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「ストライキ」と「ボイコット」の違いとは?争議行為の種類、実施の流れ、注意点を解説

2025.01.03

ストライキを検討する際のポイント

最後に、労働条件や職場環境など、なんらかの改善を求めてストライキの実施を検討する際に理解しておきたいポイントをご紹介します。

ストライキは、法律で認められた労働者の権利のひとつです。しかし、適法の範囲内でストライキをおこなうためには、さまざまなポイントをしっかりと理解しておく必要があります。

それでは、ストライキを実施する際の流れや実施する際の条件、検討する際の注意点を確認しておきましょう。

■ストライキを実施する際の流れ

ストライキを実施する際の基本的な流れは、以下のとおりです。

1.労働者を主体とした労働組合を結成する
2.事前に企業に対してしっかりと交渉をおこなう
3.法律や労働協約などをもとに、ストライキの適法性を確認する
4.労働組合内で決議をとり、組合員の過半数の賛成を得る
5.一般的に、企業に対してストライキの事前通告をする
6.ストライキを実施し、労働委員会または都道府県知事に「争議行為発生届」を提出する
7.労働再開を交渉材料として、あらためて企業側と団体交渉をおこなう
8.ストライキを終結する

個人や任意の集団では、ストライキの実施が認められません。そのため、もしも労働組合がない場合、まずは労働組合法の定めにのっとって労働者を主体とした労働組合を結成します。

ストライキは、使用者との団体交渉がうまくいかなかった場合にとれる手段です。いきなりストライキを始めるのではなく、まずは使用者との団体交渉を実施し、主張を認めてもらえるようにしっかりと協議しましょう。

その後、ストライキの適法性を確認しておきます。ストライキの実施を決定するには、労働組合内で組合員の過半数の賛成を得なければなりません。

実施が決まったならば、ストライキを始める前に企業に事前通告をおこないましょう。また、労働組合と企業の双方から、労働委員会または都道府県知事に「争議行為発生届」を提出します。

ストライキの実施後、あらためて企業側と団体交渉をおこないます。ストライキをおこなったあとでの団体交渉では、労働再開を交渉材料として企業側に要求の主張が可能です。

そして、ストライキを終結させるという流れです。ストライキを終結させるタイミングは、基本的には以下の2つがあります。

・ストライキを実施する期限が到来したタイミング
・一部でも労働者の要求が認められ、双方納得して問題の解決に至ったタイミング

また、ストライキを実施する期限を決めておらず、さらに問題の解決にもなかなか至らない場合もあります。この場合にはストライキが長期間に及んで、企業活動だけではなく労働者側の負担も想定より大きくなってしまう可能性があるでしょう。

長期化しすぎてしまいそうなときは、ストライキを一旦終結させてから、また団体交渉をする方法を検討することもおすすめです。

■ストライキを実施するための条件

ストライキを適法に実施するためには、以下の条件を満たす必要があります。

・団体交渉権を有する労働組合が主体となっていること
・組合員の過半数の同意を得たうえでストライキを実施すること
・労働条件の改善や維持を求める目的でおこなうこと
・暴力などを行使せず、正当な手段・態様で実施すること
・労働組合と使用者間での交渉を尽くしたうえで、交渉が難航した場合にのみ実施すること
・使用者と労働組合が締結した労働協約を遵守すること
・法律で定められたストライキ実施時の禁止事項に触れないこと(公務員のストライキの禁止など)

■ストライキ実施を検討する際の注意点

ストライキの実施を検討する際は、以下のような注意点を事前に理解しておきましょう。

・給料は基本的に「ノーワークノーペイの原則」で無給であること
・使用者がロックアウトという対抗手段をとる可能性があること
・ストライキを適法に実施できる条件を満たすこと
・違法なストライキだと判断されると、損害請求や解雇のリスクがあること

ストライキの種類のなかでも、全面ストであれば労働をしていないため、基本的に給料は支払われません。一部ストや部分ストを実施した場合は、ストライキに参加しなかった労働者には休業手当が支給されることが多いようです。

ストライキ・ボイコット・サボタージュを正しく理解しよう

労働者が要求の実現や抗議を目的としておこなう争議行為の種類は、ストライキ・ボイコット・サボタージュなどです。ストライキ・ボイコット・サボタージュは、似ている部分もあるものの、該当する抗議行動の内容や抗議行動をおこなう対象者などが異なります。

また、争議行為には労働者が実施するものだけではなく、使用者側が実施するロックアウトという対抗手段もあります。

ストライキは、労働者の権利として法律で認められている行為です。とはいえ、もしも実施する際は対抗手段をとられないか、また適法に実施できているかといったポイントに注意することが大切です。

ストライキ・ボイコット・サボタージュなどの言葉の意味と、実施の際のポイントなどを正しく理解して、今後の仕事に役立てましょう。

構成/chihaya

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