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管理職が評価する企業ランキングTOP3、3位電通、2位日本マイクロソフト、1位は?

2024.09.25

転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」を展開するオープンワークでは、回答者を管理職の社員に限定。「あなたはこの企業に就職・転職することを親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?」という質問に0~10点で回答するネットプロモータースコア(NPS)を集計、ランキング形式で結果を公開した。本稿では同社リリースを元に、その結果と分析概要をお伝えする。

管理職が評価する企業ランキング

■「待遇面の満足度」スコアの平均は4点以上、職務に対する正当な報酬は重要なポイント

一般的に、管理職昇進を希望しない背景として、「給与が割に合わない」といった声がある。これは、管理職になると残業手当がつかない企業も多く、責任が増えたり業務時間が伸びたりしても給与に反映されず、「タイム・パフォーマンス」(時間対効果)が悪いことへの不満だ。

一方、今回管理職として働く社員が自社を「おすすめできる」と評価した企業からは、報酬や給与への納得が特徴として挙げられる。上位20社の「待遇面の満足度」スコアの平均は5点満点中4.08点と非常に高く、具体的な給与制度や賞与に関するクチコミからも満足度が高いことがわかる。

<ランクイン企業の管理職が投稿した、待遇面に関するクチコミ>

「基本給+インセンティブ+RSUの構成。インセンティブは基本給の54%が達成度によって支給される。マネージャーになると割合が67%になる。これに加えてRSU支給と、特定の契約や商品を売った場合のスポットでのインセンティブが支給される」(シニアアカウントマネージャー、男性、アマゾン ウェブ サービス ジャパン)

「給与制度は十分に整っており、四半期ごとのパフォーマンスに応じて、年に一度(場合によっては上半期・下半期の二度)、昇給やStock Award、Incentiveボーナスが提供されます」(マネージャー、女性、日本マイクロソフト)

「基本給はそれほど高くありません。残業代が結構な割合を占めます。ボーナスは業績連動ですが、業績が良い場合には多くの割合を占めます。ただ、業績連動の設定がマスメディアが隆盛だった時代のものであり、これから当面はボーナスに期待することはできないかと思います。業界的には苦しい局面ですが、それでもなお給与面では恵まれた会社だと思います」(シニアマネージャー、男性、電通)

組織風土として浸透した行動指針、アマゾンとマイクロソフトのリーダーシップ

1位と2位にランクインしたアマゾン ウェブ サービス ジャパンと日本マイクロソフト。どちらも世界的有名企業で、日本だけでも多くの従業員を抱える大企業だ。

両社のクチコミから見えた共通点は、組織に浸透した「行動指針」だった。コミュニケーションや課題解決において、役職に捉われず共通の視点でディスカッションができること、悩んだ時に立ち返れる指針があることは、管理職のみならず組織を運営するうえで大きな助けとなることがわかる。

■アマゾン ウェブ サービス ジャパンの「Our Leadership Principles」

アマゾングループが掲げる「Our Leadership Principles(OLP、リーダーシップ・プリンシプル)」は、「チームを持つマネージャーであるかどうかにかかわらず、全員がリーダーである」という考えに基づく16項目の行動指針で、採用においても重視されているようだ。

クチコミからは、社内にOLPが浸透していることが推察でき、役職や部門を越えてチームワークを発揮できる環境があることがわかる。

<アマゾン ウェブ サービス ジャパンの管理職が投稿した企業文化に関するクチコミ>

「Amazon 共通の Leadership Principles に沿った考え方、行動が奨励されている。採用時にも Leadership Principles に沿った行動のエピソードを確認するので、社員個々の基本的な行動原則が揃っているのが特徴。Customer Obsession や Ownership といった行動原則を共有しているため、原理原則の部分で考え方が大きく異なることによるフリクションのようなことはほとんど起こらないし、何か問題があったときに Role や部門関係なく協力し合って問題解決に向かうことが自然にできている」(マネージャ、男性、アマゾン ウェブ サービス ジャパン)

「OLPという行動規範や、Still Day 1というカルチャーが深く社員に浸透しておりモチベーションの高い社員が多い。組織を跨いだ活動も多く皆協力的で仕事は非常にやり易く、キャリアパスも多いため自身の都合で異動する(実現したいキャリアがある場合)こともできる。(営業部長、男性、アマゾン ウェブ サービス ジャパン)

■日本マイクロソフトの「Growth Mindset」「他者への貢献」

2014年にマイクロソフトのCEOに就任したサティア・ナデラ氏。マイクロソフト再興の立役者であるナデラ氏が行った文化変革がクチコミにも表れている。

失敗を恐れず常に学び続ける姿勢を持つことを意味する「Growth Mindset」や、他者の成功にどれだけ貢献できたかが評価につながるといった「他者への貢献」を挙げる社員が多く、チームを率いる上でもサポートする上でも指標となっていることがわかる。

<日本マイクロソフトの管理職が投稿した企業文化に関するクチコミ>

「本当に大きな企業なので、環境も働き方も組織やチームによって大きく異なりますが、特に印象的なのは会社全体で『他人の成果にいかにポジティブな影響を与えているのか』『他人の成果を使っていかにどうビルドアップしていったのか』がパフォーマンス評価のポイントになっている点です。それも相まって、『協力』が能力の一つとして重要視されています。本来個人プレイヤーとしての能力の高さを持っている方も多い上、(役割で求められている以上に)周りのサポートやコーチングが出来る方が多い気がします」(ビジネスマネージャー、女性、日本マイクロソフト)

「根付いている文化としては、オープンでポジションに関係なく全てのメンバーが自由に意見を上げ議論のできるカルチャーがあり、とてもよいと思います。またGrowth Mindset という言葉がよく使われ、今の状況や自分の限界だと思っている世界に留まることをよしとせず、失敗をしてもしっかりと挑戦を続ける姿勢が重要視されます。その中での失敗はまったく咎められません。また部門の壁を越えて連携することでいかにインパクトを最大化できるかに軸を置いているため、様々なチームとコミュニケーションを取る機会が多く、さまざまな視点を知り合えることもよいと思います」(マーケティングマネージャー、女性、日本マイクロソフト)

対象データ
OpenWorkに2019年以降に投稿された、管理職の社員・元社員による会社評価レポート2万4824件を集計。

関連情報
https://www.openwork.co.jp/

構成/清水眞希

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