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あなたの周りには、時に親切だけど、時には邪魔をしてくるような人はいませんか? その人はフレネミーかもしれません。フレネミーは、表面上は友達のふりをしながら、内心では敵意や嫉妬心を持っている人のこと。今回は、フレネミーの特徴とその心理について解説します。フレネミーに振り回されないために、適切な対処法を知っておきましょう。
フレネミーとは?
まず、フレネミーとはどんな人のことを言うのか、確認しましょう。
フレネミーとは、「友達(フレンド)+敵(エネミー)」を組み合わせた「友達のふりをした敵」という意味を持つ造語です。アメリカのドラマをきっかけに広く認知されるようになりました。表面的には友好的な態度を見せながら、内心では敵意や嫉妬心を抱いている人のことを言います。例えば、自分の成功を喜んでくれていたのに、裏で評判を落とすようなことを言うなど、味方になったり敵になったりするため、分かりにくいのが特徴です。
フレネミーの特徴8つ
フレネミーにはどのような特徴があるのでしょうか。あなたの周りに当てはまる人がいないかチェックしてみてくださいね。
(1)親しみやすく良い人
フレネミーは愛想が良く、表面的には良い人に見えるという特徴があります。積極的に話しかけて親切にしてくれたりすることも多いため、周りもフレネミーであることに気づきにくい傾向があります。
(2)陰口を言う
フレネミーは、仲良くしている人に対しても、陰で悪口を言ったり、悪い噂を流したりします。内緒で話した内容が周りに広まっていたり、愚痴に便乗したら、自分が言っていたことになっていたりするので要注意。
(3)褒めるふりをして貶す
フレネミーは、褒めながら、ニュアンスや態度で相手を貶すようなことをするのも特徴です。言葉は優しいものの、何か悪意を感じるときは要注意。分かりにくい嫌がらせをするので、された側はじわじわ辛くなってしまうのです。
(4)仲良しアピールをしたがる
フレネミーは「私たち仲良しだよね」と言って、好意を見せながらぐいぐい距離を縮めてこようとするのも特徴です。出会って間もないのに、仲良しアピールをやたらにしてくる場合は注意した方がいいかもしれません。
(5)自分の幸せのために他人を利用する
フレネミーは自分の幸せのために他人を利用しようとします。相手の成功を利用して自分の評価を上げようとしたり、相手の失敗を利用して自分が優位に立とうとしたりするのです。
(6)噂話が好き
フレネミーは、噂話が好きで、プライベートな情報を聞きたがります。相手の職業やステータス、悩みなどを知って、自分と比較します。そして、自分が優位に立つために、相手の情報を利用しようとします。
(7)自分の話はあまりしない
フレネミーは、人の話は聞きたがりますが、自分の話はしたがらないのも特徴です。自分の情報を知られてしまうと、弱みを握られると考えているのです。
(8)人をコントロールしたがる
「あの人、悪い話をよく聞くから、仲良くしない方がいいよ」と心配しているふりをして相手の友人関係を壊そうとすることも。そうして、自分のそばを離れないようにコントロールしようとするのです。
フレネミーの心理的背景
フレネミーはどのような心理を持っているのでしょうか?主なものを3つ紹介します。
(1)他人の成功や幸せに強い嫉妬心を抱く
フレネミーは、他人の成功や幸せが羨ましくて仕方がないのです。嫉妬心を、自分を高めるために使えればいいのですが、フレネミーは人を陥れる方向に使ってしまうのです。
(2)自己肯定感が低く不安感を抱えている
フレネミーは自己肯定感が低く、不安感を抱えています。劣等感も強いため、自分が優位に立つことで安心しようとします。相手がうまくいきそうだと感じると、足を引っ張って自分の立場を守ろうとするのです。
(3)人をコントロールすることで自己満足を得る
フレネミーは、自分が幸せになるために、人を利用しようとします。独占欲や支配欲が強く、人をコントロールすることで、自分が力を持っていると感じて自己満足するのです。
フレネミーへの対処法
フレネミーとは関係を持たないことが望ましいですが、仕事や学校の関係者などの場合もありますよね。最後に、フレネミーへの対処法をお伝えします。
(1)相手の意図を考える
フレネミーは、いつも敵であるわけではなく、時に応援して味方になってくれたりするので、見分けるのが難しいものです。「この人といるとすごく疲れる」「ちょっと変だな…」と思うことがあれば、冷静に相手の意図を振り返ってみましょう。「でも、良い人だし…」と思うことで冷静な判断ができなくなることもあるので注意したいですね。
(2)プライベートな話はしない
フレネミーには、自分の噂話になるような、プライベートな話はしないことです。特に、自慢と捉えられるような話や、不幸な話も避けた方がいいですね。聞かれたら、笑顔でごまかしたり、「〇〇さんはどうですか?」と相手に話題を振ってみたりするのも良い方法です。
(3)悪口には乗らない
フレネミーの悪口や愚痴に対して、分かる~と乗ってしまうと、悪口の発信元にされてしまうことがあります。話を振られても、「そうなんですね。大変ですね。私は親しくないからよく分からないですけど…」と言って、聞き役に回るといいでしょう。
(4)信頼できる人を増やす
もし悪口を流された場合も、周りに信頼できる人がいれば、「そんな人じゃないよ」と味方になってくれます。日頃から、周りに自分の人となりを知ってもらうこと、そして、困った時に相談できるような信頼できる人を増やしておきましょう。
フレネミーかも?と感じたら、慎重に付き合おう
フレネミーは、良い人の顔をするときもあるので、判断が難しいものです。もし、「変だな。もしかしたらフレネミーかも?」と感じることがあれば、プライベートな話題は避けて、なるべく慎重に付き合うようにしたいものです。自分のエネルギーを消耗しないためにも、少しずつ距離を置いていきましょう。
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文/高見 綾
心理カウンセラー|“質上げ女子”のお悩み相談。カウンセラー養成コースで豊富な臨床経験を積み、心の世界で学んだことを現実に活かすアプローチに高い評価をいただく。相談数3千超。著書は『ゆずらない力』(すばる舎)。