時短を意識して仕事を進めるためには、一日を通して計画的に準備することが大切です。仕事時間だけに意識を傾けるのではなく、働く前後の時間を有効に活用することも心がけましょう。精神を落ち着かせることや、リフレッシュのための時間を確保することで、仕事時間中の効率が高まり、結果的には時短につながります。
寝起きの10分で自律神経を整える
寝起き10分の時間は自律神経を整え、心と体を穏やかな状態に保つのに最適な時間です。深呼吸やストレッチング、瞑想といったリラクゼーション活動を行なうと副交感神経が活性化し、心と体がリラックス状態になります。これによって集中力と創造性が高まり、仕事の生産性が向上するのです。
スマホやテレビから受け取る過多の情報は交感神経を刺激し、心と体を過度に緊張させてしまいます。そのため、起きた直後はデジタルデバイスとの距離を置きましょう。そうすることで、日中にイライラすることが少なくなります。
出社前の5分でやらないことを決める
出社前の5分間は、その日の仕事にとってスタートラインとなる重要な時間帯です。そのタイミングを利用して「やらないことを決める」ことで、その日に集中すべき仕事やタスクを明確にしましょう。「やらないことを決める」ことにより、集中力を散漫にしがちな行動を避けられるようになり、自分の時間とエネルギーを最も重要な事項に集中できます。
「やらないことを決める」ために、まずは優先順位を明確にしましょう。その日のタスクや目標、そしてそれに対する自分の役割を理解することが含まれます。こうしたシミュレーションによって、無駄な時間を削減し、生産性を向上させられるようになるのです。
満腹時などに襲ってくる眠気は生活習慣で抑制できる
出社直後やランチ後に襲ってくる眠気を抑制することによって集中力がアップし、結果として作業効率は向上します。同じ時間でもより多くのタスクをこなせて、仕事全体の作業時間を短縮できるようになるのです。眠気をコントロールできる方法として挙げられるのは、以下のとおりです。
[1]良い睡眠習慣を確立する
規則正しい就寝時間と起床時間を設定し、週末も含めて一貫したスケジュールを守りましょう。体内時計を整えることができます。
[2]睡眠の質を向上させる
寝室を暗くして静かにし、快適な温度を保つことで、良質な睡眠を促進できるようになります。就寝前にリラックスする習慣を取り入れることも効果的です。
[3]適度な運動
定期的な運動は、エネルギーレベルを向上させ、ストレスを減らせます。ただし、就寝直前の激しい運動は避けてください。
[4]適切な食事
バランスの取れた食事を摂ると、血糖値が安定し、眠気をコントロールすることができます。特に糖質の摂取量を調整し、食間を適切に保つことが重要です。
[5]午後の仮眠
短時間の仮眠(15~20分程度)はエネルギーを回復し、眠気を軽減する効果があります。ランチの直後に軽く目をつぶっているだけでも効果があります。
[6]日光を浴びる
昼間に太陽光を浴びることによって体内時計が調整され、眠気を抑えることができます。
湯船にしっかり浸かって復元力を高める
フルパワーで働いた翌日も高いパフォーマンスで働くためにも、蓄積した心身の疲労を入浴で解消し、リセットしましょう。
ストレスや疲れを解消し、心身を元の状態に回復させる作用のことを〝復元力〟といいます。向上させる方法のひとつが入浴です。
浴槽の温度は、個人の好みや体調によって異なりますが、一般的に適温とされるのは40~42℃です。血行が促進されて筋肉や関節の緊張が緩和し、リラックス効果が高まります。適切な温度の湯船に浸かると自律神経のバランスが整い、復元力の向上も期待できます。
起床後や仕事前の時間を有効活用し、眠気のコントロールや入浴による復元力アップを実践すれば、心身ともに健康な状態で仕事に臨めるでしょう。今回紹介した過ごし方をぜひ試してみてください。
お風呂に入る際には、深呼吸を意識することも重要です。深呼吸は、酸素を効率的に体内に取り込むことができ、リラックス効果が高まります。入浴中は深くゆっくりと息を吸い、息を長く吐くことを繰り返すと、心身をリラックスさせられます。浴槽内でのストレッチも効果的。特に、肩、腰、足などの疲れやすい部位をストレッチすると筋肉の緊張がほぐれ、血行が促進されます。
越川慎司/クロスリバー代表取締役。複業・週休3日を実践しながら800社へ働き方改革を提供。自著24冊、『最速で結果を出す資料の作り方』(DIMEデジタル新書)が好評発売中。
800社17万3000人のAI行動分析でわかった「仕事の無駄」を絶つ超タイパ仕事術
「時短を意識して仕事を進めるためには、一日を通して計画的に準備することが大切です。仕事時間だけに意識を傾けるのではなく、働く前後の時間を有効に活用することも心がけましょう。精神を落ち着かせることや、リフレッシュのための時間を確保することで、仕事時間中の効率が高まり、結果的には時短につながります」と話すのは、ビジネスコンサルタントの越川慎司さん。
複業・週休3日を実践しながら800社へ働き方改革のノウハウを提供し、24冊以上のビジネス書を執筆している、まさに仕事の達人だ。同氏がこれまでに働き方改革を支援してきたのは800社以上にのぼる。クライアント企業の優秀なビジネスパーソンに見られる行動を分析して導き出した、業務の無駄を徹底的に省き、仕事のタイパ(タイムパフォーマンス)を高める方法を著書「最速で結果を出す超タイパ仕事術」で詳しく解説している。