内側からのケアとトータル視点 日本が誇る衣食住からのファンクショナルアプローチ
D:“内側からケア”という考え方は日本ならではなのでしょうか。
鈴木:実は、“From Tokyo”を絶対的な信念に抱えています。日本の美は、「Japan beauty」という意味で「J- beauty」と呼ばれています。先日、アントレプレナー(起業家)として韓国に行ってきたのですが、韓国の美は「K- beauty」と呼ばれていて、日本とは少し違います。
D:どのような点が違うと感じましたか。
鈴木:韓国は医療に特化しているので、20代の女の子がもうヘアケアのサプリを飲んでいるんです。「早くない?」と聞いたら、「母が髪の毛が薄くて悩んでいるから」と。そのお母さまは美容皮膚科で注射して治療してもらっているそうです。美や健康を「ライフスタイルから変える」というよりは、「点で解決する」習慣ですね。トレンドも早い分、商品もどんどん変わっていくので、成分よりもブランドやパッケージ、モデルさんを見ると。
そこで今回、私が「成分を見て選んだら、そのブランドがなくなっても、自分で『この商品がいい』と判断できるよ」と伝えたら、「そういう考え方は知らなかった」と、すごく興味を持ってくれました。
そんな中で、J-beautyはかなりクラシックな形でブランドになっています。私が韓国でFaview の内容をお伝えすると、「日本なら安心だよね」と言ってもらえたんです。「食事も含めて頭皮や髪をケアする」というところが、「禅っぽい」とも言ってもらえました。
日本も医療的なメディカルなアプローチはもちろん強いですが、一方で「トータルで考えていく部分」もある。そこは「クラシカルだけど人間的」と好印象だったので、From TokyoでFaviewをグローバルでも展開しようとしています。
D:その他の国の美容や健康意識で参考にしていることはありますか。
鈴木:東南アジアのアーユルヴェーダの考え方や、中国の中医学の考え方は私も共感しています。「自然的に考えながら徐々に体調の不調を考えていくところ」がいいなと思います。ビューティーのライフスタイルにも少し入っていけたらいいなと。食事の部分は中医学の考え方を取り入れるようにしています。パートナー企業さんも漢方茶や薬膳をされているところもあるので、そういうところでアプローチしたいです。
アメリカでは“ファンクショナル(機能的な)ヘルス”という分野で、かなりサイエンティフィックなアプローチをしています。DNAから肌フローラや頭皮の細菌、ホルモンを検知し、そこに対してのアプローチしていく方法です。DNAは変えられないので、食事やライフスタイルで変えていく。アプローチ方法が薬ではなく衣食住、生活というところが、ファンクショナルヘルスですね。
D:衣食住からのアプローチは、Faviewと通ずるものがありますね。
鈴木:私ももともと学者なので気になっていて、データを取っていきたいです。東南アジア的な禅のアプローチが出てきているので、日本からやる意味がある分野だなと思います。
――頭皮や髪の毛を知ることから、自分自身を知る。女性がより“ウェルビーイングな状態”になれるためのサービスを届けるFaview。記事後編では、パートナー企業との具体的な取り組みを紹介する。
取材・文/コティマム 撮影/黒石あみ