わずか1年半で収穫も!注目のシステムを採用したブルーベリー観光農園が話題に
最新システムを使って農業界へ新規参入し、成功を果たした例がある。茨城県つくば市にあるブルーベリー観光農園『アオニサイファーム』だ。
この投稿をInstagramで見る
<@aonisaifarm_blueberryさんのインスタグラム投稿より>
広告デザイナーだったオーナーが新規でブルーベリー観光農園を立ち上げ、わずか2年でプレオープン。味はもちろんブランディングにもこだわり、SNSを活用したプロモーションなどを積極的に行った結果、3年目のグランドオープンには県内外から多くの観光客が訪れる人気スポットになった。
この投稿をInstagramで見る
<@aonisaifarm_blueberryさんのインスタグラム投稿より>
ブルーベリーの摘み取り体験ができる農園の他に、オリジナルメニューが味わえるカフェやドッグランなどの施設も運営しており、ブルーベリーのオフシーズンでも気軽に足を運ぶことができる。小さな子供連れでも楽しめるスポットとして親しまれているという。
この投稿をInstagramで見る
<@aonisaifarm_blueberryさんのインスタグラム投稿より>
そのアオニサイファームで導入しているのが、人工培地養液栽培システム「ブルーベリーバッグカルチャーシステム」だ。アオニサイファームでは、ブルーベリーバッグカルチャーシステムを使って現在23品種・約900本のブルーベリーを栽培している。
【ブルーベリーバッグカルチャーシステムとは?】
世界初のブルーベリー養液栽培システムで、独自の人工培地を使ったポット栽培が特徴。水や肥料は全自動で管理されるため失敗や手間が少ない。優良品種・特殊培地・肥料設計・専用混入機を組み合わせることで、品質の良いブルーベリーの早期収穫・設備資金の短期回収を叶える。
スマート農業の実態についてアオニサイファームの代表・青木さんにお話を伺ってみた
ここからは、スマート農業のメリットや課題についてアオニサイファームの代表・青木さんに伺ったお話を紹介する。
この投稿をInstagramで見る
<@aonisaifarm_blueberryさんのインスタグラム投稿より>
【アオニサイファーム ブルーベリー観光農園】
茨城県つくば市上郷にある観光農園。6月~8月のシーズンにはブルーベリーの摘み取り体験や食べ比べを楽しむことができる。併設のカフェではオリジナルメニューの「ブルーベリーピザ」が人気。
※ブルーベリー摘み取り体験の受付状況やカフェの営業状況は変動することがあります。詳細は公式WebサイトまたはSNSなどでご確認ください
――農家未経験から「ブルーベリーバッグカルチャーシステム」を採用して農園を立ち上げた背景を教えてください。
もともと東京で広告デザインの仕事をしていた私が、芝農家の祖父を持つ妻と出会ったことをきっかけに、茨城県つくば市や農業と関わるようになりました。
「クリエイティブ × 農業」の新しいカタチを模索していたところ、私の地元である京都でブルーベリー観光農園の立ち上げで広報やブランディングをしてほしいという依頼があり、ブルーベリーと出会いました。
「ブルーベリーバッグカルチャーシステム」はポット栽培なので、硬い芝の上で行うのは最適ということもあり、導入を決めました。
――IT技術によって農作業をスマート化する1番のメリットはどのようなことだと思いますか?
「ブルーベリーバッグカルチャーシステム」は、システムで管理することにより自動で灌水(※水をあたえること)するので、その分他の時間に体が使えるのがメリットです。
私の場合は空いた時間を広報やブランディングに使っています。
――スマート農業で難しいと感じる部分や、課題に思うことはありますか?
システム栽培に頼りすぎていると、災害などが起きたときにインフラ障害によりシステムが作動しなくなり、栽培に影響がでてしまうことです。また、どうしても初期投資に費用がかかるため、回収に時間がかかるのも課題です。
スマート農業は高齢化社会の救世主になるか?
国を挙げて普及が推進されている農業のスマート化。システム化によるメリットが多い一方で、様々な事情で導入に踏み切れない既存農家も少なくないのが現状だ。
少子高齢化が深刻な日本で、スマート農業は働き手不足や食料自給率低下を解消する救世主になるのか、今後の動向にも注目したい。
取材協力・画像提供/アオニサイファーム ブルーベリー観光農園
Web
Instagram
X
Facebook
LINE
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.