いろいろな人と触れ合えるのがいちばんの楽しみ。宝石店としての新規顧客開拓も順調
――現在の心境を教えてください。
さまざまな方と出会えるのが、お店を開いている醍醐味ですね。お客様は市民会館で開かれているコーラスやフラダンスなどのお稽古ごとのあとに立ち寄っていただく方や、市役所を訪問したさまざまな活動をしていらっしゃる方、議員さんなど、本当に多彩なのですが、そうした方たちと自然にふれあって、その際にいろいろな知識が得られるんです。毎日が勉強で、この点はとても楽しいですね。
県庁の後輩職員も来てくれるので、ときには相談にのったり、これまで私が育んだネットワークの知人とつないであげたりも……。感謝してもらえると、やはりうれしいんですよね。お客様とのこうした交流は、開店前はあまり想定していませんでしたので、神様からのプレゼントだと思って楽しんでいます。
当初の狙い通り、ジュエリー店として新たなお客様も増えたのも良かった点です。ランチタイムに来てくれた若い女性のお客様が、お店に飾っているピアスやネックレスを見て、興味を持ってくれて、購入していただけることが増えているんです。
この点もお店が小さいことが幸いしていて、お客様とのざっくばらんな会話から発展するケースが多いんです。カフェになったことで、入店しやすくなった点も良かったのだと思います。ジュエリーの販売だけでなく、お手持ちのジュエリーのリフォームや修理もさせていただいています。
何か始めるのに遅すぎることはない。心配や不安は際限なく浮かぶもの
――さらにチャレンジしたいことはありますか?
もう少し余裕ができたら「古物商」の資格を取りたいと考えています。また、今年後半には調理師試験を受ける資格も生まれるので、「調理師」の資格も取りたいですね。
ここに到るまでには大変したが、夢を形にできて本当に良かったと思っています。とりあえず70歳になるまでは頑張りたいと思っていますが、子どもたち2人も県外ですし、跡継ぎはいないでしょうね(笑)。
何か始めるのに遅すぎることはないのだと、今は心からそう思います。夢を実現するために大切なことは、あきらめずにどうしたらやれるかということを常に頭に留めておくことじゃないでしょうか。私たち夫婦の場合、子どもたちが自立していたということも大きかったですね。失敗しても、私たちだけなら何とか生きていけるんじゃないかと思えました。
とはいえ、今もリスクはゼロではありません。オープンして1年が経った現在も、来月の売上が赤字だったらどうしようとか、考え出すと心配や不安になることは際限なく浮かぶんですよね(笑)。
でも、いつ起こるかわからないことを考えても仕方ないですから。何か起きたら、そのとき考えるしかないと、今は割り切っています。もちろん、起こらないための努力も精いっぱいしていくつもりですが。
宮本さんご夫婦が運営する「Ruby Jwelry Cafe/ジュエリーミヤモト」
Ruby Jewelry Cafe|ルビージュエリーカフェ
住所:長崎県長崎市魚の町6-15 中島川パークサイドビル1F
電話;095-821-1939
営業時間:10:30~18:30
定休日:日曜日
交通:長崎市内の電停「市役所」下車、徒歩約2分
取材・文/山津京子