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ビジネスパーソンの6割以上が「会社の人事評価の基準は不明瞭」、7割が「人事評価に不満」

2024.10.28

人材紹介業を展開するワークポートは、現役ビジネスパーソンを対象とした「人事評価の満足度」についてアンケート調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した。

61.7%が「会社の人事評価の基準は不明瞭」と回答

最近、仕事に熱意を持たず最低限の業務だけをこなす働き方をいう「静かな退職」が話題となっている。これは、「がんばっても評価が上がらない」といった曖昧な基準の人事評価制度が原因のひとつだと言われている。

では、実際に人事評価の基準は不明瞭なのか、ビジネスパーソンはどのように捉えているのか、ホンネを調査してみた。

はじめに、対象者全員に会社の人事評価の基準は明瞭か聞いたところ、「まったくそう思わない」(30.1%)、「あまりそう思わない」(31.6%)が合わせて61.7%となった。

会社の人事評価の基準は明瞭だと思わないと回答した人にどんな点が不明瞭か聞いたところ、「明確な基準がなく、上司の主観で判断される」(40代・女性・事務)、「面談やフィートバックがない」(30代・男性・その他)など、評価基準の設定や説明がなされていないとする意見が多く挙がった。

<会社の人事評価の基準について不明瞭だと感じる点(一部抜粋)>
「評価基準が社員に公開されていない」(30代・女性・管理)
「成績より評価者の好き嫌いのような気がする」(40代・男性・運輸交通)
「評価に対する根拠の具体的な説明が一切ない」(20代・女性・公務員)
「評価面談がない。賞与の基準もまったくわからない」(40代・男性・建築土木)
「絶対評価ではなく、相対評価となっている」(30代・女性・システムエンジニア) 

■67.4%が会社からの人事評価に不満。公平性や透明性、処遇への反映に課題

次に、会社からの人事評価に満足しているか聞いたところ、「とても不満がある」(32.5%)、「やや不満がある」(34.9%)とした人が合わせて67.4%だった。

会社からの人事評価に不満があると回答した人に理由を聞いたところ、「上司に気に入られた人が評価されるため」(40代・男性・営業)、「何を評価されているのかわからないため」(40代・男性・営業)など、公平性や透明性の低さを原因とする意見がとくに多く寄せられた。また、「給与に反映されないため」(30代・男性・製造)といった処遇反映についての不満も多く挙がっている。

約8割が評価によるモチベーション低下を経験、評価や処遇に「納得感がない」

続いて、会社からの人事評価によって仕事のモチベーションが下がった経験はあるか聞いたところ、「とてもある」(44.8%)、「どちらかといえばある」(31.6%)が合わせて76.4%と8割近くに達した。

人事評価への不満は「静かな退職」の原因のひとつとされているが、実際に仕事のモチベーションへの影響は大きいようだ。

人事評価によってモチベーションが下がった経験があると回答した人にその理由を聞いたところ、「評価についての説明が曖昧で納得感がないため」(40代・男性・運輸交通)、「がんばっても給与は上がらず責任ばかりが増えたと感じるから」(30代・男性・事務)など、評価や処遇に納得できなかったとする意見が中心となった。

<会社からの人事評価でモチベーションが下がった理由(一部抜粋)>
「やってもやらなくても全員同じ評価のため」(20代・男性・公務員)
「上司に意見したことで評価が下がったため」(20代・女性・コンサルタント)
「業務を理解していない人が評価者であり現実に即していないため」(40代・男性・コールセンター)
「成果によって評価すると言いながら実際は年功序列で給与が決定されていたため」(20代・女性・製造)
「自己研鑽を積んでも評価に反映されず努力して技術を高める意欲がなくなったため」(30代・男性・医療福祉介護)

■人事評価が原因で「転職した」18.7%、「転職を検討」48.6%

さらに、対象者全員に会社からの人事評価が原因で転職をしたことはあるか聞いたところ、「転職した」(18.7%)、「転職を検討した(検討中)」(48.6%)が合わせて67.3%だった。

約7割に及ぶ大多数にとって人事評価は、転職のきっかけともなるほど働くうえで重要な要素であることがわかる。

■71.0%が「改善要望あり」、公平性・透明性・納得性の向上を望む意見が中心

最後に、対象者全員に会社の人事評価に対し、改善してほしいことはあるか聞いたところ、71.0%の人が「はい」と回答した。

具体的に何を改善してほしいか聞いたところ、「評価基準を明確にしてほしい」(30代・男性・事務)とする意見が大多数を占めました。そのほかには、「評価に対する根拠と詳しいフィードバックがほしい」(40代・男性・営業)、「成果を給与に反映してほしい」(40代・女性・コールセンター)など、公平性・透明性・納得性の向上を求める意見が寄せられた。

<会社の人事評価に対する具体的な改善要望(一部抜粋)>
「明確な評価基準を設け、周知をしてほしい」(30代・男性・管理)
「能力給の目安を明確にしてほしい」(20代・女性・コンサルタント)
「評価の給与反映と適切なフィードバックを実施してほしい」(30代・男性・管理)
「部下が行っている業務内容を正しく理解して評価してほしい」(30代・女性・その他)
「部下からも“上司としてどうか”の評価をさせてほしい」(40代・女性・企画マーケティング)

調査結果まとめ

今回の調査では、多くのビジネスパーソンが会社の人事評価に対して不明瞭な印象や不満を抱いていることがわかった。

評価基準が曖昧で公平な評価を受けられない・がんばっても評価されないといった状況がモチベーションの低下につながり、「静かな退職」の原因や転職のきっかけにもなっているようだ。

企業は、従業員のエンゲージメントを高め組織として成長していくために、人事評価制度の公平性・透明性・納得性を高めていくことが不可欠と言えるだろう。

働き手側は、自分が正しく評価を受けるためにもまずは企業の評価制度をきちんと理解する必要がある。そのうえで、どのような評価制度が自分に合っているのか、自分が長期的に成長できる環境について今一度考えてみるとよいかもしれない。

調査概要
調査内容/人事評価に関する満足度調査
調査機関/自社調査
調査対象/ワークポートを利用している全国のビジネスパーソン(20~40代・男女)
有効回答/455人
調査期間/2024年10月9日~10月16日
調査方法/インターネット調査

関連情報
https://www.workport.co.jp/

構成/清水眞希

 

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