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「日々の気づきがビジネスをつくる」uka代表・渡邉弘幸さんが自然から学ぶウェルビーイング論

2024.09.27

前編中編と追ってきた、トータルビューティーカンパニー「uka(ウカ)」の、ヘアケア製品のリブランディングストーリー。ビューティーディレクター MICHIRUさんが興味を惹かれたのは、そのストーリーの中に絶えず代表取締役CEO 渡邉弘幸氏のライフスタイルが見え隠れしていること。

ライフスタイルが、ビジネスをつくる!?

後編となる本記事では、この消費社会の中で大きく舵を切ったものづくりを実現した渡邉氏が、日々どんな場所からヒントを得ているのかを伺った。

前編はこちら
中編はこちら

「僕も地球の一部」。気づきは体験からしか生まれない

MICHIRU:「uka IZU Shampoo/Conditioner(ウカ イズ シャンプー/コンディショナー)」ができるまで、クロモジが採れる下田に何度も通われたと聞きました。また、他の原料の産地にも会社のみなさんで足を運んで視察をされたとお話しされていらっしゃいましたよね(中編より)。

渡邉:やっぱり自分たちで見て、ちゃんと知る、ということを大切にしたいな、と。知らない人と仕事をするのは不安じゃないですか。僕らが知っていなければ、お客さまに商品をお勧めする社員はもっと不安だと思うんです。また僕だけが見たって、みんなが納得できるものを作れない。だから、みんなで行くというのもあります。クロモジを生産いただいている佐藤先生とも何度もお話をして、いろいろなことを勉強させていただきました。ま、そうは言っても、サーフィンを楽しんだりもしているんですけどね(笑)。

MICHIRU:サーフィン、ご趣味ですもんね(笑)。ストーリーを伺っていると「ウカ イズ」は、渡邉さんがサーフィンをするなど普段から自然とともに生き、自然に学んでいるからこそ実現できたことなんだと感じます。

渡邉:自分も地球の一部だということに腹落ちしていますからね。

こういうのは日々の積み重ねの結果、だと思います。たとえば昔から妻と秘湯の温泉によく行くのですが、そういった温泉は石鹸の使用を禁止している所も多い。なぜかと調べてみれば、一般的な石鹸に使用されている界面活性剤が近隣の川の生態系を崩す可能性があるからだと知りますよね。そうすると、こういった場所でも使える生態系に影響を与えないものをつくりたいと思うじゃないですか。

また時々サーフィン仲間たちと離島までショートトリップするのですが、最近ではそういう場所でもペットボトルなどのゴミの漂流が目につくようになりました。そのペットボトルが塩の満ち引きで削られていくのを目の当たりにすることになる。しかもそのそばを、ウミガメが泳いでいるんです。それを見てしまったら、マイクロプラスチックと海洋生物の関係からもう目を背けられないですよね。うちのブランドからマイクロプラスチックを出すわけにはいかない、と思うに至ります。

そうやって一つひとつ気づいたことを積み重ねながら、ものづくりをしていって、今回の「リジェネラティブ グッド」シリーズにまでたどり着きました。

ウカでは前シリーズである「ヘッドセラピーシリーズ」の容器を、2021年にバイオマス素材を変更している(ウカ提供)

MICHIRU:実体験から本当に必要だと感じたものをつくってきたんですね。あと印象的だったのが、渡邉さんのプライベートでの人との繋がりが、ビジネスの起点になっているところ。この話を聞くと、ブランドの理念を形にするためにも、上の人が動かないといけないんだというのを感じます。

「リジェネラティブ グッド」それは、次世代への贈り物

MICHIRU:「リジェネラティブ グッド」についてウカさんのホームページには、「次世代に、健やかで住みやすい地球をバトンタッチできるように。」と書いています。次の世代に繋げていくというのも、ご自身のミッションとして持っていますか?

渡邉:次世代に、ということも循環と再生のストーリーの一部です。美容についても若い時はいろんなことをして、遊ぶのも大事。少し髪や肌を傷めつけたとしても、楽しい経験をしてほしい。でもその先の人生も長いから、回復させる余地を残しておいてあげないといけないですよね。それをするのが僕ら世代の務めだと思っています。

環境についても、社会についても同じことが言えます。こういう方法もあるよというオルタナティブな提案を見せ続けていくのが僕らの仕事。とはいえその一方で、僕らも人生まだ長いので自分も楽しんでいきたいですけどね。

MICHIRU:最後に、渡邉さんの次の楽しみを聞かせてください。

渡邉:「ウカヘナ」のヘナ、「ウカ イズ」のクロモジの経験から、川上から川下まで自分たちが見えるところでものづくりをすることにだいぶ自信がつきました。ものづくり、サービスづくりの哲学も固まってきて、海外に向けても伝える準備が整ってきたと感じています。日米両国で出資してつくった会社、uka USAもありますし、来年はヨーロッパも視野に入れています。面白いと思ってもらえたら、僕らのものづくりが海外に羽ばたくチャンスは存分にあるんじゃないか。そう、感じています。

<プロフィール>

渡邉弘幸(わたなべ・ひろゆき)
ウカ代表取締役CEO/大学卒業後、博報堂に入社。2009年、夫人でありネイリストとして活躍する渡邉季穂(わたなべ・きほ)の祖父が創業した向原(現・ウカ)に取締役副社長として入社。美容室「エクセル」から「ウカ」へのリブランディングのほか、教育機関「ウカデミー」、オリジナルプロダクトの開発、「ウカフェ」の立ち上げなどに携わる。

MICHIRU(みちる)
メイクアップアーティスト・ビューティーディレクター/渡仏、渡米を経て、国内外のファッション誌や広告、ファッションショーやメイクアイテムのディレクション、女優やアーティストのメイクなどを数多く手がける。また体の内側からきれいになれるインナービューティを提唱するなど幅広く活躍中。本連載ではナビゲーターを務める。

取材・構成/福田真木子 撮影/黒石あみ

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