「Wellbeing Beauty by MICHIRU」ではビューティーディレクターのMICHIRUさんとともに、人を輝かせるビューティーアイテムの裏側にあるウェルビーイングな取り組みを掘り下げていく。
初回は都内にサロンを、ストアを全国に展開するトータルビューティーカンパニー「uka(ウカ)」を訪ねた。uka代表取締役CEO 渡邉弘幸氏に“サステナブルのその先”を見据えてスタートさせた新プロジェクトについて伺っていく。
ヘアケア製品を10年ぶりにリブランディングした、トータルビューティーカンパニー「uka(ウカ)」。前編では新しいシャンプー、コンディショナーのキー成分、クロモジの量産化から生まれる髪と頭皮、山と海、そして地球のうれしい循環について話を伺った。
今、美容業界のウェルビーイングなものづくりは、人を美しくするだけでは留まらないステージに入っている。
中編となる本記事では、シリーズ名に冠した「リジェネラティブ グッド(Regenerative Good)」という視点を、ビューティーディレクター MICHIRUさんとともにさらに深堀りしていく。
前編はこちら
山から海、そしてその先へ。循環を体現する原料へのこだわり
MICHIRU:前編ではキー成分となっているクロモジについてのお話しを伺いましたが、「uka IZU Shampoo/Conditioner(ウカ イズ シャンプー/コンディショナー)」は他にどんな原料を使っているのでしょうか?
渡邉:ヘナやツバキ、フノリ、コメ発酵液などクロモジ同様に植物由来の成分が中心となっています。また20種類のアミノ酸も配合しているのですが、これらもすべてヴィーガン処方です。どれも会社のメンバーや関わる人みんなで、「リジェネラティブ グッド」の概念と呼応するものをと、日本全国から集めてきたものばかりです。
僕らのものづくりは良さそうなものがあったら、みんなで現地まで行くスタイル。現地の人の話を聞いて、どんなものづくりをしているのかを見せていただきます。成分としての良さももちろんなのですが、リジェネラティブ、そして循環という視点に叶うものなのかどうかについても、みんなで納得できたものを採用していきました。
MICHIRU:国産のものばかりなのですね。
渡邉:ツバキは伊豆の離島にある利島のもの、フノリも伊豆の海で育ったものを採用しています。再生しつつある下田の山で育まれた腐葉土や栄養が、フノリが育つ下田の海へ、そして海の向こうにある利島へと繋がっていき、ウカのシャンプーになっているんです。また、ヘナは「ウカヘナ」シリーズと同じ石垣産のオーガニックのもの。コメ発酵液は豊かな里山である山形・庄内平野で育った酒米を使用しています。
僕も驚いたのですが、海藻であるフノリが髪のキューティクルを保護するシリコンの代替になるんですよ。使ってみたらシリコンにも遜色がないくらい指通りが良くなって、素晴らしいコンディショニングに仕上がった。ケミカルに頼らなくても植物で叶えられるものは、まだ見つけていないだけでたくさんあるのではないか。その可能性を感じさせられました。
MICHIRU:“循環するビューティー”とはまさにこのことですね! あと、気になったのがこのボトルに巻いてある紙です。開くと楽しいイラストエッセイがあって……。
渡邉:僕が以前から気になっていた、アーティストのとんだ林蘭さんに描いていただきました。描くにあたって、実際に下田まで行ってくださったんです。やっぱりどんなに良いものを作っても、商品として欲しくなること、買って家に帰ったとき、そして使いながら楽しさを感じていただくことも考えないといけません。とんだ林さんが僕らの取り組みや下田のことをユーモラスに伝えてくださることで、お客さまに届くものもあると思うんです。
左:新商品を試すために自身も髪を伸ばしたというuka代表取締役CEO 渡邉弘幸氏、
右:ビューティーディレクター MICHIRUさん
ボトルに巻かれた紙の中を覗くお二人
とんだ林蘭さんによるイラストエッセイ。紙には蒸留後のクロモジが配合されている
MICHIRU:発売されてからお客さまやスタッフの方の反応はいかがですか?
渡邉:スタッフたちが全面協力をしてくれて、今、発売して1週間(取材時)くらいですが、ヘアサロンに来店されたお客さまの約半数以上が購入してくださっています。前年比同月で言うと500%という勢い。スタッフもお客さまも驚くくらい共感してくださっているのを感じています。