評価面談や就職面接で自分をアピールする際、単なる情報(インフォメーション)ではなく、自分ならではの洞察(インサイト)と、そこから得た知見(インテリジェンス)を伝えることが重要です。企業側や評価者が求めているのは、まさにそういった「Connecting Dots(点と点をつなげること)」だということを覚えておきましょう。
特に最近では、AI技術の発展により、定型的な情報収集や資料作成は機械に任せることができるようになってきました。そのため、自分の魅力を伝えようとした場合、まるでAIが生成した回答のように、うまくいった経験を単に並べて話すだけでは不十分です。状況に合わせて臨機応変に対応できる力や、未知の経験の中で自分なりの解決策を見いだす力が求められており、そのことをアピールしなければなりません。
「逆境と挫折」の経験はむしろプラスに作用する
評価面談や面接で自らの洞察や知見を伝えるためには「逆境と挫折」の経験を積極的に語ることをおすすめします。
現在、皆さんも様々な逆境や挫折に直面しているかもしれません。でもそれは、自分が輝くための材料だと捉えてください。逆境や挫折は誰もが直面し、今後もなくなることはありません。大切なのは、そうした困難をあなたがどう乗り越えられるのかということです。
面接官に自分の強みを印象づけるためには「逆境からどう立ち直ったのか」「挫折からどう這い上がったのか」を具体的に語るようにして、未知の状況にも適応できる柔軟性をアピールしましょう。
「モチベーションの低い後輩をどう導いたのか」「誰も経験したことのない新サービスをどのように販売につなげたのか」「リーダーとしての初仕事でどんな苦労があったのか」といった話でもいいでしょう。そのような「逆境」への取り組みこそが、あなたの真の力を物語るものであり、企業側や評価者から求められていることなのです。
逆境を乗り越える力が、これからの時代を生き抜く鍵
変化の激しい時代だからこそ「逆境を乗り越える力」がこれまで以上に求められています。その力を培ってきた人は、これからの時代を生き抜くうえで大きなアドバンテージを持っているのです。
ある大学の調査では、就職活動で「逆境からの学び」を強調した学生の内定率が、そうでない学生に比べて30%以上高かったそうです。採用担当者は、単なる成功体験よりも、困難を乗り越えた経験から得た教訓を重視する傾向にある証拠といえるでしょう。
また、ハーバード・ビジネス・スクールの研究によれば、失敗の経験が豊富なCEOほど、その後の業績が良いことが明らかになっています。失敗から学ぶ姿勢こそが、真のリーダーを育むのです。
学生時代の経験も、立派な「逆境と挫折」
皆さんもきっと、学生時代に部活動などで様々な逆境を経験したはずです。「モチベーションの低いメンバーをどう巻き込んだのか」「苦手な相手とどう向き合ったのか」といった経験をぜひ面接で語り、自分をアピールしてください。
例えば「部活ではモチベーションの低い人が多く、なかなか成果を出せなかった。でも、まずは可能性の高い2割の人に働きかけ、そこから3割、4割と輪を広げていった。気づいたら8割の人がやる気を取り戻していた」といった話は説得力が抜群です。学生であろうが社会人だろうが、多種多様な人がいる組織において、いい方向へとチームを導くリーダーシップは十分通用します。
胸を張って「逆境と挫折」の経験を語りましょう。それがきっと、あなたの人生をより意味あるものにしてくれるはずです。