NVIDIA爆騰のわけ【1】ChatGPT公開によるAI半導体の需要爆増
半導体メーカーの過去23年の業績
ChatGPT登場前(2022年)は、ゲーム用のGPUが主力商品であった。半導体メーカーとしてのNVIDIAの規模は世界第10位というポジション。「品不足も多分に影響していますが、今ではAI半導体の市場を独占し、2023年にはTSMCに次ぐNo.2メーカーに成長。今年はTSMCを抜く可能性もあります」(湯之上さん)。
NVIDIAのAI半導体の売上高は2023年4月から急上昇!
もともとはゲーミング用のGPUが主力商品だったもののChatGPTが普及し始めた2024年3月を境にNVIDIAのAI半導体の売り上げが急増。株価もそれに連動して上昇した。「今後4500年間配当を出し続けなければ、この株価は正当化できないという説もあるほどの勢いです」(湯之上さん)。
NVIDIA爆騰のわけ【2】独自開発のプラットフォームによる優位性
■ 画像処理用の「GPU」を科学計算用に転換したのが始まりだった
グラフィック処理用のGPUを科学計算に使ってみようという高難易度のテクニック「GPGPU」が20年程前に登場。それに目を付けたNVIDIAが簡単に「GPGPU」を使えるように開発した。
Microsoft、Walmart、Dell、Lenovoなど大手企業が採用
CUDA(Compute Unified Device Architecture)とは、コンピューターのグラフィックスプロセッサー(GPU)を利用して汎用の並列計算を行なうためのソフトウェア開発・実行環境のひとつ。米NVIDIA社が自社製GPU向けに開発・提供している。
NVIDIA爆騰のわけ【3】AI半導体にライバル不在で完全独走状態
対抗するのは顧客である米クラウドメーカー
上記の図における「Others」はグーグルやアマゾンなど、AI半導体を発注する側の企業たちだ。今後のNVIDIAの真のライバルは、AMDやインテルではなく、GAFAMらビッグテックとなる。
AI半導体の特異性
「CoWoS」パッケージの構造図。シリコンインターポーザー上にGPUやHBM(※1)を高密度で配置している。TSMCがNVIDIAのGPUのために開発した構造で、AI半導体を作れるのが彼らだけなのはこれが理由だ。
※1 HBM:High Bandwidth Memory(高帯域幅メモリ)の略称。特に高速なデータ転送を必要とするアプリケーションのために設計された、半導体メモリー。通常のメモリーよりも多くのデータを、より速く処理できるのが特徴だ。
取材・文/安藤政弘 イラスト/山本さわ
※図表に関しては2024年4月17日に開催された「半導体関連企業の羅針盤シリーズ」で湯之上氏が作成したものを編集部にて再構成。
※掲載している情報は4月25日時点のものです。
時価総額世界2位に躍進したNVIDIAの次に来るのは?DIME最新号では国内外の優良企業や超成長企業を大特集!
DIME最新号は「次のNVIDIAを探せ!」をキーワードに次世代の急成長企業について徹底取材! 各業界を知り尽くした業界紙編集長、専門ジャーナリスト、シンクタンク研究員などへの取材を元に国内外の知られざる優良企業や今後成長が期待できる注目企業をピックアップしました。
目先の株価に振り回されるのではなく、長い目でみた今後の成長分野・企業を読み解き、2030年に向けた投資トレンドを総括した超保存版です!
ぜひ書店で手に取ってご覧ください。