
「最近チームのミスが目立つ」「チームの士気が下がっている気がする」。これらは部下との円滑なコミュニケーションが取れていないサインかもしれません。本記事では、部下とのコミュニケーションの重要性と、部下のやる気を引き出すための方法についてご紹介します。
「最近チームのミスが目立つ」、「チームの士気が下がっている気がする」。管理職としてこのような悩みを抱えているのであれば、それは部下との円滑なコミュニケーションが取れていないというサインかもしれません。
部下とコミュニケーションをしっかり取ることは、上司の大切な業務の1つです。本記事では、部下とのコミュニケーションの重要性、部下のやる気を引き出すコミュニケーションの取り方をご紹介します。
部下とのコミュニケーションの重要性
部下とのコミュニケーションの重要性は様々なメディアで取り上げられていますが、なぜ重要なのか、どのようなメリットがあるのかをよくわかっていない人も多いのでは。ここでは、円滑なコミュニケーションによって得られる効果について、上司と部下に分けて見ていきます。
チームを引っ張る上司側だけにメリットがあるのではなく、部下側も上司とうまくコミュニケーションが取れることによって多くのメリットがあるのです。
上司が得られる主なメリット
・部下に適正の高い業務を任せることができる
コミュニケーションによって部下の能力が把握できれば、任せられる業務の適正が上がっていきます。
・部下をサポートできる
日々のコミュニケーションによって、部下の状況を把握することができます。それによりトラブルを未然に防ぐことができるなど、適切なサポートが行えます。
・信頼関係が築ける
部下との信頼関係が築ければ、部下から相談を受ける機会も増え、ミスなどに早急に対応することができます。また、離職率も下がっていくでしょう。さらに、部下のミスやトラブルが減れば、叱るという行為でお互いにストレスを抱えることも少なくなっていきます。
部下が得られるメリット
・信頼関係が築ける
上司側にもありましたが、コミュニケーションが取れることで上司に相談、報告する機会が増え、それがミスの防止や軽減につながります。
・自発的になる
仕事をやらされているという意識から、やっているという意識に変わり、自発的な行動が増えていきます。
・責任感が生まれる
自発的に仕事に取り組めるようになると、自分自身の成長が感じられ、それに伴い責任感もついていきます。
このように、コミュニケーションを取れることで、上司と部下双方に様々なメリットが生まれます。
部下とのコミュニケーションの取り方
部下とのコミュニケーションを取るときに大切なポイントをここではご紹介します。
1.話しかけやすい雰囲気を作る
まずは話しかけやすい雰囲気を作ることが大切です。そのためには、笑顔を意識してください。仏頂面をしていると、職務上の地位の優位性もあって、部下からは威圧的に見えかねません。また、大きな声も威圧的に見えるのでNGです。
コミュニケーションに苦手意識がある人は話しかけられたときに反応が薄くなりがちです。話しかけられたときには作業を止めて部下のほうを向き、対応するようにしてください。それだけで話しかけやすさはグッと上がります。
2.傾聴する
傾聴するとは、相手の話に耳を傾け、共感をしながら聞くことを意味します。「聞く」との違いは、しっかりと相手へ意識を傾けて聴くかどうかです。
部下の話は聴いてください。話しかけられたときには作業をしながらではなく、話を遮って自分の意見を伝えることなく、相槌などのリアクションを行いながら傾聴することが大切です。
真剣に話を聞いてくれる上司を部下は信頼していきます。そして、また話したいと思ってくれます。この繰り返しがコミュニケーションです。
3.具体的に褒める
コミュニケーションの中では、部下の言動について意識して褒めるようにしてみましょう。人は褒められることでその人から認められていると思い、自己肯定感を高めることにつながります。
褒めるときには、「頑張った」などではなく、何に対して褒めているかを明確にしてください。例えば、「この資料のおかげで仕事がスムーズに進んだ」といったように。具体的な内容を褒めることで、部下は上司は自分の仕事をちゃんと見てくれているんだと思い、信頼していきます。
4.目標を共有し、仕事を任せる
チームとして仕事がうまくいっていないとき、目標が共有されていないことが多々あります。この仕事はなんのためにやる必要があるのかをコミュニケーションの中でしっかりと共有していきましょう。人は目標がしっかりしていないと前に進むことができません。また、納得していない状態で進めたものには、“やらされている”感が出てしまい、それでは仕事の効率も部下のやる気も下がっていきます。
目標をしっかりと共有し、その上で部下に仕事を任せると納得して仕事に取り組むことができます。仕事を任せた後には、口出しは控えるようにしましょう。余計な口出ししないことによって、部下は任せてくれていると感じ、仕事へのやる気を高めることができます。
文・構成/藤野綾子
ライター・編集者。産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理・福祉の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。
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