800社以上の働き方改革を支援するクロスリバー代表取締役の越川慎司さん。クライアント企業で成果を上げている優秀な社員の行動分析をもとに、仕事のタイパを高める秘訣を1冊にまとめた「最速で結果を出す超タイパ仕事術」が話題となっている。コミュニケーションやキャリアアップまで幅広いテーマを取り上げる本書の中から会議を見直すポイントについて、ピックアップした。無駄な会議を見直して新しいことに挑戦する時間をぜひ創出してほしい。
ただ伝達するだけでなく行動を促す話し方を
会議に対する考え方を改め、効率よく資料を用意できたら、あとは当日の〝立ち居振る舞い方〟について気をつけるようにしよう。以下のようなポイントを押さえれば、参加者のモチベーションが上がり、有意義な会議になるはずだ。
「伝達する」だけの話し方だと、会議に参加している聞き手の理解を深めるよりも、情報を一方的に押しつけてしまうことになる。その結果、聞き手は情報を聞き流すだけで終わり、自身で考えたり、質問したりする気にはなれなくなるのだ。聞き手が受け取った情報を腹落ちし、自分の行動に反映してもらうことは難しいだろう。
一方、優秀な人は、聞き手が主役であることを心に留めて、相手の「行動を促す」ための話し方や情報の提示に長けている。聞き手の気持ちを理解し、行動に移した時に得られる具体的なメリットを、イメージしやすく伝えるのだ。
例えば、商品やサービスの機能を並び立てて説明するのではなく、それがどのように世の中の暮らしを変えて、どんな価値を提供するのか〝ストーリーで描く〟ようにしよう。そうすると聞き手の記憶に残りやすくなり、行動を促すことができる。また、曖昧な表現よりも具体的な効果を示したほうが、聞き手はどのような効果が期待できるのかが想像しやすい。
これらのテクニックは、多くのビジネスパーソンが真似することができる。重要なことが聞き手に伝わり、行動を引き出す=「行動を促す」ことにつながるので、ぜひ実践してみてほしい。
オンライン出席者の参加意欲を高めるコツは発言機会と感情共有
218社のビデオ会議を記録し、それを分析した結果、参加者の41%は内職をしていることが判明した。このようなビデオ会議の状況を改善する試みとして、次のような3つのことが挙げられる。
1つ目は、会議の開始24時間前にアジェンダを送ること。会議の目的と参加者の役割を事前に知ることができれば、参加者は準備をして会議に臨むようになる。
2つ目は、会議の冒頭で参加者の名前を呼ぶこと。開始時にアジェンダと会議参加者の名前を読み上げると、名前を呼ばれた人が内職する確率は1/3以下になる。
3つ目は、チャットや絵文字で感情を共有すること。なぜなら情報だけの共有は形式的でつまらないものになってしまうからだ。オンライン会議ではチャットや絵文字機能を使って、場を温めよう。例えば、参加者がいい発言をした後に「いいね」をチャットに投稿したり、発言者に共感できる時はハートの絵文字を表示したりすることで〝場が温まる〟とともに、発言数も発言者数も増えるのだ。
ビデオ会議の参加者に内職させない3つの秘策
1:会議の開始24時間前にアジェンダを送る
2:会議の冒頭で参加者の名前を呼ぶ
3:チャットや絵文字で感情を共有する
越川慎司さんの著書『最速で結果を出す超タイパ仕事術』絶賛発売中
優秀な社員の行動分析から導き出した業務の無駄について、データをもとに解説。仕事の無駄を省くための考え方から、タイパを高めるための実践方法まで紹介している。個人だけでなく組織の業務効率を上げる秘訣も含めて必見だ。
「最速で結果を出す超タイパ仕事術」
越川慎司さん
世界各地に分散したメンバーが週休3日・リモートワーク・複業(専業禁止)をしながら800社以上の働き方改革を支援する、クロスリバーの代表取締役。