剛健質実の反対表現
剛健質実の反対表現には、「不甲斐ない」「華美柔弱」「巧言令色」などが挙げられます。それぞれの意味や例文を解説します。
■不甲斐ない
不甲斐ないは「ふがいない」と読み、情けないほどに意気地がないことやだらしがないことを意味する言葉です。自分に対しても他人に対しても用いられるネガティブな表現であり、心身が強くたくましいことを指す剛健質実とは、対極の意味であるといえるでしょう。
【例文】
・彼女は自分の不甲斐ない結果に落胆した
・私が不甲斐ないばかりにご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません
参考:デジタル大辞泉
■華美柔弱(かびにゅうじゃく)
華美柔弱の読み方は「かびにゅうじゃく」で、華やかではあるが、気力などが乏しい様子を表します。華やかで美しいことや、華やかすぎて分不相応なことを意味する「華美」と、気力や体力が弱々しいことを表す「柔弱」の組み合わせからなる言葉です。
【例文】
・彼の華美柔弱な詩は、人々の心を捉えた
・彼女の作風は華美柔弱で繊細だ
■巧言令色(こうげんれいしょく)
巧言令色は、思ってもいないお世辞や言葉で取り繕い、相手にこびへつらうことのたとえです。飾り気がなく真面目であることを意味する剛健質実の、反対の意味を持つ言葉といえます。
【例文】
・彼女は、彼の巧言令色な言葉にまんまと騙された
・彼は巧言令色な態度で、真実を隠した
参考:デジタル大辞泉
剛健質実の意味を理解して使いこなそう
剛健質実は、たくましく飾り気のないことを表す言葉です。人に対する褒め言葉や座右の銘、車や時計を表現する言葉などで用いられるため、比較的耳にすることの多い言葉の1つといえるでしょう。
なお、「自分は剛健質実なところがある」というように自分に対して使うと、自画自賛しているように受け取られてしまうため、注意が必要です。剛健質実の意味を理解して、正しく使えるようにしましょう。
構成/橘 真咲