【ヒット商品開発秘話】累計出荷数80万個を突破!シワもシミもケアできるコーセー「リンクルケア ホワイト モイストジェルクリーム」
2024.05.12高かった小売店の期待
医薬部外品として承認され、発売も2022年7月に決まった。しかし、発売は延期されることになった。新型コロナウイルスの感染拡大により中国・上海で2022年3月から5月にかけてロックダウンが実施されたことから、必要な資材が日本に届かなくなったためだ。
小売店にはすでに、発売することを案内済み。延期になる旨を説明して回らなければならなくなった。
発売延期に対する小売店の反応は、「それでもしっかり売りたい」。当時、営業として小売店への対応に追われ、現在『グレイスワン』のブランド担当を務めるブランド事業部企画二課の由田(よしだ)亮太さんは、次のように明かす。
「『グレイスワン』ブランドで一番ヒットしている『リンクルケア』にシミ予防がプラスされた商品ですので、小売店の期待度は高かったです。発売が延期になっても好意的な反応だったので、自信を持って売っていくことができました」
プロモーション棚の一番上に置いてもらえる商品に
販促は、SNSを使った情報発進とテレビCMの放映による認知拡大を両輪とした。
エイジングケア商品を主に購入する50代、60代はテレビや雑誌から情報を得ている印象があるが、由田さんによれば、『リンクルケア』や『リンクルケア ホワイト』のユーザーは若年層のように、SNSで情報をしっかり集めてから購入する傾向があるという。口コミ形成にはInstagramなどを活用した。
いっぽう、店頭では専用の什器など販促物もきちんと用意したほか、2か所の棚に置いてもらう働きかけもした。2か所とは、定番品を置く棚と新商品などを並べるプロモーション棚。由田さんは次のように話す。
「プロモーション棚を取るのは激戦なのですが、『リンクルケア』が好評なことから営業では優先して取り組むことにしました。会社の意思としてプロモーション棚の一番上に置いてもらうことを目指し、テレビCMを流す時期やSNSで情報発信を行なうタイミングと連動してお客様が店頭で目にする機会をつくることにしました」