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株価の爆騰は必然だった!NVIDIAが急成長をはたした「3つの理由」

2024.06.11

2024年4月時点でのNVIDIA株の最高値は950.2USD(2024年3月25日)で、そのちょうど10年前(2014年3月25日)は4.61USD。この10年で約206倍という驚異的な成長を遂げた。この理由を半導体の専門家が解き明かす。

湯之上 隆さん半導体コンサルタント/ジャーナリスト
湯之上 隆さん
1961年生まれ。京都大学大学院を修了後、日立製作所に入社。16年間、半導体の微細加工技術開発に携わる。微細加工研究所所長。

NVIDIAの株価高騰の正体はAI半導体不足にある

 NVIDIAは、数年前までゲーマー御用達の高性能なGPUブランドにすぎなかった。ところが、この2年で半導体メーカーとして脚光を浴び、今では世界経済に影響力を及ぼす巨大メーカーへと成長した。半導体ジャーナリストの湯之上隆さんは、躍進の背景に3つの理由があると分析する。

NVIDIA株を引き上げた最大の要因は生成AIの普及による半導体の需要増と品不足です。NVIDIAのAI GPUは世界最大の専業半導体ファンドリー『TSMC』が、前工程と後工程をともに行なっていますが、この間にある〝中工程〟のプロセスのキャパシティーが圧倒的に不足しています。そのため、増え続ける需要に供給が間に合わず、最新のAI GPU『H100』は奪い合いとなり、1個4万ドル(約600万円)というあり得ない価格にまで高騰しました。これが、歴史的な株高につながりました。世界の半導体の出荷額もNVIDIAの快進撃にけん引され、過去最高を更新しようとしています

 2つ目の理由も、生成AIの爆発的な普及と密接な関係にある。

「生成AIの仕組みの中で、AI半導体には〝学習と推論〟の2つの役割があります。ウェブ上にあげたテキストや画像のビッグデータは、データセンターのサーバーにストレージされ、ここでAI半導体が学習。学んだ情報をもとに、チャットボットの質問に対し、AI半導体が推論し回答を出す。この分野でNVIDIAは80%ものシェアを握っています

 ではなぜひとり勝ちの状況が生まれたのだろうか。

NVIDIAが開発した『CUDA』というプラットフォームを整備したことで、誰もが直感的なプログラミングを使えるようにしたことが大きい。そもそもGPUは、グラフィックス生成用に作られた超並列演算マシンでした。20年ほど前に一部の研究者の間で『これ、科学計算の並列演算に使えるんじゃない?』新たなテクニック(GPGPU)が生まれ、この演算性能のポテンシャルに気づいたNVIDIAは『CUDA』というライブラリーを整備することで、多くのシェアを獲得しました。しかし、ここでも品不足の問題はあります。台湾の調査会社トレンドフォースのデータによると、サーバー全体の中で、AIサーバーの占める割合は2023年で9%、26年でも16%にすぎません。生成AIが大ブレークしているのに、NVIDIAがもっと作りたいと思っても、2年先も16%しか作れないわけです」

 NVIDIAが作れないのであれば、ライバルがのしあがる絶好のチャンスとなるはずだが、彼らに脅威となるライバルはいない。これがNVIDIA独走の3つ目の理由だ。

「ライバルと呼べるのはAMD・ザイリンクス連合とインテルぐらいですが、市場を独占する『H100』の性能にまだまだ太刀打ちできません。AMDはNVIDIAを目標に開発を進め、性能で『H100』に勝るともいわれる『MI300X』の発売を予定しているものの、供給量はごくわずか。私はこの2社より、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなどがNVIDIAの対抗になると読んでいます。この3社はNVIDIAのAI半導体の供給の少なさに怒り、独自に専用のAI半導体も設計しています。しかし、3社ともに製造はTSMC。生産のスピードは当然のごとく遅く、品不足を解消するまでに至っていません。当面はNVIDIAの独走を阻むことは難しいのが実情です」

 ただし、NVIDIAに引っ張られ、半導体業界全体の業績が底上げされるという希望的観測には警戒が必要だと、湯之上さんは釘を刺す。

AI半導体によって、半導体の出荷総額は増えましたが、出荷個数は依然低迷期にあり、TSMCですら売上高は減少しています。市況全体が回復したと思っているとすれば、それは錯覚です。これは肝に銘じていただきたいですね」

NVIDIA生成AIの半導体NVIDIA生成AIの半導体は、ストレージにアップされたデータで学習し、利用者からの質問に対して推論し回答できるのが強み。

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