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座右の銘やスピーチなどで聞くことのある「剛健質実」という言葉の意味や使い方が、よくわからないという方もいるのではないでしょうか?
剛健質実は、人に対する誉め言葉や車などを表現する言葉としても使われます。今回は、質実剛健の意味や使い方、類似表現などを解説します。
剛健質実の読み方と意味
剛健質実は、座右の銘やスピーチに用いられることの多い言葉です。ここでは、読み方や意味を解説します。
■読み方は「ごうけんしつじつ」
剛健質実の読み方は、「ごうけんしつじつ」です。とくに難しい漢字は含まれないため、それぞれの漢字を素直に読めば、正しく読めるでしょう。
なお、「剛健」と「質実」の順番を逆にした、質実剛健という言葉も日常的に使われる言葉です。質実剛健は、「しつじつごうけん」と読みます。
■意味は「たくましく飾り気のないこと」
剛健質実は、たくましく飾り気のないことやそのさまを表現する際に使われる言葉です。剛健質実の「剛健」には、心身が強くたくましいという意味があります。また「質実」は飾り気がなく真面目なことを意味します。
この2つの言葉の組み合わせである剛健質実は、基本的には前向きな意味合いで使われることがほとんどであり、ビジネスシーンにもたびたび登場する言葉といえるでしょう。
参考:デジタル大辞泉
剛健質実の使い方と例文
剛健質実は、比較的よく使われる四字熟語の1つであるため、使い方を正しくマスターしましょう。主に、以下の3つに用いられることが多いでしょう。
・人に対する誉め言葉
・座右の銘やスピーチ
・車や時計を表現する言葉
それぞれの使い方について、解説します。
■人に対する誉め言葉
剛健質実は、人に対する褒め言葉として用いられることが多いといえるでしょう。あくまでも「他人」に対して用いる点がポイントです。「自分の長所は、剛健質実なところです」といったように、自分に対して使うと違和感を与えてしまいます。
【例文】
・上司は剛健質実な人物であり、多くの部下から慕われている
・彼女の剛健質実な考え方には、いつも感心させられる
なお、剛健質実は性別にかかわりなく、真面目であることや物怖じしないことなどに対して使います。
■座右の銘やスピーチ
座右の銘やスピーチで、剛健質実という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。
座右の銘とは、日頃から心に留めて置き、自分を励ましたり戒めたりするための言葉です。ただし、あくまでも目標として使うことがポイントであり、現在の自分を表現するために使わないようにしましょう。そのほか、学校の校訓に用いられたり、雰囲気を伝える際に使ったりすることもあります。
【例文】
・私の信条は、剛健質実です
・その学校で学べば、剛健質実な精神が育まれるとされている
■車や時計を表現する言葉
剛健質実は、車や時計を表現する言葉としても用いられます。丈夫で耐久性に優れていることや、シンプルであることを表現する際に使われる傾向にあるでしょう。
メンテナンスが容易な、燃費のよい車のたとえとして用いられることもあります。
【例文】
・この車は剛健質実な作りで、根強く支持されています
・A社の一番人気の時計は、剛健質実と称されている
剛健質実の類似表現
剛健質実の類似表現として挙げられるのは、「剛毅木訥」「剛健質朴 」「聡明剛毅 」「不撓不屈」「簡古素朴」です。それぞれの意味や例文をご紹介します。
■剛毅木訥 (ごうきぼくとつ)
剛毅木訥は「ごうきぼくとつ」と読み、強い意志を持ち、無口で飾り気がないことを表す言葉です。論語の「剛毅木訥仁に近し」という言葉は、剛毅木訥な人は、道徳の理想である「仁」に近いという意味です。
【例文】
・同期は剛毅木訥な性格で、困難があっても決して諦めない
・彼は剛毅木訥な人柄により、上司からの信頼が厚い
参考:デジタル大辞泉
■剛健質朴 (ごうけんしつぼく)
剛健質朴の読み方は「ごうけんしつぼく」で、飾り気がなく強く頼もしいことを意味します。「質朴」は、素直で律儀なことやそのさまを表す言葉です。
強くたくましいことは剛健質実と同じであり、さらに真面目さを強調したいときは剛健質実、素直さを表したいときには剛健質朴を使うとよいでしょう。
【例文】
・採用したいのは、剛健質朴な人物だ
・その選手は、剛健質朴なプレースタイルを貫いている
■聡明剛毅 (そうめいごうき)
聡明剛毅は「そうめいごうき」と読み、道理に通じ、心が強く屈しないことを意味します。剛健質実の類似表現の中では、より精神的な強さにフォーカスした言葉といえるでしょう。
【例文】
・彼の聡明剛毅な行動に、チームメンバーが大きな影響を受けている
・彼女の聡明剛毅な考え方に、これまで何度も助けられてきた
■不撓不屈(ふとうふくつ)
不撓不屈は、強い意志のもと苦労や困難に立ち向かうことやそのさまを表す言葉で、読み方は「ふとうふくつ」です。困難や逆境に立ち向かう強い意志を強調したいときに使われます。
【例文】
・彼女の不撓不屈の努力が、成功を勝ち取った
・彼は不撓不屈の精神で格上の相手との試合に臨んだ
参考:デジタル大辞泉
■簡古素朴(かんこそぼく)
簡古素朴は「かんこそぼく」と読み、余計な装飾などがない昔ながらの、手を加えられていない様子を表した言葉です。「簡古」は簡素で古色を帯びていること、「素朴」は自然のままの手が加えられていないことを意味します。
【例文】
・彼女の簡古素朴な生活スタイルに憧れる人は多い
・そのレストランは、簡古素朴な内装が落ち着くと評判だ
参考:デジタル大辞泉