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帝国ホテル料理長とポーラ社長が語る個人の「will」を引き出すウェルビーイングな組織づくり

2024.05.09

2018年からの働き方改革やコロナ禍を経て、働き方や労働環境は変化・進化を遂げている。1日のうちで費やす時間が長い職場だからこそ、働きやすさや成長できる環境かどうかは、“ウェルビーイング”な生き方に影響する。

東京・千代田区の帝国ホテルでは、第14代東京料理長の杉本雄氏が「料理人の働き方や職場の労働環境を改善するため」の指揮をとっている。4月16日に同所で開催された『食のサステナビリティフォーラム2024~“今”の時代の料理人を作る~』では、杉本料理長が人材・組織の育成についてプレゼンし、株式会社ポーラの代表取締役社長・及川美紀氏をゲストに招き、トークセッションを行った。

前編はこちら

(帝国ホテル・第14代東京料理長の杉本雄氏)

杉本料理長は、ライフステージやプライベートとのバランスによって継続が難しいシェフや調理スタッフの意見を『ラウンドテーブル』という形でヒアリング。丸いテーブルを囲んで帝国ホテルの料理を味わいながら、料理長や支配人、調理スタッフが立場や役職を超えて会話し、問題点や課題を吸い上げていく。

同フォーラムのトークセッションでは、杉本料理長が及川氏にポーラの組織改革や人材育成について話を聞いた。

(株式会社ポーラの代表取締役社長・及川美紀氏)

自分勝手な思いではなく、社会・企業活動の個人の“will”を引き出すことが大切

及川氏は1991年に株式会社ポーラ化粧品本舗(現・株式会社ポーラ)に入社。営業推進業務に携わり、2009年に商品企画部長、12年執行役員、14年に取締役に就任。教育、マーケティング、商品企画、営業など化粧品事業に必要なすべてを経験し、20年1月にポーラ初の女性社長に就任した。

そんな及川氏は、「どこの企業も悩むことは同じで、主語を帝国ホテルさんからポーラに置き換えても同じことが言える。『人材育成のその先の社会の課題をいかに解決するか』をつなげて考えたいことは、共感するばかりです」と語る。「料理も化粧品も、ポジティブな感情を引き出すもの。そういう感情は、『誰かのために』という思いが強すぎて、時には自分を疲弊させてしまい、目的意識が強く『~せねばならない』に陥る。そこを少し広げて考えて、『本当は何をしたかったのか』をテーマにしていくことが大事」と、問題点を語った。

杉本料理長は帝国ホテルの課題として、「『帝国ホテルの食はこうだ』というものが明確にあるが故に、個性を発揮するのが難しい」と語る。「『個を大事にする』と言っても、今は『個がどういうことを考えているか』をキャッチップしようという段階」と現状を明かした。

及川氏は、個が力を発揮できる環境について、「『心理的安全性』とよく言いますが、『ここに自分がいても大丈夫、意見をしても居心地が悪くならない』という環境や関係性を作ることが大事」と語る。ポーラでは「個性活躍」という言い方をするといい、これには注意すべき点もあるという。「『個性活躍』というと時々誤解さされて、『自分勝手や身勝手でもいい』と受け取る人もいる」と明かす。

「個性と自己中は違うんですよね。会社として一番大事なのは、purpose(目的)。『こういう目的のために、こういう社会を作るために企業活動をしている』。その手段は私たちなら化粧品。杉本料理長なら料理。手段はそれぞれですが、こういう社会を作るために企業活動しているという『目的』を同時に握りながら、その中で『自分はどんなことをしていきたいか』。その“will”が個性なんですね。『休みたい、我を通したい』ではなく、“will”をどう持っていて、チームとして形作るか」

自分勝手な思いではなく、社会・企業活動の個人の“will”を引き出すことが大切という及川氏。そのために一番大事なのは「対話」だという。「このチームで何を成し遂げたいか、この企業の目的は何か、そのフィールドの中で自分がやりたいことは何か、実現したい未来は何か。そこに個性が花開きます。少しまわりくどいですけど、目的の共有が大事です」と、対話から個人の目的を引き出すことが重要だと語る。

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