韓国:年初から堅調の自動車関連業界の採用ニーズが拡大
<国内情勢>
ディスプレイや自動車関連は昨年末から引き続き堅調で、輸出額も今後も伸びることが予想されている。輸出が増えた一方、国内販売に限ってみるとHyundai、起亜の2大自動車メーカーの売り上げは昨対で減少している。しかし、これは販売量からクオリティなどの付加価値販売への転換期における一時的なものと見られている。実際に利益重視の方針へ変わっているHyundaiは、1~3月期の営業利益は過去最高となった。
サムスン電子が2023年12月期の事業別業績で半導体部門の営業損益が14兆8800億ウォンの赤字を発表し、SKハイニックスは2023年10~12月期は1年ぶりに黒字転換するものの、半導体業界は低調だ。
<企業の採用動向>
1~3月期は二次電池やHEVなどの自動車業界関連業種の求人が前期比と比較して微増した。ただ自動車関連の輸出が好調なため、欠員補充というよりも先行投資フェーズの増員ニーズが増えた印象だ。母数の少ないニッチ領域の技術者やキャリア営業人材は30代の即戦力を求める声が多かったのだが、1~3月期は採用難が加速したこともあり、年齢層の幅も出てきている。
また、日系企業からの求人は日本語スピーカーを求める声が多い状況だが、最近、特に若手の人材が少ないため採用が難しくなっている。また、ここ最近は韓国を起点に東アジア、近隣諸国へ事業を展開するケースも増え、英語スピーカーや中国語スピーカーの求人も増えている。自動車関連業界、二次電池関連業界の展望は引き続き良いと予想されており、採用拡大計画という話も多く聞かれる。
<求職者の動向>
半導体業界も引き続き動いてはいるが、自動車業界の輸出が堅調なため、自動車関連二次電池&HEV業界の採用ニーズに対して業界の人材が動き始めている。特に、営業職人材の採用ニーズが増えているが、韓国のインフレが続く中、条件を求めて動く候補者も増加している。全体的に給与額は上がっているが、物価がそれ以上に上がっているので、条件アップへの意識やニーズは高まっているものの、それでも転職には慎重になる候補者が多いようだ。
給与面で日本と逆転するというポジションも出ているが、マーケットの中で日系企業の採用力は高くない。
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インド:売り手市場による採用コストの上昇および採用期間の長期化
<国内情勢>
国際通貨基金(IMF)によると2024年4月1日を起点とする来年度のインドのGDP伸び率は6.5%となり、さらに2025年も6.5%と好調を維持する見通しであると示している。また、内需の底堅さを反映し、昨年10月時点の予想からそれぞれ0.2ポイント上方修正したと発表した。インド財務省も来年度の成長率は7%前後と予想され、引き続き経済が好調であることを発表している。
<企業の採用動向>
インドの経済を表す一つの指標として自動車販売台数が挙げられるが、2024年3月までの販売台数が過去最高となるなど、インドの個人消費の伸びは堅調に推移している。このような状況下で、多くの企業が部門強化もしくは増員のため採用活動を活発化している。
また、これまで様子見であった企業が本格的にインド進出することを決め、会社設立に伴う人材の採用が散見されたことも特徴となった。採用マーケットは売り手市場となっており、優秀な人材を採用するとなると、競合他社からのオファー提示で想定していた予算よりも高い採用コストがかかるケースや、オファー提示しても辞退さることが多く発生していることから、採用活動の期間が長期化している企業が増えている。
<求職者の動向>
ローカルの採用マーケットは4月以降の評価期間に求職活動をする候補者が活発化する。自社の昇給率と転職先の昇給率を比較検討しながら少しでも良い条件で転職しようとするこの時期は、企業にとって非常に頭の痛い時期になる。
日本人の求職者については前年よりも海外就業を検討する数が増えているが、インドのみに絞るということではなく、他の国も検討しながら、給与などの条件と海外就業を通して得られる経験をしっかりと考慮しながら、時間をかけてでも納得いく就職先を見つけるといった傾向にある。
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