働き方が多様化し、労務管理やコンプライアンス遵守へのプレッシャーが増大しがちな今の時代。「マネジメント業務」への難易度と負担は高まっている。
こうした中、TONOMEは、企業の管理職300名とメンバー200名を対象に「『創造的なマネジメント業務』への取り組み実態」に関する調査を実施し、その結果を発表した。本調査は、全3回にわたって行われている「マネジメントに対する管理職とメンバーの意識調査」の第2回だ。
(1)管理職が「戦略策定や実行、育成、イノベーション」などの創造的マネジメント業務に充てられている平均時間は業務全体の2割未満
管理職として本来重要であると言われる「メンバーの育成や戦略策定/推進、イノベーション」等の業務にどれくらいの時間を割いているかを調査したところ、業務全体の2割未満であることが明らかになった。業務全体の約6割を占める「プレイング業務」と「メンバーの業務把握」が、管理職の多くの時間を占めていることがうかがえる。
現場に近い次長・課長クラスでは、部長クラスに比べて「プレイング業務」に費やす割合が高く、メンバーの状況把握と創造的マネジメント業務に十分な時間を割けていないことがうかがえる。特に、課長クラスの「戦略策定や実行、育成、業務改善など」に充てられている割合が低く(14.6%)、「プレイング業務(43.7%)」と「メンバーの状況把握(16.8%)」で業務の大半を占めてしまっている実態が見えてきた。
(2)創造的マネジメント業務に時間を割けていない理由は?
「戦略策定や実行、育成、業務改善」などの業務に、十分な時間を割けていないと感じている管理職に対してその理由を聞いたところ、「メンバーの業務や進捗状況の把握に時間がかかるため(37.6%)」「自身のプレイング業務に時間がかかるため(35.5%)」が上位となった。
調査結果(1)では、管理職の業務割合は「プレイング業務」が約4割で最も高く、「メンバーの業務や進捗状況の把握」は約2割となっていた。それにもかかわらず、創造的マネジメント業務に十分な時間を割けていないと感じる理由として、「プレイング業務」よりも「メンバーの業務や進捗状況の把握」が多く挙げられたことは、その「時間的負担」もさることながら「心理的負担」の大きさを物語るものと言える。
第1回の調査でも、管理職の約9割が「メンバーの業務把握が重要だ」と思っている一方で、「メンバーの業務把握が心理的もしくは時間的負担になっている」と感じる管理職は約6割にのぼることがわかっている。