賃上げを行えない理由TOPは「業績低迷」(36.6%)
中小企業においても賃上げの促進がされてきているが、実際の賃上げ率は低い上、賃上げ予定がない企業は38.7%と3割以上もいるという結果となった。
賃上げを行わない理由として、「業績低迷」(36.6%)、「景気低迷」(26.8%)、「雇用維持の優先」(26.0%)がTOP3に。中小企業では業績改善ができておらず、賃上げにつながっていない可能性が考えられる。
賃上げ予定のある企業においても割合は多いものの、賃上げ率の低さからも、業績拡大を伴わない形の賃上げが多いよう。
業績拡大に伴うものではなく、人材確保・定着のための「防衛的な賃上げ」が多くなっていることが推察される。持続的な賃上げ実施に向けて生産性を向上させることが必要になっているようだ。
■フォーバル GDXリサーチ研究所所長 平良 学氏のコメント
昨今ニュース、報道などで騒がれている賃上げの中小企業における実態を調査しました。
今回調査した中小企業経営者の半数以上が賃上げを実施し、今後の賃上げ実施予定も6割を超える現状で、中小企業においても賃上げの実施は確実に行われています。
一報で、賃上げ率については、日本労働組合総連合会が出している平均賃上げ率5.25%からは低い状況でした。
物価高が収束しないといった世の中の流れを考慮し、業績拡大は伴わないが賃上げを実施する、防衛的な賃上げを行うケースも多々あるのでは、と推察されます。
業績が伸び悩んでいるにもかかわらず、無理に賃上げを行う事は、健全な企業経営とは言えません。
まずは売上・利益を向上させる、経費を削減するなどの取り組みにより経営状況を健全な状態にし、賃上げの原資を確保することが先決です。
また、デジタル技術やデータの活用により更に生産性を向上させる、環境配慮サービスの活用、脱炭素経営の実施により経営に付加価値をつける、といったGDXへの取り組みを行うことによりマーケットから選ばれる可能性が高まります。
賃上げ率の上昇や継続的な賃上げの実施のために、世の中から選ばれる企業となるために、1社でも多くの中小企業経営者がGDXへの促進を進めることを期待します。
調査概要
調査主体 :フォーバル GDXリサーチ研究所
調査期間 :2023年12月11日~2024年2月8日
調査対象者:全国の中小企業経営者
調査方法 :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
有効回答数 :973
※フォーバル GDXリサーチ研究所調べ
関連情報
https://gdx-research.com/
構成/Ara