身体や美容の状態が良いと、生活にも張りが出て気持ちも上向きになる。日々、よりウェルビーイングな状態で過ごすためには、自身の身体の状態を知ることが重要になってくる。
2021年に創業した株式会社ViewBEは、オンラインで頭皮と髪のカウンセリングや生活改善アドバイスを行うサービス『Faview』を提供している。女性専用のヘアテックサービスで、利用者は自宅にいながら専門家のカウンセリングにより自身の頭皮や髪の現状を把握できる。さらに、それぞれの状態や悩みに合うケア方法やアイテムなどを提案してもらえる。現在、30代をメインに利用者は700人いるという。
スタートアップ企業ながら、ポーラやファンケルなど大手企業や、夜に食べるチョコレートブランド「Night Cacao by KOKODii」を提供するColor Your Lifeなどとパートナー提携。利用者がより良い状態になれるためのアイテムや食品を揃えている。またパートナー企業側のプラットフォームでも、企業のユーザー向けに「美しく健康に生きるため」の“髪の毛からの企画”を考案している。
といってもFaviewは、パートナー企業の「特定の商品」を勧めるのではなく、利用者の「ライフスタイルを変えるための提案」に重きを置いている。利用者自身が必要な成分や生活習慣を知ることで、「髪や頭皮に良いものを自身で選べるように知識をつけてもらうこと」を目的としているのが特徴だ。
記事後編では、ViewBEの代表を務め毛髪診断士の資格も持つ鈴木葉留奈さんに、パートナー企業との取り組みについて話を伺った。
前編はこちら
ユーザーのウェルビーイングを実現しながらパートナー企業の課題も解決
DIME WELLBEING(以下・D):提携しているパートナー企業はどれくらいありますか。
鈴木葉留奈さん(以下・鈴木):ポーラさん、ファンケルさん、夜に食べるチョコレートブランド「Night Cacao by KOKODii」を提供するColor Your Lifeさんなど、化粧品や食品会社など10社ほどと提携しています。お客さまの頭皮状態に応じて、成分や栄養素などの日常で出来るケアアドバイスをお送りし、パートナー企業のもので適切なものがあれば提案しています。
D:ケアアイテムだけでなく、食品もあるのですね。
鈴木:ヘアケアに対する“食”という切り口があまりないので、Faviewでは食事からのケアも提案しています。例えば「Night Cacao by KOKODii」さんの場合は、お肌と同じで頭皮も酸化するので、抗酸化作用があるチョコレートで夜にケアしてほしいなと思って提携しました。
今は、サンプルをいただいている企業さんからは利用者さんにサンプルとクーポンコードをご提供しています。今後はオンラインでそのまま購入できるサイトも作っていけたらと思っています。
D:さまざまな企業と提携されていますが、企業側からはどんな反応がありましたか。
鈴木:提携企業さんからは、「髪の毛を切り口にしているので、取り扱えるジャンルが幅広い」と言っていただくことが多いです。例えばフェイスケアは美容医療方面にいきがちですが、髪の毛は「自分で何かをする」というホームケアがメインになってきます。「ホームケアにアプローチできるところ」が企業さんにとってもありがたいと思っていただけているようです。
また企業さんも、「この商品だからこそ売ってほしい」というよりは、「この課題がある人にちゃんと届けたい」という思いを持たれています。消費者の「何を使っていいか分からない」というシーンと、パートナー企業さんの「届けたい人に届けられない」というところに、Faviewが診断して「あなたはこうですよ」と導いてあげることが、橋渡しになるかなと思います。
D:パートナー企業と消費者の思いがマッチしているのですね。
鈴木:そうですね。それから、「ヘアケア=シャンプー」という風に思われがちなところを、「食」もあえて最初から入れていることで、「トータルビューティー」としてお話しできるのもすごくいいなと思っています。
化粧品会社さんも食品会社さんも、ウェルビーイングを商品開発の段階から意識されているところが多いです。彼らの言うウェルビーイングというのは、「消費者の生活をしなやかに、生きやすくする」というものです。今までの、「美白になりたい! シミを消したい!」というような「マイナスを0にする」というよりは、「ゆるやかに、マイナスを0.01くらいのプラスにもっていく」というのを考えていらっしゃる企業さんも多いです。そのため、アイテムだけでなく食も含めて「トータルでご提案する機関」というところが、パートナー企業さんにも受け入れられているのかなと思います。
D:ポーラさんの「mamaniere(ママニエール)」と23年9月に提携されています。
鈴木:「mamaniere」はママ向けのプラットフォームで、「自分らしく産後の生活を楽しめるように」をビジョンに掲げたサービスです。
D:赤ちゃんだけでなく、産後のママをいたわる“産後ケアアプリ”ですね。「べビーテック(R)アワード2023」の「妊活と妊娠部門」で大賞を受賞しています。
D:「mamaniere」のユーザーさんはママ。「mamaniere」は「ママの悩み」をいろんな方向から解決するサービスで、その中のひとつの「髪の毛の悩み相談」を受けるのがFaviewです。対象としている相手(ママか髪の毛に悩む女性か)は似ているけれど違う中で、「女性」の中の「お母さん」と「髪の毛に悩むお母さん」とがマッチしています。
提携してもうすぐ1年なのですが、その少し前に、別のママコミュニティさんから「イベントに登壇してください」とお誘いを受け、参加しました。その時に、主催者さんがFaviewのサービスを「これは面白い!」と言ってくださって、ポーラさんの「mamaniere」について教えていただいたのがきっかけで提携することになりました。
D:「mamaniere」からのFaview利用者は多いですか。
鈴木:結構いらっしゃいます。「子どもがまだ3歳で~」とか、「美容室にすら行けない」といったママさんも多く、「オンラインで何かしゃべることもできない」という方もいます。そういう時に、「チャットで写真を撮って送るだけで終わるので楽だ」と言っていただいています。