも大切です。一方的にきつい言い方をされると、我慢できずに反論してしまいそうになることもあるでしょう。しかし、感情的になってしまっては、相手は無自覚ゆえに攻撃されたと思い込み、言い合いに発展する可能性もあります。何を言っても無駄な相手だと割り切り、冷静さを保つよう心がけましょう。
3.相手に気づいてほしい場合、考えを伝えてみるのもあり
相手を自分が思っているように変えるのは難しいことです。相手が自分自身を変えたいと思わなければ、変わらないからです。そして、自分を変えたいと相手に思わせることは、とても大変なことです。これは、あなた自身が相手のために、深く関わりたいと思っているとき以外はおすすめしません。
無自覚に言い方がきつくなる人の中には、育った環境やコミュニケーションが苦手な故にそうなってしまっている人がいます。その人たちにはこの方法は有効です。
その方法は、「言い方がきつい」と客観的に伝えるのではなく、「私はそんな言い方をされて、傷つきました」というふうに、自分の意見として伝えてください。そのときにも、感情的にならずに、冷静に対応することがポイントです。すぐに相手が変わることは期待できないので、継続的にコミュニケーションを取り、自分の意見を聞き入れてくれる関係を作ることも大切です。
文・構成/藤野綾子
ライター・編集者。精神保健福祉士、産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。
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