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ミドルキャリアで年収の差が拡大、外資系企業は年収1000万円超の割合が日系企業の2.6倍以上に

2024.11.09

日本最大級のグローバル人材に特化した人材紹介会社であるエンワールド・ジャパンは、日系企業から外資系企業に転職する「外資越境転職」を支援する一環として、外資系企業・日系企業の従業員を対象に「外資系・日系企業のお仕事事情」についてアンケート調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した。

外資系企業、働きがいと働きやすさで日系企業を上回る

「現在の仕事の働きがい」について質問したところ、働きがいを「感じている」「どちらかといえば感じている」と回答した従業員の割合は、外資系企業では60%、日系企業では50%となった。【図1】

また、「現在の勤め先の働きやすさ」について質問したところ、働きやすさを「感じている」「どちらかといえば感じている」と回答した従業員の割合は、外資系企業では70%、日系企業では61%だった。【図2】

「働きがい」「働きやすさ」共に外資系企業の方が高く、特に40代において差が顕著に現れており、「働きがい」では17ポイントの差(外資系企業従業員65%、日系企業従業員48%)【図1】、「働きやすさ」でも17ポイントの差(外資系企業従業員75%、日系企業従業員58%)となっている。【図2】

この結果から、外資系企業は日系企業に比べて、従業員が「働きがい」や「働きやすさ」を感じやすい傾向にあることが明らかになり、『プラチナ企業』(=「働きがい」と「働きやすさ」の両方を評価されている企業のこと)としての特性を持つのは、外資系企業の方が多いことが示唆された。

また、働きがいがあると感じている人を対象に、働きがいを感じるタイミングについて質問すると、「給与が上がったとき」(外資系企業従業員43%、日系企業従業員36%)「目標を達成したとき」(外資系企業従業員44%、日系企業従業員30%)が外資系・日系企業ともに上位の結果となった。【図3】

さらに、働きやすさを感じている人を対象に、働きやすさの理由について質問をすると、「自分のやり方で仕事を進められる」(外資系企業従業員53%、日系企業従業員43%)「労働時間が適正・融通が利く」(外資系企業従業員47%、日系企業従業員38%)が、外資系・日系企業ともに上位の回答となり、特に外資系企業において高い割合を示した。【図4】

この結果から、達成感や報酬(給与)の増加が「働きがい」に寄与する傾向にあり、個人の裁量や労働時間の柔軟性が「働きやすさ」の要因になっていると示唆された。

これらの要素は、いわゆる『プラチナ企業』の特徴で、外資系企業は特にその傾向があると考えられる。

■ミドルキャリアで年収差が拡大、年収1000万円超の割合が外資系企業で2.6倍以上

「2023年度の年収について」質問したところ、外資系企業と日系企業の従業員において、20代・30代では差がないものの、40代・50代においては年収の差が大きくなっている。

特に年収1000万円以上の割合が、40代で15ポイント差(外資系企業従業員30%、日系企業従業員15%)、50代では29ポイント差(外資系企業従業員40%、日系企業従業員11%)となっており、高所得者の割合の差が外資系・日系企業の従業員で拡大していることが明らかになった。【図5】

また、「年収の上がり幅(過去3年前と比較)」について質問したところ、外資系企業の従業員においては、年収の上昇幅が特に大きいことが判明した。

外資系企業従業員30代で最も多い回答が「50万円~100万円未満」(25%)の一方で、日系企業従業員30代では「10万円~50万円未満」(33%)が最も多い回答になっている。

また、40代においても、外資系企業従業員では16%が「100万円~200万円未満」の年収増加を経験しており、日系企業の同世代従業員と比べて大幅な年収アップが見られる。【図6】

この結果より日系企業従業員に比べて外資系企業従業員の方が、昇給幅が大きい傾向にみられる。特に、ミドルキャリア層(40代・50代)においては、年収1000万円以上の従業員の割合が外資系企業では日系企業に比べ2.6倍以上となっており、年収の伸びが顕著に現れている。

■労働・残業時間は同等だが外資系企業は休暇制度でワークライフバランスを差別化

「仕事をしている日の1日の労働時間」について質問したところ、外資系・日系企業の従業員の間で労働時間に大きな差は見られなかった。全体的に1日あたりの労働時間が「7時間以上9時間未満」に集中していることが確認され、外資系・日系企業の従業員ともに同様の傾向だとわかる。【図7】

 

続いて、「1か月の残業時間」について質問したところ、同様に外資系・日系企業の従業員の間に大きな差異はなく、「残業時間がない」と回答した従業員の割合は外資系企業で14%、日系企業で17%と全体的に類似した傾向が見られる。【図8】

一方で、「長期休暇や連続休暇の制度が実際に取得することができるか」を聞くと、「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した従業員は、どの年代でも6割以上であることが明らかになった。

特に30代から40代にかけて、休暇制度の取得状況の差が顕著であり、30代では外資系企業従業員の50%が「当てはまる」と回答。日系企業従業員の33%を大きく上回った。また、40代でも外資系企業従業員は41%で、日系企業従業員の22%と比較して大きく上回る結果が得られた。【図9】

この結果から、外資系・日系企業従業員の労働時間や残業時間には大きな差が見られないものの、外資系企業従業員の方が長期休暇や連続休暇を取得しやすい環境にあると推察できる。

また、柔軟な休暇制度を活用することで効率的な働き方と、ワークライフバランスを両立させていることが示唆された。

調査結果解説

国際経営コンサルタント、弁護士
名古屋商科大学経営大学院(MBA)教授 植田統 氏

この調査結果は、日系企業と外資系企業の違いをよく表している。一言で言えば、外資系企業は、給与は高く、昇給も大きく、やりがいがあり、休暇も取りやすいという結果である。

それらの点で、外資系企業が日系企業より優位に立っている要因を私なりに考えてみると、外資系企業ではジョブ型で仕事をしているので、一人ひとりの権限と責任が明確で、自分のスペシャリストとしての成長を実感しやすく、それに見合う処遇がされているのだと思う。

これから、自分のキャリアを作っていこうという人、何かの分野のスペシャリストとして生きていきたいと思う人にとっては、自分のスペシャリストとしての成長を実感できること、他の会社からも求められるようなスキルを身に着けた人となることが最も重要である。

一方、多くの日系企業はメンバーシップ型雇用で、いわゆるジョブローテーションなどの配置転換によって、ジェネラリストとしてのキャリアが形成される。また、終身雇用を前提とした給与体系で、長期的に緩やかに昇給していく傾向がある。

何かのスペシャリストではなくジェネラリストとしてキャリアを築きたい人、給与の短期的な伸び幅よりも安定性を重視する人は日系企業が向いているだろう。

もし今勤めている日系企業で成長が感じられず、自分の将来に不安を感じているのなら、そして、アウトプットが厳しく求められる外資系企業に挑戦しようという決意ができたなら、思い切って外資系への転職を考えてみるのもよいだろう。

調査概要
調査方法 /インターネット調査   
調査地域/全国
調査実施期間/2024年9月4日~ 9月6日
有効回答数/746名
回答者所属企業/外資系企業346名、日系企業400名
回答形式/単一回答および複数回答形式

関連情報
https://www.enworld.com

構成/清水眞希

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