会社や上司からの管理過剰感が高いと、適応感や主体性は低く、疲弊感や離職意向は高い(図表7)
・会社管理過剰感と上司管理過剰感の高群(4点以上)・中群(3点以上4点未満)・低群(3点未満)別の個人の状態について確認した。
・いずれの管理過剰感も、高群は低群に比べて適応感が低く、高群だと疲弊感も高い。
・低群は「自律的・主体的に仕事をしている」傾向があり、高群ほど「現在勤めている会社には、あまり長く勤めていたくない」と答えている。
⇒今回の結果だけで因果を特定できるものではないが、会社や上司からの管理を過剰だと感じることが、本人の適応感や主体性の低下、疲弊感や離職意向の上昇に影響する可能性を示す結果となった。
調査担当のコメント:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所 主任研究員 藤村 直子氏
弊社機関誌 RMS Message vol.74(2024年5月発行)では「オーバーマネジメント-管理しすぎを考える」というテーマで特集を組み、実態を探るための調査を実施しました。
会社や上司による管理は、組織としての効率性やリスク回避の観点から必要なことです。従業員の成果創出や安全配慮義務の履行を目的とした管理もあります。ただし、その管理が行きすぎると、従業員としては息苦しい、わずらわしいと思うこともあるかもしれません。どのような管理がどれくらい行われると過剰だと感じるかは、個人の感じ方や置かれた状況によっても異なるでしょう。
そこで本調査では、会社や上司からの管理をどの程度過剰だと感じているかという「管理過剰感」の把握を試み、その要因や影響を検討しました。
実際に、会社や上司からの管理が過剰なのか、適正なのかを判断するのは難しいことですが、従業員が管理を過剰だと感じていることは、心的コンディションや主体性にネガティブな影響を及ぼす可能性が示されました。会社や上司は、必要な管理だから仕方ないということではなく、意図や背景を明確に伝え、従業員が管理をどう受け止めているかに意識を向けることが、適正な管理の在り方を模索する上でのポイントとなるでしょう。
<調査概要>
構成/こじへい







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