
ビューティーディレクター MICHIRUさんとおくる、連載「Wellbeing Beauty by MICHIRU」。
スワルウェルネス事業部の岩﨑佐代子部長(左)と、ビューティーディレクターのMICHIRUさん(左)
連載第4回目では、世界一の長寿クリニックを目指す複合施設「THE HUDRED ロンジェビティハウス」の1フロア、「THE HUNDRED WELLNES SALON(ザ ハンドレッド ウェルネスサロン)」に伺った。
後編では、5000年もの歴史を持つ伝統医療アーユルヴェーダと、現代医学の最先端とも言える再生医療クリニックがタッグを組んだ理由に迫る。
答えてくれたのは、スワルのウェルネス事業部 部長の岩﨑佐代子さん。
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第一人者同士が必要と感じた補完し合う関係性
ザ ハンドレッド ウェルネスサロンが入る、ザ ハンドレッド ロンジェビティハウスの5、6階には先端的な医療を提供するクリニック「THE HUDRED CLINIC(ザ ハンドレッド クリニック」がある。自家、または他家由来の細胞・組織を培養・加工し、失われた組織や臓器を修復・生成する治療。幹細胞治療及び幹細胞培養上清点滴などのメニューを中心に、内側から健康と美を引き出す力を、先進的な医療でサポートする。
MICHIRUさん(以下、MICHIRU):伝統医学であるアーユルヴェーダと先端的な医療のコラボレーションはどのようなきっかけで実現したのですか?
岩﨑さん(以下、岩﨑):当サロンが入るザ ハンドレッド ロンジェビティハウスを経営するソルト・グループの代表・井上盛夫氏からお声がけいただいたというのが、そもそものきっかけです。井上氏は再生医療分野の第一人者の先生とご縁があったことで、ロンジェビティ(長寿)のためのウェルネスな場をつくろうと考えたと伺っています。
MICHIRU:そういった場に先端的なの医療だけでなく、アーユルヴェーダのような伝統的な医学も必要だと判断されたのですね。
岩﨑:先生によると、どんなに良い物(再生細胞など)を外から入れても、身体やメンタルの状態によっては10入れても10の効果が出ない場合もあるそうです。そういったケースを何度も見てきていらっしゃると。
MICHIRU:元の状態がいかに大切か……。そしてメンタルも関係があるのを実感されていることに驚きました。
岩﨑:アーユルヴェーダのメンテナンスの話にも通じるのですが(中編)、身体も心も毒素が溜まった状態ではどんなに良いものを入れても最大限の効果を発揮できません。そういった部分で東洋医学的なアプローチも併せて提供することで補完関係が生まれ、世界でも唯一の施設が作れると考えたと伺っています。
MICHIRU:美容でも良い物を使ったり先端的な美容医療も効果はありますが、日々のケアがおろそかだと無駄になってしまいます。
岩﨑:またアーユルヴェーダでは、7つのダートゥという考え方があります。体組織を7つに分けて考え、食べたものが体液から血液に、そして筋肉、脂肪、骨、骨髄・神経、と変換されていき最後に生殖細胞になるという仕組みです。それぞれの体組織が純粋である状態をつくることもアーユルヴェーダの大切な要素で、そういった点でもニーマルは、ここで行う施術が内側から細胞の生まれ変わりをサポートする作用があると話しています。
ザ ハンドレッド ウェルネスサロン最高責任者であり、当サロンの施術プログラムの監修を行うニーマル・ラージ・ギャワリ氏
MICHIRU:ザ ハンドレッド ウェルネスサロンでも再生医療のメニューが受けられるのでしょうか。
岩﨑:オプションメニューになりますが、ザ ハンドレッド クリニックとの連携で、ヒト臍帯血幹細胞セクレトームエキスを顔や頭皮や塗布していただくことができます。幹細胞を培養した際に得られる上澄み液ですね。
MICHIRU:クリニックとサロン、両方に通われている方もすでにいらっしゃいますか。
岩﨑:はい。ビルの別階にコンシェルジュが常駐しており、各先生の診断やアドバイスをもとに、クリニックとサロンの利用のタイミングなどの提案もしています。
MICHIRU:本当の意味で連携されているのですね。消費者側としてはあったらいいなと思う業態ですが、なかなかできることではないと感じます。
岩﨑:やはり双方が本質を捉えているから叶ったことだと感じます。健康的な長寿を叶えるために必要なことは何か、本当の意味で健康のために必要なものは何か。本当にご縁としか言えません。
ラグジュアリーでありながら、本格的な内容を提供し続ける
MICHIRU:銀座4丁目からほど近いこの好立地にも驚きました。でも施術を受けるとこの場所にふさわしいレベルの細やかさやラグジュアリー感を感じられて……。日本の、しかも銀座の地で本格的なアーユルヴェーダを提供する上で、考慮したことはありますか?
岩﨑:日本人の皆さんが喜んでくださるようなサービス体験設計は、すごく考えました。内装も銀座にふさわしい品のあるラグジュアリーさと、ナチュラルさを掛け合わせたデザインで、くつろいでいただけるように工夫を凝らして空間作りをしています。
MICHIRU:現地に行ってアーユルヴェーダを受けたときは、治療的な面が強すぎて気持ち良さや癒しの要素はほとんどありませんでした。板の上に寝て、2人がかりでトリートメントをしてもらったのですが、もう滑らないようにするのに痛いのと、必死なのとで(笑)。
岩﨑:現地だと完全に治療行為ですものね。でもこの場所で同じことをしてもご満足いただけないので。一方でカウンセリングにしっかり時間を取ったり、トリートメント時にアルマ療法を施したり、ハーブスチームで発汗いただくところまでをメニューに入れ込んだりと、本物であることの価値は一切落とさずに提供しているというのが特徴です。
MICIRU:オープンして数ヵ月経ちましたが、どのようなお客さまがいらっしゃっていますか?
岩﨑:現在は50代を中心に、30代、40代、60代の方にもご利用いただいています。男女の割合は3:7程度。女性は美意識が高い方、ウェルネスに対する意識が高い方。男性の方はほぼみなさん経営者で、感度が高くいらっしゃるのを感じます。
MICHIRU:今回の体験とお話を通して、現代人こそアーユルヴェーダの叡智に頼る必要性をとても感じました。実感として、市場の反応はいかがでしょうか。
岩﨑:すでにヨーロッパなどでは富裕層の方々がラグジュアリースパやリゾートに行かれる際に、アーユルヴェーダをチョイスする人が増えてきています。日本では少しずつ気づかれている人が増えてきている段階かなという印象です。
どうしても効果を謳うことが難しい分野ではありますので、当サロンとしては、いかに来ていただいた方に喜んでいただき、結果を感じていただくかに心を砕いていきたいと考えています。そうすれば自ずとアーユルヴェーダの良さも、当サロンについても広がっていくと思っています。
MICHIRU:母体のスワルとしては今後どんな展開を考えていらっしゃいますか。
岩﨑:これまでスワルはヨガと瞑想のコンテンツを持っている会社でしたが、今回、アーユルヴェーダも始まり、実店舗も持ったことで、トータルウェルネスカンパニーとなりました。場が増えたことで、さまざまな人や会社との接点も増やしていきたいと考えています。
またスワルの強みとして、ヨガも瞑想も、アーユルヴェーダもあるなかで、それらを一人ひとりのためにカスタマイズする力があることが挙げられます。それができる人も育ち始めていますので、スワルのウェルネス思想を広げる方法もこれからさらに増えていくのではと思っています。
MICHIRU:どれも古来の素晴らしい叡智ですよね。私もヨガと瞑想を習う1人として今後の展開も楽しみにしています。
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THE HUNDRED WELLNESS SALON(ザ ハンドレッド ウェルネスサロン)
住所/東京都中央区銀座4-4-2 銀座松屋通り安田ビル8F
営業/9:00~21:00 火休
料金/「Whole Detox Plus」69,000円 ほか
HP/https://www.thehundred-wellness.jp
ビジネスパーソンに最適な睡眠改善プログラム「Sdeep」もスタート。
MICHIRU(みちる)
メイクアップアーティスト・ビューティーディレクター/渡仏、渡米を経て、国内外のファッション誌や広告、ファッションショーやメイクアイテムのディレクション、女優やアーティストのメイクなどを数多く手がける。また体の内側からきれいになれるインナービューティを提唱するなど幅広く活躍中。本連載ではナビゲーターを務める。
取材・構成/福田真木子
写真/五十嵐美弥