ノンアルコールビールでスポーツに楽しく取り組める世界へ
プハーのラベルデザインには、ミズノのロゴが中央に配置されている。ノンアルコールビールでありながら、ミズノのマークを入れた点は消費者からの評判も良いという。
「ノンアルコールビールにもさまざまなものがあります。中には、はたから見たら普通のアルコールを飲んでいるように見え、スポーツ後に飲むのが後ろめたいと感じる方もいるようです。プハーにはミズノのロゴが入っているので、周りから見て『アルコールが入っていない』とわかりやすい点を気に入っていただけているようです。また、『スポーツをしてない時に飲むよりも、スポーツをした後に飲んだほうがおいしく飲める』と言う声も多くいただきます。本当に私たちが狙ったことを体現できたんだと感じられて、とてもうれしいですね」
前例のないアイデアを形にすることに挑んだ今回の開発。開発全体を改めて振り返り、予測不能な要素が多かったと近藤さんは振り返る。
「市場にない新しい商品開発をするうえで私が大切にしていたことは、『健全な危機意識』でした。特に企業の中で新規開発する際は、細かく準備をしていく姿勢が必要だと思うんです。
一つの手段だけで望めば、うまくいかなかった場合に失敗に終わってしまいます。プランAやBだけでなく、C、D、E、F、G……など多くのプランを用意し、さらに『何が起きても最悪なんとかなる』というセーフティーネットまで考えてから開発を始めるイメージですね」
最後に近藤さんは、今後の展望について次のように語ってくれた。
「スポーツ後はノンアルコールビールというのが、当たり前の世の中になったらいいなと思います。そして、大人のみなさんも楽しくスポーツして良いんだと感じていただきたいというのが一番の目標ですね」
取材/DIME編集部 文/久我裕紀