仕上げにはプロフェッショナルによる確認が必要と考えている
研究者は品質向上のため、英文校正会社のレビューを経てから論文をジャーナル等へ投稿するのが一般的だが、論文執筆におけるAIツール使用に関する質問では、75.5%は「初期レベルのチェックとしては良いが、精度が保証できないため、AI の後に専門家によるレビューを追加することが好ましい」と回答した。
多くの研究者がAIは英論文作成の工程における序盤で活用して、仕上げにはプロフェッショナルによる確認が必要と考えていることがわかった。
■論文執筆におけるAIツール使用上の主な課題は「不正確な応答」
現在のAIツールの最大の課題について、最も多かったのが「不正確な応答」(66%)で、「データ管理の安全性、また ChatGPT などの AI ツールがデータをどのように使用しているかが不明瞭」(45%)、「ChatGPTなどの一部のツールは、非常にうまく構築された特定な要求にのみ正確に応答する」(33%)と続いた。
AIの使用者が増えている一方で、精度、安全性、難易度においてさらなる改善への期待を抱いているようだ。
■66%がAIツールの有料版は「使用したことがない」
使用したことのある有料版AIツールについて質問したところ、66%が有料ツールは利用したことがないと回答した。
またAIツールのサブスクリプション費用・使用料を支払う場合でも、4割が「自腹で支払う」と回答。研究論文の出版には総額50万円を超える費用が必要になると言われる中、論文執筆をサポートするAIツールの費用であっても自費で負担する人が多くいる実情が明らかになった。
研究のための AIツールのサブスクリプション費用・使用料の支払いについての質問では、30%が「研究予算を使用する」と回答するも、自費で支払っていると回答(「公費払いは認められていないため、自腹で支払う」(34%)、「公費払いは認められているが、研究費を他に活用するため、自腹で支払う」(7%))したのは41%だった。
調査概要
調査名/研究者のAIツール利用に関するアンケート
集計期間/2023年5月25日(木)~5月29日(水)
対象/エディテージ(カクタス・コミュニケーションズ株式会社) メルマガ会員の研究者 969名
方法/アンケートフォーム自主回答形式
出典/カクタス・コミュニケーションズ株式会社調べ
構成/清水眞希