
相手を尊重しない人とは適度な距離をとり、曖昧な返答でかわし、自己主張をすることがストレス軽減につながります。自己中心的な言動、感情的な反応、共感力の欠如が特徴のため、関係性を割り切ることが大切です。特に職場では必要最低限の関わりを心がけ、相手の意見に対して柔軟な対応をすることで無駄な対立を避けましょう。
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円滑な人間関係を保つためには、相手を尊重することが大切です。しかし、相手のことをお構いなしに、一方的に自分勝手な言動を行う人がいます。
そんな相手を尊重しない人とは離れることが得策ですが、大人になると共通のつながりなども多く、関係を簡単に切るのは難しいもの。
そこで今回は、ストレスを抱えない対処法をお伝えします。
尊重の意味は?
まず、「尊重」という言葉の意味を見ていきましょう。
小学館のデジタル大辞泉によると、
価値あるもの、尊いものとして大切に扱うこと。
と記されています。
なので、「相手を尊重しない」とは、相手の価値を認めず、その存在を粗雑に扱う、という意味になります。
相手を尊重しない人の特徴
相手を尊重しない人には、自己中心的な思考や、感情的、共感力の欠如といった特徴があります。それぞれを詳しく解説していきます。
1.自己中心的な思考
自己中心的な考えを持つ人は、その言葉の通り、相手よりも自分のことを中心に据える、つまり最優先します。
自分が決めたことは絶対であり、それを他人にも押しつけることもしばしば。意見を交わすような場では一方的に話し続けることもあり、周囲からはやっかいな人だと思われていることが多いでしょう。
この特徴を持つ人は、相手を見下す言動なども目立ち、相手に対して感謝や謝罪の言葉も少ないという特徴も併せ持っている傾向があります。
2.感情的になることが多い
相手を尊重できない人は、感情的になることが多いとも言われています。感情的になるあまり冷静な判断ができずに、それが結果として自分勝手な意見を押し通すことになります。
このタイプは自己中心的な思考を持つ人とは違い、冷静になったときに「あの言い方は良くなかった」などといった後悔をすることもあります。しかし、その場では感情的になってしまうので、周囲から疎まれている存在である可能性が高いでしょう。
3.共感力が乏しい
共感力とは、他人の考え方を肯定し、相手の感情に寄り添い、相手のことを自分のことのように感じる力のことを指します。相手を尊重するとは、相手の存在を認めることです。そのためには、相手の気持ちや立場になって、なぜ今この意見を周囲に伝えたのかと考えること、つまり共感力が必要です。
しかし、相手を尊重できない人は、相手の立場になるという共感力が乏しい傾向があります。共感力が乏しいと、自分勝手な言動によって相手が迷惑に感じていることさえ気づいていない可能性も考えられます。
相手を尊重しない人へのストレスをためない対処法3選
相手を尊重しない人には上記のような特徴があり、職場や友人関係など同じコミュニティの中でうまく付き合っていくのは難しいと感じた方が多いのでは。しかし、その相手よりも自分を優先することでストレスは軽減できます。ここでは参考にしてもらいたい3つの考え方をお伝えします。
1.適度な距離をとる
相手を尊重しない人とは、仕事でもプライベートでも適度な距離をとることが有効です。
仕事であれば業務上必要なこと以外は最小限に抑えるようにしましょう。また、可能であればできるだけ2人きりになる場面を避け、複数人で対処するようにしてください。
相手を尊重しない人は、他人の時間を平気で奪います。物理的にも心理的にも距離が近くなればなるほど、奪われる時間は多くなると思ってください。ストレスを抱えないためには、仕事だけ、その場だけの関係性だと割り切ることが大切です。
2.曖昧な返答でかわす
相手は自分の意見を押しつけることが当たり前になっている人です。そんな相手の意見に真正面から対峙していたら、ストレスはたまる一方です。2つ目の対処法は、肯定も否定もしないような返答で相手をかわすことです。
曖昧な返答とは、例えば、「そうなんですね」「なるほど」「参考になります」のようなものです。相手の意見を拒否するのではなく、聞く姿勢は保ちながら、その場での判断を避けるのです。それでも食い下がってくるようであれば、「〇〇さんの意見も含めて、検討します」といったように他人を巻き込むようにして、判断の余地を残しておくといいでしょう。
3.自己主張をする
自分の意見をしっかりと相手に伝えることも、相手を尊重しない人とうまく付き合っていくために重要なポイントです。このときに大切なのは、相手の意見を否定するのではなく、「私はこう思います」といった表現を使うことです。相手が感情的になっている場合には、理解できる部分を同意しながら、自分の意見を伝えるようにしてください。
相手を尊重しない人は、この人は自分の意見を受け入れてくれるはずと相手を選んでいる可能性もあります。あなたがターゲットにされているかもしれないのです。そのターゲットから外れるためにも、この対処法は効果的です。
文・構成/藤野綾子
ライター・編集者。精神保健福祉士、産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。
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