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上司の急な指示変更、友達の何気ない言葉、または恋人とのすれ違いなど、ふとした瞬間に「イライラ」「モヤモヤ」を感じることはありませんか? 感情が乱れがちだと、心に大きな負担になりますよね。
そんな時は、「自分の機嫌は自分で取る」という考え方が役に立つかもしれません。とはいえ、「どうやって?」と思う方も多いでしょう。今回は、この言葉の本当の意味と、自分の機嫌を自分で取るための方法について詳しく解説します。
「自分の機嫌は自分で取る」ってどういうこと?
まず、「自分の機嫌は自分で取る」という言葉の意味を確認しましょう。
不機嫌を態度に出して他人に何とかしてもらおうとしたり、イライラをぶつけたりしていると、関係性が悪くなってしまいますよね。
「自分の機嫌は自分で取る」とは、自分の感情に責任を持ち、必要に応じて自分で心の状態を整えること。同じ出来事が起きても、人によって反応が違うように、どんな感情を抱くのかは自分で選ぶことができます。
友達に否定的なコメントをされたり、恋人が約束を守ってくれなかったり…。自分の思い通りにいかないことはたくさんありますが、そんな状況でも、自分の心を良い状態にしていきましょう、ということです。
自分の機嫌を取れる人は、どうしたらイライラしないかを考えて、自分の感情と現実に折り合いをつけていきます。気分転換をして感情をコントロールしたり、必要に応じて状況改善に取り組むなど、建設的に向き合っていくのです。
ただし、「自分の機嫌を取る」とは、いつもポジティブでいなければならないということではありません。ネガティブな感情を押し殺す必要はなく、それも含めて認めてあげて、その上で心地よく過ごす方法を見つけていくことが大切です。最初は難しく感じるかもしれませんが、練習することで少しずつできるようになっていきますよ。
「自分の機嫌は自分で取る」メリット
自分の機嫌を自分で取れるようになると、どんなメリットがあるのでしょうか? 主なメリット3つをご紹介します。
(1) 他人に振り回されなくなる
自分の機嫌を自分で取れるようになると、他人に振り回されなくなります。他人の言動や状況に過剰に反応せずに済むので、自分のペースで過ごせるようになり、メンタルが安定します。
(2)心の余裕が生まれ関係性が良くなる
自分の機嫌を自分で取れるようになると、「私は大丈夫」という安心感や信頼感が生まれて心に余裕ができます。すると、ネガティブな感情を他人にぶつける必要がなくなりますし、明るく前向きでいられるので、関係性も良くなります。何か問題があっても、落ち着いて解決策を考えられるようになるのです。
(3)幸福度がアップする
他人に機嫌をとってもらおうとしても、自分が望んでいるようにしてもらえないことが多いものです。自分の機嫌を取って、心地よく過ごせるようになれば、幸せを感じられる時間が増え、人生の充実度がアップします。
自分の機嫌を取り、イライラを手放して心地良く過ごすための方法4選
では、具体的にどうすれば「自分の機嫌は自分で取る」ことができるのでしょうか? イライラを手放して心地良く過ごすための実践的な方法を紹介します。
(1)セルフケアを習慣化する
定期的に自分をケアすることは、感情を安定させ、レジリエンス(心の回復力)を高めてくれます。自分の気分が良くなるような方法をいくつか持っておくのがおすすめです。例えば、体を動かす、お風呂やサウナに入る、好きな音楽や映画を楽しむ、カラオケに行く、ゆったりとしたお茶の時間を持つ、外食をするなど。自分ひとりでも気分転換ができるものを取り入れましょう。
(2)ネガティブな感情は味わいきる
ネガティブな感情が湧いたときは、対処法を持っておくようにしたいものです。イライラや怒りなどは抑え込まずに、心の声をしっかりと聞いてあげましょう。「そうそう、こんなの怒って当然だよ!」と自分の感情にOKを出して、1人で味わいきることができると、ネガティブな感情は消えていきます。自分の素直な気持ちを紙に書いて、吐き出しきったらビリビリ破るという方法もおすすめです。
(3)自分が何にイライラするのかを知る
感情に飲み込まれずに、自分を客観的に見ることも大切です。イライラした時は、「なぜ今、自分はイライラしているのか?」と問いかけてみることで、その原因に気づいていくことができます。自分がイライラしやすいポイントを知っておくだけでも、気持ちが落ち着きますよ。もし、自分に求めているハードルの高さが原因なのであれば、少し緩めてみるのもいいですね。最初から完璧を目指さず、スモールステップで進めていこうと思ってみてください。相手が自分の思うように動いてくれないことが原因であれば、相手に対する期待を少しずつ手放していくことが、結果的に自分を解放することにつながります。
(4) 良いこと(感謝)ノートをつける
私たちは気持ちが不安定になると、どうしても悪いことの方に目が向きやすくなります。ネガティブなスパイラルに入らないためにも、良いこと(感謝)ノートをつけると、自分に起こっている良いことに目が向きやすくなります。書く内容は、良かったこと、うれしかったこと、感謝したことなど。思いつかない日は、「職場の人が、気持ち良く挨拶してくれた」など、ちょっとしたことでOKです。続けていくうちに、良いことを探すのが上手になってきますよ。「ありがたいな」という気持ちは、日々のイライラやモヤモヤを和らげ、自分の機嫌を整えるのに効果的です。
少しずつ練習して、自分のご機嫌を取っていこう
感情が乱れることで苦しいのは何より自分自身です。なんだかイライラする…と思ったら、まずはセルフケアを日常に取り入れてみませんか? 自分の機嫌を自分で取ることは、難しいと思うかもしれませんが、少しずつ練習をしていく中で身についていくものです。ですので、すぐにできなくても大丈夫。肩の力を抜いて、一つ一つできるようになっていこうと思ってみてくださいね。
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文/高見 綾
心理カウンセラー|“質上げ女子”のお悩み相談。カウンセラー養成コースで豊富な臨床経験を積み、心の世界で学んだことを現実に活かすアプローチに高い評価をいただく。相談数3千超。著書は『ゆずらない力』(すばる舎)。