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早大、東大で学びと研究を15年!いとうまい子さんに聞く継続の秘訣は「好きよりも、得意なこと」

2024.09.19

反対意見は、一切聞かずに我が道を進む

――それでも勉強を続けた理由は「恩返しがしたい」という気持ちで大学に入ったから。

いとう:正直、できなかった理由を考えたり、次週にレポートを出そうと思ったこともありましたが、仕事との両立が難しいことは最初からわかっていたことです。レポートの提出を次週に回すほど、恩返しができるまでに時間がかかってしまう。ですから、「何がなんでも勉強を続け、4年で卒業する」という気持ちを維持し続けました。

あとは、私が大学に入りたいと言ったとき、「どうせ、無理」とか「芸能人の箔付けのようなものでしょ」などという言葉も耳に入ってきました。負けん気のようなものもあったかもしれません。

やはり、年齢を重ねて「勉強をしたい」とか「新たな挑戦がしたい」と夢を語ると、「無理だよ」とか「うまくいかないよ」という人に、少なからず出会います。私が勉強を続けられたのは、そういう意見を一切聞かなかったことも大きいと思います。私の足を引っ張りそうな人とは距離をおいて、自分の選んだ道を進み続けました。

宣言通り4年で大学を卒業した、いとうさん

――いとうさんは、テレビ番組で見るように、優しく明るく、陽だまりのような雰囲気です。しかし、朗らかな声の根底には、厳しく研ぎ澄まされたものがある。そこから、強い意志で勉強を続け、研究者として歩いてきた道が伝わってきます。

いとう:でも、学ぶことは楽しかったです。40代の大学生は、失敗しても就職に差し障りがありませんから、あえて厳しい教授の授業をとるというチャレンジもできます。また、10代、20代に比べて圧倒的にコミュニケーション力が高い。レポートの切り口、質問のやり方など、〝年の功〟による利点はたくさんありました。

他にも、大学に入って「大人って最高!」と言いたくなることが多々ありましたよ。これまでの経験から、「ここで失敗しても、なんとかなる」とか「私の代わりはいくらでもいる」など、おおらかな気持ちで勉強や研究に取り組めるのは大きいと思います。

――「予防医学で世の中に恩返しがしたい」と大学に入りましたが、3年のゼミ選択の時に、予防医学の教授が定年で退官してしまうという予想外の出来事もありました。

いとう:予防医学を学ぶために、大学に入ったのに、いざ学ぼうとしたらゼミがない。途方に暮れて20歳の同級生に相談。すると、「学生に人気のあるゼミがあるんですがどうですか?」と言ってくれたのです。

それまでプログラミングの勉強をしていませんでしたが、新しい分野に進んでみるのも学生の楽しみかな?と思ってゼミに入りました。今までの私は頑固な部分も多かったので、学生になったら周囲からの意見を聞こう!と心に決めていました。

そこで、取り組んだのは、ロボットと予防医学を掛け合わせた、ロコモーティブシンドローム(移動のための身体機能低下)の予防。私は正しいスクワットの形を検知する「ラムちゃん」の開発をしました。

それを国際ロボット展の早稲田大学のブースで展示していたら、たまたま通りかかった企業の方が、「とてもいい研究です。大学院でも研究を続けるなら、一緒に何かをやりたいですね」と、声をかけてくださったんです。

声をかけてくれた企業と後日共同開発した、スクワットの習慣化を誘導する「ロコピョン」。人感センサーを搭載し、安否確認機能も兼ねる。

それまで大学院に行こうとは全く考えていなかったのですが、その言葉を聞いて、修士課程に入学することを決意しました。予定通り、4年で大学を卒業した後は、修士課程に進学し、ロボットを研究します。その後、博士課程に進学、基礎老化学を研究し、現在は早稲田大学大学院の研究生として、抗老化学を研究しています。

私が、ここまで研究を続けられたのは、「好きなこと」ではなく「得意なこと」を続けていたからだと思います。私は同じことを繰り返して、データを取る作業が得意なのです。だから、抗老化学の研究を続けられているのだと、気づきました。

好きなことは裏を返せば「嫌い」になる。得意なことはずっと得意なのです。これから、リスキリングや起業を考えているなら、「得意なこと」を深掘りしてみるといいと思いますよ。

***

いとうさんは「気がつけば、私が大学に入学してから、15年も経っているんですね」とほほえみました。後編では、研究内容、更年期、美容、モチベーションの維持方法など、学びを支える思考法などのお話を中心に紹介していきます。

取材・文/前川亜紀 写真提供/マイカンパニー

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