従業員エンゲージメントを向上させるために開発されたプラットフォームサービス、TUNAGを展開するスタメンは、中間管理職1366名を対象に、中間管理職の負担に関する調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
中間管理職の負担は他の役職と比べて大きい
「中間管理職の負担は他の役職と比べて大きいと感じますか?」という質問に関しては、94.9%が「とても負担が大きい」「負担が大きい」「どちらかというと負担が大きいと思う」と回答した。中間管理職はかなりの割合で他の役割と比べて、負担が大きいと感じていることがわかる。
■業務を行う上で負担と感じる要因
「中間管理職の業務を行う上で、負担だと感じる要因を以下から選んでください」という質問をしたところ、もっとも多く回答されたのが「部下の業務のフォロー」で、14.6%だった。
次いで「上司や経営層とのコミュニケーション」が11.1%、「部下とのコミュニケーション」が10.1%となり、その結果から、経営層と現場の調整に負担がかかっていることが推察できる。
■中間管理職の負担増加と働き方改革の影響
「働き方改革の浸透に伴い、改革の実施前後で中間管理職の負担についてどのような変化を感じていますか?」という質問に関しては、74.0%が「増えていると感じる」「やや増えていると感じる」と回答した。「減っていると感じる」「やや減っていると感じる」と回答したのはわずか2.5%という結果から、働き方改革によって管理職の負担が増えている現状が示唆されている。
中間管理職が挙げた組織の課題
「中間管理職の皆さまが感じる組織の課題を教えてください。」と質問したところ、最も多く回答があったのは「中間管理職の負担が増加している」で13.6%だった。次いで多かった回答が、「次世代の育成ができていない」11.6%、「本部と現場に情報格差や距離がある」8.2%、「優秀な人材を中間管理職へ配置ができていない」8.0%、「現場の一体感がない」7.1%という結果が得られた。
■負担を軽減するために
「中間管理職の負担を軽減するために必要だと感じる施策とその理由を教えてください。」という質問を自由回答で行ったところ、以下のようなコメントが寄せられた。
経営と営業との間で両者により近い存在で考えて意見し、活動できる立場であるため、その存在価値についての見直し、活動しやすい環境・待遇の整備が必要です。また、一般社員と同様に守られる仕組みを導入することが重要だと考えます。(40代 / 医療 / 係長・課長)
成果に応じた適切な評価が必要だと思います。現在、新人教育の場面で、育つと辞めてしまうという繰り返しばかりで苦労しています。辞めてしまう原因は平等評価ばかりで頑張っても頑張らなくても一緒という事実に嫌気が差してしまっているからだと考えます。(30代 / 建設業 / 係長・課長)
管理者のマネジメント以外の担当者レベルの負担がかかりすぎているため職務分掌の規定見直しと職場浸透の働きかけを行うべき。また役職定年の見直しによる役職者の活用を行わなければ会社全体のモチベーションの低下が免れず他社への転職、流出が増加してしまう。(40代 / 小売業 / 係長・課長)
新人育成のカリキュラムはあってもリーダーや中間管理職の育成カリキュラムが乏しいため、中間管理職の教育が必要だと思う。現場の声を聞いて、上層部の目指したいところを擦り合わせていくきっかけづくりが必要だと考える。(20代 / 医療/ リーダー・主任)
情報共有できる環境づくりと後進育成。誰がどんな業務をしているのか、理解することで、過去に経験したことがある者がプロジェクトに参加し、知見・知識を共有でき、属人化も防ぎながら会社の進む方向にベクトルを合わせやすくなるから。(50代 / 放送業 / 係長・課長)
調査概要
調査機関/株式会社スタメン
調査対象/企業に勤める中間管理職の方
サンプル数/1366
調査期間/2024年11月15日〜2024年11月22日
調査方法/インターネット調査
構成/清水眞希